ニューロダイバーシティサミットJAPAN2024
2024年9月15日(日)に開催されたニューロダイバーシティサミットJAPAN2024年。非常に学びが多かったので、こちらにレポートさせていただきます。
(※情報量が多く、議事録調ですがご了承ください。記事公開について何か不備があれば、ご指示いただけましたら幸いです。)
※「見逃し視聴」が可能なチケット🎫を引き続きご購入いただけます🎥
1.医師が語る 「これまでの20年、これからの20年」
【神尾先生より】
スペクトラム(連続体)
診断つく人とつかない人がいるのではなく、なだらかにグレーに存在する
診断つかない人の研究がないのに、臨床しなければけない現状がある
コモビディティ(併存)
1人の人にいくつもの症状が統合されている
重ね着症候群ともいわれる、症状の度合いにより透けて見えるイメージ
1人の中で、単一の障害として分けられているものではない
その時々の治療でなく、予防がもっと大事にも拘らず、ついた診断でしか現状治療できない
本当は研究では予防医学が既にたくさん言われている
ライフコース(発達)
予防的対応が大事
これから20年で進めるべきこと
診断境界から量的な理解へ
併存からホリスティックな理解へ
ASDは治療後、診断基準に合わなくなっても、特性はなくならない
最適なアウトカムとは?
本当に最適かを常に考え、常に疑う
現状は、最初に診断がついたら金太郎あめのように診断が続く
人×環境のフィットネスが必要
臨床側は変えづらい。学校を変えるべきだが、別の支配下にある組織で難しい
医療の役割
事例化・医療化だけの問題とさせない
治療よりも前の環境リスクを減らすと予防支援を徹底する
治療可能なことは見逃さない
変えてはいけないことに手をつけない。自分達のアイデンティティとなるものは何か
どうなったらいいのか
医師がやれることの限界はある
患者から直接学ぶ
全生活的に何かを捉える
診察室だけではとらえられない
【益田先生】
精神疾患とは「生物心理社会モデル」である
心理的問題は、社会問題に繋がっている
精神障害があると問題解決をする力も苦手で、トラウマを忘れられない体質もある
そのうえで問題を解決する方法とは?
仕方がないと思える瞬間を増やす
生まれてきてよかったと思える瞬間を増やす
これをAIに読み込ませるとうまく治療に載せられる
心は文化や言語に影響を受け支配される
だから、自由意志があるようでない
日本人にとって役に立ちそうな言葉は仏教っぽい
しかたがないと思われること
そのほうが周りからも愛されやすくなる
規則正しい生活をする
スマホ、睡眠、座禅、マインドフルネス
「バブル療法」…「学んだけど後どうすればいいの?」と聞かれたら
あとはやるしかない
ちょっとできるギリギリのラインをやる
ちょっとできるができると「複利」でできることが増える
1.01が積もれば70個積もるとだいぶ向上
ラーニングゾーンにいる
パニックゾーンにいると鬱になる
ちょうどいいストレスゾーンにいること
ほんのわずか変えることが本当にすごいこと
0.00001が積み重なって2になったら凄い変異
質の転換という目標を立てる
お友達と仲良く…だとハードルが高い
0.00001のステップを立てる
それがたし算でなく掛け算
この症状がほかの障害にも影響を与えていく
データが他の人にもいい教材になる
データがあればいいのではないか?と思ったが、人間がいい
AIってこんなに賢いのに誤作動を起こすのは、AIには身体がないからわからない。データの質を持ってみたときテキストデータの変換でしかない
患者もほかのデータを五感を使って理解した時に、納得してもらえるので、リアル、福祉の重要性を感じる
言語情報に依存しすぎている
【本田先生】(※当日ご不在)
Autistic Spectrumの提唱 1996年~
自閉症の診断が増えているわけではない
凝縮していっている
ASDの頻度 マイケルラター 2005年
診断率
有病率と発症率は違う
いろんな制度を作る根本となる
ワクチン騒動
自閉症はワクチンでできたという人もいる
ワクチンを中止してもASDは減っていない
イギリス高校の生物教科書でも紹介されている
ASDと診断された子供の発生率年次推移(厚生労働省データ)
医療費の請求の金額が上がっているが、どこまで科学的かはわからない(医師の診断による)医療費と関係している
発達障害は2歳~診断できると言われるが、年齢による増加の傾きが変わってない。
何歳だと診断されやすいということもない
義務教育段階児童生徒の特別な配慮を要する割合 13%
