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おいしい野菜が、明日を生きる力をつくるから。オーガニック八百屋“Bugrass Farmers”

みなさん、こんにちは。TSUMUGI(つむぎ)編集部のウィルソンです。

TSUMUGIでは、毎月「畑のおまかせお野菜BOX」を販売しています。旬のお野菜を詰め込んで、開けたときに季節を感じて心躍る玉手箱のようなお野菜BOX。それを千葉県印旛郡から送ってくれるのがBugrass Farmers(バグラスファーマーズ)さんです。

今回は、青山ファーマーズマーケットに出店するBugrass Farmersさんを訪ね、取り扱うお野菜のこだわりや、お野菜と一緒にお客さんに届けたいものを伺ってきました。

いつもBugrassさんのお野菜を買っているよ!という方も、これから買ってみたい!という方も、ぜひ読んでみてくださいね。

並べて、話して、農家と消費者を繋ぐ

私が青山ファーマーズマーケットを訪れたのは、ある土曜日。久しぶりに晴れた週末だったこともあり、ファーマーズマーケットは大盛況で、どの出店者も忙しそうに接客する姿がありました。

その中でも、両手に抱えきれないほどの野菜を買っていくお客さんの姿が印象的だったのが、オーガニック八百屋、Bugrass Farmersです。営むのは吉岡和彦さんと奥さんの初美さん。遠くでお客さんと話す姿を捉えるも、簡単には近付けないほどの人だかり!

遠くから見ていると、和彦さんはもくもくと野菜を並べています。がむしゃらに並べるのではなく、野菜を手にテント内を見渡して、ときどき何かを考えるように動きを止め、また野菜を並べていく。

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「野菜の“良い顔”を見てもらいたくて、ああやって並べてるんですよ」

話しかけてくれた初美さんによると、農家さんたちが届けてくれるおいしい野菜がお客さんの手に届きやすいように、考えながら並べているそう。野菜がよりおいしく見えるように、エネルギーが伝わるように。

「自分たちが心からおいしい!と思うものを、届けたいんですよね。だから農家さんには、旬を過ぎてしまったものは出せないと伝えたり、逆にお客さんからうれしいお声をもらったら届けることもします。農家さんと消費者を繋ぐ。私たちができることって、そういうことなんじゃないかな」

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初美さんが「まずは、これ食べてみて」と手渡してくれたミニトマトを頬張ると、プチンとはじけてジュワッとトマトの風味が広がります。おいしい…!その間にも、初美さんはお客さんに声をかけます。

「このかぼちゃは、前のよりちょっと甘さ控えめ。ホクホクしてておいしいよ」
「キクラゲは茹でたら、生姜醤油につけて食べてみて!」

聞いているだけで食べてみたくなるレシピや野菜の特徴。初美さんが声がけすると、自然と周りのお客さんもその野菜に手が伸びてしまうのがおもしろい。

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見渡すと、どうやら常連さんが多そうです。「先週のみかん、おいしかった!まだある?」など、ここで野菜を買うことを楽しみに来ていることがわかります。

常連さんが多いんですね、と和彦さんに話しかけると大きく頷きました。

「僕たちが八百屋を立ち上げた9年前、最初に出店したのがここ、青山ファーマーズマーケットでした。人参だけを販売して売り上げた2万円から、すべて始まりましたね」

9年前、Bugrass Farmersは始まった。野菜を並べ続ける和彦さんと、楽しそうに接客する初美さんを追いかけながら、もう少しそのお話を伺いました

おにぎりがきっかけで、証券会社から八百屋に

「以前は、バーチャルの株を売ってたんですけどね、今はリアルの蕪を売ってますよ」

鉄板のネタを披露してくれた和彦さんは、もともと証券会社で働いていました。忙しい日々のなかで、食事は肉や揚げ物が中心。体重が90キロを超え、体調不良が続いていた頃、ある玄米のおにぎりに出会います。

繋がりのあった滋賀県の農家さんに食べさせてもらった、玄米のおにぎり。くるみや山椒、乾物などを砕いたものを10種類以上握り合わせたもので、「昔の侍が食べていた」と言われるものでした。

「そのおにぎりを食べさせてもらったとき、体中に電気が走ったんです。今思えば、当時の食生活は完全にミネラル不足だったんですよね。それをきっかけに食生活を変えたら、みるみる痩せて、体調も良くなっていきました」

