聖杯/カップの9
聖杯/カップの9
大まかな意味(正位置の解釈)
金色を背景に大胆にあしらったカードです。この人物は「聖杯/カップの8」で全てを一度捨て去った人物でしょうか。あれから自分にとって必要なものとそうでないものの峻別ができたのでしょう。周到に計画を練り、欲しいものを手にするだけの、満足を得るための場を整えたようです。「聖杯/カップの7」の吉凶混合のウィッシュ・カードとは違って、「聖杯/カップの9」は文句なしの成功を暗示するウィッシュ・カードです。
この「聖杯/カップの9」のカードの存在が「聖杯/カップ」のスートが全スートの最後に位置される所以かと筆者は思います。これほど多くの聖杯を並べてにんまりと満足するためには「棒/ワンド」の情熱と行動力や計画性、「金貨/ペンタクル」の緻密さや現実主義と洗練、「剣/ソード」の知性や合理性の全ての力を使うことが必要であるはずです。その末に得られるのが「聖杯/カップ」の精神的、感情的な満足と言えます。他の3スートの力が前提として存在しなければ「聖杯/カップの9」の感情的な満足は儚く消えることも十分ありえます。「聖杯/カップ」の精神的な満足や理想主義の原則が行き過ぎるとどうなるかの危険性については、次の、一見甘美な「聖杯/カップの10」が示しています。
★大まかな意味:願望の成就、自分にとって必要なものと不要なものを取捨選択し行動に反映した結果手にする満足感、願望を叶えるための力が揃っている状態、交渉のテーブルに着く前に勝利をもぎ取れる状態を整えること
★人間関係/恋愛上の意味:状況を周到に用意/操作して行って欲しいものを手に入れる、目的達成のために必要な力を持っている、(感情のみ見た場合)関係に満足しているがさらに良いものにしていく努力を怠る気はない状態
日常における物事との関連:一代で財を築いた人物、世渡り上手な人物、何をするにも不思議と成功する人、満ち足りている企業や間柄など
逆位置
逆位置になっても、何かしらの利得は期待できる状態でしょう。満足な状況も訪れるでしょう。ここで注意したいのは、何を手に入れたかです。果たして本当にこれは長期的に役に立つものでしょうか?果たしてこれは本当にそこまでの努力をしてまで手に入れたいものだったのでしょうか?偽の満足感や不正(まで行かなくとも強引)な手段で手に入れたものなのではないか、ということを示唆するカードです。これを得ている以上、目的を達成するだけの能力やリソースには恵まれるでしょう。気になるのは、目的を達成して少し経った後です。虚しさに苛まれないか、また「聖杯/カップの8」のように全てを捨てたい気持ちにならないか――それだけが心配です。
★大まかな意味:願望は成就できるが何かが違う、その時は必要だと思ったが後々不要になるもの、無理に欲しがっているようなふりをしなければならない状況、外見と中身の事情が違うもの、(不正を示すカードを伴う場合)不正な手段やずるい手段で手に入れたもので罪悪感が満足の邪魔をしている
★人間関係/恋愛上の意味:「大まかな意味」とほぼ同じ。側から見たら羨ましいような関係かもしれませんが、人しれない不一致や価値観の違いがありそうです。(不正を示すカードが多い場合)浮気や二股など
日常における物事との関連:裏がある人物、裏がある成功、本人が満足していないかもしれない成果、内部に悩みのある一見順風満帆な組織
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