神経学的多様性の視点
生物学的変異だけでなく、社会的マイノリティという位置づけ
人種問題や性的マイノリティの多様性と支援対策は、対策としての共通点がある
社会的少数者
多数向けの社会の中でストレスを感じ、二次障害が起こりやすい
インクルーシブ社会作りが必要
「発達障害を加味した」標準への転換
多様な選択肢
【医師の20年トークセッション】
(益田先生)
医師が完璧でないことが言えるようになってきた
チームで全体的に解決しなければならない
医師のサブスペシャリティも変わってきている
医者だけをもつのでなく、社会と組み合わせていくことで新しい発見がある
(神尾先生)
エビデンスで施策を変えるが日本はできていない
システムがこの20年変わってない、変わったのが保険診療の点数くらい
変革を起こさないとだめ
エビデンスにもとづかないことが多い
5歳児健診もやりっぱなし
あの時の施策が結果ができたか評価をしてない
個々が努力してもシステムは変わらない
発達障害の早期発見について、20年前発達障害なんてどうせ治らないんだから…と揶揄されたが、今は手のひら返し。凄いバッシングだった
聞くリテラシーと発信する勇気がないのは、日本の教育にそれがないから
(益田先生)
政治化中心にするとよくない、環境中心にする
とはいえ、政治的なところと連携する場所は創ったほうがいい
若い人を応援する、利害関係が一致しないと動かない
当事者も政治を監視する必要がある
どう助けてほしいかを発信する
陰謀論に逃げない
わかりやすいし、孤独だからそこに集まってしまいがち
そのため社会で分断が起きて、繋がるために仮想敵をつくっている
もっと福祉を考える社会に変える
上手く共存するパイプをつくる必要がある
これまでは精神医学を知りたい人がいるのに、医師がそこにコネクションを持たなかった
メディア論について
感動ストーリーを作りたがって基本的知識を広めようとしない
事実は感動することでない、いい番組をつくって賞を取ったりする
だが、今後テレビ局や新聞社が強くなっていくことはないし、真面目なメディアは流行らない
やりての女性幹部が大量にいるから、そこが突破口になると思う
発達障害者支援法が実現されているか
共生社会参加、グループホームや特別支援学校等々…に社会をわけない
(益田先生)機会は確保されてない。偏見はないが、無視されている
発達障害可哀想だね、の意見は多いが仕事はやってね、であとは知りませんという状況になっている。
こうやってくれればいいから、差別はしないけど、「無視される」
韓国は差別までまだされる
(神尾先生)確保されていない。確保されるための頑張りに達してない
がんばればいいんでない。その方法が正しいのか考えていたほうがいい
20年やって、変わってないならかえないといけない
個別状況に応じた当事者の意思決定に合った診断されて終わりでなく、生活に反映されているか
(神尾先生)
法律ができているから、全国で取り入れる必要がある
好事例はスタートでいいが、地域差があるのはよくない
(本田先生)本田先生は地域連携とやるとうまくいくと言っていた
小さいところだと連携がしやすい
個人情報をどうシェアしていくか
基本的な共通知識をどう確保していくか
(益田先生)
YouTuberは発達の人が多い
大企業で働くが優良という共通認識だが、小さな組織で働くが増えていっている
この働き方でなく、いろんな働き方、全体的な知識を入れることが大事だと考えている
どうしても「正社員でないと…」とかこだわらず、働き方も色々ある。
(神尾先生)
診断数が増えている
カコ診断されている人がふえているのでなく、グレーの人が診断しないと治療ができないから。診断がついたら、データとしてカウントされるため
ADHDは薬がよく聞くが、ASDは環境でかえないといけない
伸びしろがあるのに、診断名がつくことが怖い
診断名の呪縛が公文書にも残るし、診断書が残ってしまう
嘘描かないと環境が動かない、にも拘らず医学的にわかってないこともまだまだあるのが現状
「発達障害」≒いいものを発見したくらいにする
働き方がいいモデルがある、希望がないから生活ができないのでないかという否定され続けるマインドになってしまう
教科書から、学習指導要領、特別支援学校の配置数からシステムを変えるべき
2.当事者が語る 「これまでの20年、これからの20年」
Q1.社会参加や強制の機会が確保されているか
(横道さん)
場所による。確保しきれていない場所が大多数
世の中とのギャップを埋めるために本を書いている
(石橋さん)
17年前から比較したら社会参加の道が開けつつあるという感覚
