美しき苔の庭園と軽井沢の夏
現代に生きる私たちにとって、何が望ましく、何を美しいと感じ、心底好ましいと思うことは何でしょうか?
前回に続き、軽井沢の夏休みレポートです。
いつもは、のんびりするのが目的で軽井沢の家で過ごすのですが、今回は大学生の姪っ子2名が遊びに来たので、軽井沢発祥の地を巡りました。
これらの苔の美しい庭園は、室生犀星記念館です。こちらの記念館は無料で公開しています。
室生犀星はこの別荘を昭和6年に建て、亡くなる昭和36年まで、夏はこの地で過ごしたそうです。
この別荘には、堀辰雄・立原道造・津村信夫らの詩人が訪れ、又作家、志賀直哉、川端康成らとの交流の地だったそうです。
(管理人?のおじさんが色々と説明してくれました)
とってもきれいに保存され、苔の歴史を感じる素敵な場所でした。
大学生の女子にはどうかな?と思ったけれど、しんみりと何かを感じていた様です。
こちらが、軽井沢発祥の地と言われる場所。
カナダ生まれの宣教師ショーが、1886年(明治19年)に軽井沢を訪れ、たいへん感銘を受け、別荘を建てた事から始まったと言われています。
こじんまりとした、古い礼拝堂。
心が洗われる様でした。
そして延々と続く旧軽井沢の街道を歩く。
ふと、”縁起”という言葉が浮かびました。
すべては縁起で今があるという事を思い起こします。
縁が繋がるという意味においては、良い悪いはないから、ただ大切にする事が人生なのだと腑に落ちた瞬間でした。
この立派な苔。
雨の日も風の日も雪の日も、成長を止めなかった証。
苔の美しさはその年月にある。
年月を重ねられた人生の先輩方の美しさを苔と一緒にしたら叱られるかも知れませんが、到底かなわないのです。
「謙虚で、知的で、美しくある様に」
パリの故恩師が言った言葉の意味を苔を眺めながら思い出していました。
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