20キロ以上減量し、身体が軽くなるのを自身で体験した和彦さん。当時生まれたばかりの息子さんにも「この食事を残してあげたい」と、脱サラして農業に従事することを決意しました。

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しかし、当時の和彦さんは40代。知り合いの養鶏家から「売る側になってはどうか」と助言をもらい、八百屋をスタートさせました。

「その先輩が言っていた『これからはBug(虫)とGrass(草)とFarmers(人)の共生だ』という言葉がとても腹落ちしてね、Bugrass Farmersと名付けました」

ここで言う「Bug(虫)」は、微生物のことも含めた大きな生態系のことです。Bugrass Farmersで取り扱うお野菜は、草を発酵させ、微生物が元気で豊かな土を作るところから始まっています。その土作りの手法は地域や土壌によってさまざまですが、「元気な土からできた、おいしい野菜を届けること」にこだわる農家さんたちが徐々に集まり、Bugrass Farmersが扱う野菜も増えていきました。

「正直、『こういう農法がいいから』と思って始めたんじゃなくて、単純においしかったからなんですよね。ここで販売していると、証券会社にいたときの自分と同じように、この野菜たちを“必要としている”方々が多い。だから、こっちもやりがいがあるんですよ」

「おいしいものを食べる」って一番身近な幸せだから

和彦さんの話を聞きながら、「自分の夫が突然、八百屋やるよ!と言い出したらどうするかな」と考えていた私。今でこそ一緒に活動しているけれど、最初は不安もあったのでは、と初美さんに聞いてみました。

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「息子を出産して半年だったかな。『会社辞めるから』って言われて『なんとかなるだろう、いいんじゃない』って返しましたね」

そう言って、あははと笑う初美さん。ええ!反対はしなかったんですか?と聞くと、また明るい声が返ってくる。

「私、もともと歯科衛生士で、天職だって思っていました。歯を治療した患者さんたちから『食べられるようになったよ』って報告をもらうのが、本当に嬉しくて。私自身、食べることが大好きで、おいしいものを食べて元気になることが生きていく上でとても大切だって思っていたんです。Bugrass Farmersは、そこと繋がっていたから」

取り扱う野菜やお客さんの話をするとき、初美さんは「おいしいものを食べて、元気になってほしい」と何度か繰り返していました。生命力のある野菜を食べて、食事のたびに幸せに感じることができれば、人生そのものが豊かになっていくと、和彦さんも初美さんも知っているのです。

「農家さんから届いた野菜の箱を開けたときのエネルギーって本当にすごいんです。農家さんの愛情や、野菜自体の持つエネルギーが詰まってるのを感じると、これは必ず幸せな食卓のお手伝いができる、と思えます。おいしい食事で元気が出たら毎日仕事もがんばれる。それって日本全体が元気になるってことですよね」

Bug(虫)とGrass(草)とFarmers(人)が作り出す、イキイキとした野菜たち。野菜から感じるエネルギーと、「食という身近な幸せを届けたい」と言う和彦さんと初美さんにもらえる元気が相まって、Bugrass Farmersのテントの下は、訪れるだけで元気が出る空間です。

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普段はスーパーで適当に野菜を買っていた私ですが、いつの間にか「おいしそう!」と、わくわくしながら野菜をかごに入れていました。きれいなみどり色のスナップエンドウ、感動するほどはじけたミニトマト、しっかりとした蕪やキャベツ、初美さんに勧められて初めて買ってみたビーツまで。

他のお客さんと同じように両手いっぱいに野菜を抱えた帰り道。次の季節はどんな野菜があるのだろう、とまたBugrass Farmersのお野菜に出会える日が待ち遠しくなったのでした。ぜひ、青山ファーマーズマーケットに行かれる方は、土曜日にBugrass farmaersのお二人に会いに行ってみてほしいと思います。

また、家が遠かったり、忙しくてなかなか寄れなそう、という方は、ぜひ野菜のおまかせBOXを試してみてくださいね。土作りからこだわった新鮮な野菜たち、農家さんとBugrass farmaersのお二人の愛情がたっぷり詰まったBOXは、開けた瞬間に野菜のエネルギーを感じることができます。

「今回はどんな旬の野菜が届いたかな」と、BOXを開けるときのわくわく感が、すでに幸せな食卓に繋がっている。そう私たちは思うのです。


▼Bugrass farmaersの元気なお野菜が詰まった「畑のおまかせお野菜BOX」はこちら!そのときに旬の、新鮮なお野菜を厳選して送ってもらえます。気になる方はぜひ一度お試しくださいね。


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