病院の数、スクリーニングの数、福祉の事業所の数…etc
当事者の外から発達障害であることはわかりづらい、それを理解してくれ、というのは理解しれもらえないことに気づいたほうがいい
自己客観視が進むと、他者客観視が進むと思う
自己責任だと責めているんじゃなくて、周囲に頼る選択を増やすことで楽になることができる
自分の発達障害偏差値(ASD●レべ、ADHD●レべ)自分の能力が分からずにゲームに参加してた。作戦を立てることができ、社会参加することができた。定型の人と話すだけだとわからなかった。
行政との取組み
先の20年はさらに飛躍的に二次曲線になって進みそう
発達障害者手帳ができたり、社会整備が進んでいきそう。勝手に変わっていきそう
既に行政のほうから話がきているから、社会が当事者を求めているのはヒシヒシと感じている
(沖田さん)
やらかしシリーズという漫画を描いている
2-3冊目から講演の依頼が来るようになった
15年前は発達障害当事者が描くのが珍しかった
ひきこもることが発達障害だといわれていた
(薬師さん)
当たり前にできることが、自分の努力が足りないと感じていた
自律神経失調症
CCのメールがBCCになってしまう
5分ほどの常態遅刻
みんなができないことができない
ジェンダーレスのダブルマイノリティの劣等感
情報をとって自助のなかに入る必要がある
Q2.社会的障壁は除去されている?
(沖田さん)
看護師の際、発達障害で何で苦しんでいるかを聞いてもらう機会がなかった
血液型B型のせいだとおもっていた
親の期待に応えたくて頑張って看護婦しか道がないと思っていたが、自殺未遂までして、人生を1~やり直した
「死ぬ気でやれよ…」と言われて、本当に死にかけた
医療当事者が発達障害だった時にどうしたらいいかをよく聞かれる。
当事者が自信をなくしてしまうための環境調整をしていくべき
デジタル化(メモは忘れてしまう)
「合理的配慮」を取り扱う部署を作ったほうが良いと思う
定型の人にとってはイライラさせてしまう場面もある
(薬師さん)
空気を読む、席に座って聞く、聞き方のスタイルはそれぞれなのに、定型が求められるのが、障壁を感じていた
みんな定型になろうとしているが、その距離が違うだけだと気づいた
(石橋さん)
自分の中に「定型にならないと」「普通はこれだけやってる」というのを自分で設定していた
自己啓発、自分にまけない、と設定していたのは自分だったというところに辿りついたら、社会との障壁がなくなった
どないやってもこれは無理だぞ、と諦めることができた
企業の経営者、現場の方の働く部分はまだ障壁が多いと感じる
営利企業だから、利益を生むために合理的配慮をする必要があるとの理解が広がらない
「企業内自助会」を創るモデルを検討している
(横道さん)
社会的障壁としては、精神疾患は偏見を持たれがち
病気と障害の違い、ほかの精神疾患とは別?とか、社会的にはそんなことを知らないことが当たり前
知的障害とも一色淡になっている
合理的配慮についても障壁が生じやすい
配慮でなく「合理的調整」
話し合いによって、交換するということを念頭に置かれている
配慮だと健常者側の被害者意識が生まれている
予算の問題とくっついている
組織の変革がされていない
一般的な企業だったらもっとない
まず変わるのは社会ではないかと思う
「ERG」という部門
身体障害は可視化されやすいが、発達障害は伝えづらい
評価に影響しそう。心理的安全性があって可能になる
サポートを気持ちでサポートさせず、仕組みでサポートさせる
大企業戦略になる。中小企業では難しいのでは。
大企業では「そんなことせなあかんのか…」という人もいる
中小企業の社長で「どんどんやってくれ」という人もいる
焦らずに変えていけばいいと思う
Q3.個々に切れ目のない支援は行われているのか
(横道さん)
焦点の当て方による
個別状況に応じた、は足りないところは多い
(石橋さん)
堺市では横の連携、多職種連携が実現している
行政、発達支援福祉施設が連携している
発達障害支援センターがある
担当者に「支援される側」の人が入ってないことが多い
ハローワーク、学校、医療機関…etcと連携しているが、商工会を入れたらどう?という話をしてる。どこの機関に行っても、連携できるようになっていることで、切れ目のない支援となっている
規模の小さい政令指定都市だからできたと思っているが、それをマネすることは各行政もできると思う
カウンターパートになる団体がその都市にないと始まらない
北陸・東北は当事者活動が低い地域の印象。県民性、引っ込み思案?
