聖杯/カップの4
聖杯/カップの4
大まかな意味(正位置の解釈)
遠くに灰色の山がそびえる風景で、木の根元で腕を組んで考え事をする人物がいます。目の前にはすでに3つの黄金の杯があり、その状況自体がすでに恵まれているとも言えます。土地は緑に覆われ豊かで、さしたる障害もなさそうです。虚空から白い手が伸び、また一つ聖杯を人物に向かって差し出しているようです。きっとこの聖杯の力があれば、人物は遠くにある灰色の山を越える力をも手にするかもしれません。しかし、この人物はどうやら不服なようで、容易に差し出された聖杯を取って冒険に繰り出そうとはしていません。「聖杯/カップのエース」〜「聖杯/カップの3」の物語を経て既に互いに見つめ合える関係、多人数での楽しい交流を得たこの人物が恵まれているのは間違いないでしょうが、それだけに退屈や不満を抱えていると言えます。言わば人間関係がぬるま湯になってしまっている状態とも言えるでしょう。競争がなければ刺激もないのです。新たな人物からの強い感情や精神的なつながりを示す「聖杯/カップ」を受け取ることにも懐疑的で、何かしら斜に構えたような心境になっているのかもしれません。そんな素直ではない捻くれた心情を示すカードです。自分の心理を守る趣きもあります。しかし、外部からの刺激を受け取らなければ、退屈がやがて退廃に変わるだけではないでしょうか?このカードは、他の人の誘いをむげにせず、受け取る重要性を示しているもののように思えます。
★大まかな意味:退屈、不満を抱えている心境、ある程度恵まれていて状況を動かす必要がない故に感じる小さな怒りや不満、退屈の中でも向上したいとも思わない怠惰さ、自分のやりたいことが見つからず充実感がないために他人を妬むような心情
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」と同じだが、特に変化をする必要性を強く示唆している。何かを変えなければ不満は募るばかりであり、不満足の原因が成長しない自分自身にあることに気づく必要性が強く暗示される。
日常における物事との関連:マンネリ、成長の停滞、恵まれた状況で感じる不満、変化する必要があり薄々勘付いているがそれよりも現状維持を選んでしまい緩やかに腐敗に向かう組織や人物など
逆位置
逆位置になると、この人物はようやく差し出された聖杯を受け取ることができるのでしょうか。マンネリ状態の打破や、あるいは恵まれた環境を追放されるためにこの聖杯を受け取らざるを得ないのかもしれません。いずれにせよ、逆位置になった「聖杯/カップの4」が示すものは“変化”です。退屈から解放されることもあるかもしれませんが、「4」という安定や保守を示す数札の逆位置が示すのは“慌ただしさ”や“支配権の緩やかな喪失”です(上巻「大アルカナ編」の「4、皇帝」などを参照)。何か、重い腰を上げざるを得ないような状況が到来したのでしょう。元々、この人物がただ座して待っている場合、次に控える物語は続く「聖杯/カップの5」の“喪失”です。
★大まかな意味:環境の変化から退屈を打破する必要性を感じること(決して自発的な変化ではない)、猶予がなくなった結果決断を焦るような状態、退屈がなくなるというより退屈しているだけの余裕が削がれる状態、焦り
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」と同様。何が退屈を破壊したのかについて考察する必要があります。
日常における物事との関連:環境の変化による焦り、自分も重い腰を上げなければならないと感じるような出来事、ゲームチェンジャー出現によるマーケットなどの変化、新しいスターが出現することにより勢力図が塗り変わる芸能界、方針の変更を余儀なくされる元トップなど
よろしければサポートお願いします!サポート頂いた費用はタロット解説に活かしていきます!記事のリクエストをくださってもいいんですよ……?