発達障害手帳の創設をしたい
(沖田さん)
弟さん、知的障害ほどではないので手帳が下りないが、日常生活が送れない
元気のないふりをしろと言って手帳がやっと取れた
自由診療で高額医療費が発生
(某クリニック)発達障害クリニック
子ども、お母さん、いい身なりの良い家庭が、カウンセリング
頭がいいのに、殴っちゃう点で、カウンセリングに来ている
発達障害は治ると思っているから、どこまでも高い
もっと気楽に入れるものがあったらいい
(薬師さん)
発達障害は治さないといけないのか?
障害者手帳
あるかないかでアクセスできる支援の数が変わる
大学が利用しづらい
大学の間のサポート、Kaienがやっている。民間がやっているのが凄い
大学内サークル(中央大学など)でやっているところもある
3.専門家が語る 「これまでの20年、これからの20年」
【野口さんより:教育観点から】
インクルーシブ教育とは
多様な子供がいることを前提として、システムを変えること
今ある枠組みに付け足すではない。今あるものを再構築する必要がある
例)運動会
いまある運動会そのものの目的って…?在り方自体を変える
ソフトを変えるのではなく、OSを変えるということ
社会モデルを変える
社会的障壁
非障害者中心モデルとなっている
バリアフリーしていたとしても障壁は人によって異なる
合理的配慮が必要。そもそも色々な人がいることを前提に変えていく
特殊教育→特別支援教育
かつて通常の学級でいた子供たちに、排除が起きていた
発達障害者支援法ができて認識されてきた
個別支援をして、どうにか今までのやりかたにあわせようとしてきた結果、どんどん別の場に追いやられている
結果的に障壁がなくなったものもある
タブレット教育
誰もが持っているため、基礎的環境整備
個別最適な学びにしていくと教育指導要領にある通り、障害児だけだく全員が対象
子どものほうが圧倒的にマイノリティにも拘らず、大人中心に学校が作られている
障害だけでなく、すべてのマイノリティに適した形にしていきたい
これだけのメンバーでは難しい、多様な大人が必要
学校教育とは
多様な人と出会った経験がないと、大人になってそういう経験ができなくなる
特別支援学校、不登校…が増えている
普通教育に乗れない、同質性が高まっている
インクルーシブ学校を実現するために…
教職員の土台作りを自治体にて実践
例)キャンプの体験
先生も楽しく、子供向けのアプローチ
先生も精神論のアプローチだと難しい。それぞれの違いを活かしたアプローチをしている
「あの子だけずるい」が発生する
全員社会的障壁があるという前提に立たなければいけない
意見表明をできる権利を全員があるという認識付けが必要
社会モデルを子供が考える授業の実践『普通アップデート』
環境調整をどうすればいいか
自己開示したくない子がいるため、選択肢制
みんなの前で発表するのが苦痛→動画を撮る、アバターで発表、虫を持っていれば頑張れる、人形持って行ってOK
アップデートできないことは、みんなで話し合いで決めることが大事、自分たちの環境は自分たちで決める「合理的配慮」「共生のための学び」
自分たちで意見表明ができる
【小野寺さん:就労観点から】
法改正、法定雇用2.7%
雇用率制度、納付金制度がどちらもあることは世界でも珍しい
雇用率制度があったから実現できている現状はある
労働市場の弱者としてとらえられていて、義務を作った
助成金などを出しながら後押ししているのが実情
知的、精神、身体という医学モデル
精神(発達)が半分を占めている
H25年に「発達障害」を明記したことで、障害に特化した専門委の個別支援が配置されるようになった
仕事サポーター、大学生の支援がある
手帳所持状況
診断を受けると84.4%所持
幼少期からの支援が強化されている
思春期に大学での困難性を鑑みて手帳をとっている
日本発達障害親の会
精神障害手帳を取るメリットをちゃんと提示してほしい
雇用率の影響が大きいため、メリットをしっかり提示していく
支援をしていけば能力発揮できるため、個別支援の重要性が唱えられている
手帳の取り扱いで終わらず、働く場面での困難性を合わせて研究しなければならない
雇用率制度のなかでどう扱っていくかに終始していた(医学モデル)だったため、雇用率制度を卒業する必要があると考えている
企業側の認識が追いついてない
義務、助成金で行政指導から卒業したい
ニューロダイバーシティに対応できる組織作り
すべての人が特性を持っていることを前提にして動いていくのが必要
ハローワークの合理的配慮の記載欄がある
障害者だけの問題?寛容化されてビルドインしていくべき
義務があるからでなく、人口減少に入っている危機意識
どっかに人はいるだろう…と企業は考えてしまっている
パート労働者のおかげで労働力がカウントされてしまっていた
1000万人の労働不足が既に予測されている
デイサービス人材不足、陥没した道路がそのまま…等、本気で考えなければならない事態が来る
DX、AIなど…出てきている
多様な働き方の促進、柔軟性
女性→高齢者→留学生→障害者、、、?ここだけ遅い
仕事なんかできないでしょう、と福岡では言われがち
労働力供給制約「福岡モデル」を開発・実践中
多様な担い手を企業に取り込んでいく
OSを変えていく、人を中心においていく
環境調整、エンパワーメントが企業に求められている
やりにくさを抱えながら個人で帳尻を合わせているのが現状
失敗が大事。この人が分かりやすくこなすためにはと、環境調整していくことが重要
障害者雇用が凄くいい実験になる
人材不足でハローワークで人が取れない
障害者雇用を進めていく
企業訪問して営業している
例)アスクル
精神、知的
ピッキング
例)警備関連
精神障害の特性をとらえ、マニュアルから外れたことをやらないことを強みにしている
特に中小企業
就労支援企業に助成金を出す
戦力化している、企業の中に労働局長が認定
伴走型で支援をしてもらう
支援した企業に助成金を出す
施設外でB型事業所を作って、その様子をみて事業所ないに移行など
義務だから、CSRだからでなく特性を強みに変える
企業の戦力として人的資本権利の入口となる
【近藤さん:歴史的観点から】
特別支援教育 1978年~
盲学校 世界的に見てもかなり早かった
当時者から反対運動もあった 分離されてしまう
「猶予」権利でなく障害のある子は学校行かなくていいとされていた
発達障害者支援法成立
通級 90年代~ 学習障害、発達障害…etcの認識
2007年~
国連権利条約にて合理的配慮等が勧告
学校に対して、法的に差別禁止アプローチがされていく
国際法を将来取り組むと日本政府が宣言
国際法はその国の上位概念になる
法律をかえないといけない
2012年 インクルーシブ教育システム
権利条約に実装の条約がある
それまでは障害のある子は、自らの学業選択ができなかった
最大限当事者、情報提供するように変わった
2016年
差別解消法
合理的配慮が公立の学校で義務化
通常の学級で違う取り扱いが配慮としてできるようになった
過重な負担がないのが前提
2024年~
改正障害者雇用促進法
民間の教育システム、塾にも配慮
本当の意味で始まったのはこの年から!
小学校の学び
様々な学びやっていこうという流れが来ている
中学以上~教育委員会の枠組みが変わってしまう
中学校~高校は変化のない状況
優秀なプログラムをやっていきましょうという学力優位思想
高校から都道府県が管轄
大学はむしろ革新的な動きがある
センター入試は文字拡大、代読、字が書けなくてもキーボードならOKで大学はインクルーシブになってきている
大学によって温度差はある
どこかのだれかがやってくれるでなく、地域をどうインクルーシブにしていくかをやっていくかが大事
学校、行政も残業代の出ない中でまだやらせるの…?となる
非常勤の人を有機的に動かすシステムがない
がんばっていても見えにくい
人口減少が最大の壁
人口減のエリアがスカスカになっていく
OSを入れ替えないとやっていけない
人間として「まなぶ」「働く」はウェルビーイング
人間を中心に考えていく
1945年 ホロコーストの時代~
精神障害病院
1970年
就学猶予、青い芝の会
座敷牢に閉じこめる
近年
数年前、離れで亡くなった事件が発生
座敷牢がまだ現代にもある
戦後の最大の開発は「人権」である
人口増加のトレンドの中にいた
軒並み人口減少
地方都市は高齢者も減っている
インフラの維持は…?
地域の自治のなかでやらなければならない
2040年
35% 高齢者となる時代が目前
制度がなければ新しく追加する時代ではない
これまであるものをリビルドする必要がある
社会福祉法人
新しいモデルを提示しても、新しい職員が来てくれない
共同、共創していくことがトレンドになっていく
地域システムから縦割りシステムだけでなく、横割りでやっていっている
行政、国がやってきたことを、各々がやっていく時代
Q1.これらを広めていくにはどうしたらいいか?
(野口さん)
各学校、各自治体にも強みがある
先生たちも強みがある
新しいものを付け足すのでなく、組み合わせを変える。ちょっと環境調整を変えていくという観点
大阪府、東京、埼玉それぞれの歴史、課題が違う
そこでの強みを活かしていく
助言をすることでなく、相互作用を起こす
お互いの実践を視察することで自分たちの強み実感できる
その後の改善スピードが上がる
出会わなかったものに出逢う経験が重要
(近藤さん)
京都府
小学校は多様な子たちがいるのが当たり前になっている
困った声が上げやすくなっている
学校の中で先生を孤独にしない
校長が障害に関わったことがない→本当は関わったことがないから苦手だったといえるようになると、全体が変わっていく
間違ってないことを尊重されがちだが、間違ってるかもしれない、でもよくしていきたいといういえるシステム
センター的機能(地域のサポート機能)ができるようになった地域から変わってきている
(小野寺さん)
行政も人が減らされている
雇用率制度の順守が目的になっている
何とかしての声にこたえきれてない
ノウハウのある民間と一緒に協力していくことを事例を積み重ねていくようにした
会社でも大企業だと社会的に法令順守だとやらされるから、担当者が困って農園ビジネスをやりだす。。。
実践者の横のつながりを作るようにしている
Q2.まだ足りてない部分は…?
(野口さん)
社会的障壁はだれでもある、意思表明はみんなしたほうがいい
より汎用性、通級は障害だけのもの?外国語とか、不登校とか…条件付きの合理的配慮をどう進めたらいいか
(小野寺さん)
労働力供給に本気でやろうのモードになってきている
声が上げられることが大事
やってもらったら、どれだけ組織に貢献できるかを、個々人が特性をちゃんと認識していなければならない
(近藤さん)
あなた向けの仕組みは今のところないから、創ろうということを言っている
新しい制度、仕組み、支援…それらが法改正にも影響を与えていると思う
自由度が低い
自治体の自由度が低い
学習指導要領から離れたことをやると怒られる
合理的配慮に依存しなければならない
本当はその子に合わせた教育にしなければならない
第一歩は合わせることをベースにした存在した窓口に相談しようとするが、自分で決められない
横ぐし+アウトリーチが必要。
窓口を禁止している。どんどんやっていく
移行支援
市区町村で決められてしまう
江戸時代で生きているのと同じ
ないものは創る、アウトリーチする
仕組みをどうしていくか
Q3.これからの20年について
(近藤さん)
雇用率の達成ではない
規範を守ることがゴールでない
合理的配慮の話でなく、本質をみて何ができるか
2040年が減った後、どんな社会を創ったら幸せかを考えたら世の中は作動していく
(小野寺さん)
会社のなかでも、みんなで決めていく
学校が変わってくことで、社会、組織も変わる
障害だけでなく、雇用率制度がなくなっていろんな強みを出し合って働き合う、失敗をしていくことも大事
(野口さん)
自分のしんどいことを言ってはいけないことはない
ちょっとおかしくない?をいうことから始める
最後に…
各専門、当時者の方のお話は熱量が高く、「社会を変えていかなければならない」という意志を皆さんから感じ非常に感化されました。貴重なお話を誠にありがとうございました。
Kaienさんが創業15周年、創業期~多くの経営判断や葛藤を越えられてきたとのお話も非常に感銘を受けました。就労支援や放課後デイ、YouTubeやカンファレンスによる情報発信等々と社会へ還元されている事業モデルすべてが素晴らしく、私も今後社会還元していく事業を検討していく上で、非常に学ばされることばかりの貴重な時間となりました。ありがとうございました!!!(サイン本いただきありがとうございました📚😊)