見出し画像

浜松のんびり旅(秋野不矩美術館編)

浜松に行ってきました。
何度も訪れていますが、ほどよい田舎感がすきです。
カラリとした気温もなんだか好き。
交通ルールを守らはる感じもまた好き。
新幹線の駅をおりたら、すぐ街なかなのも好き。
公園が整備されてて、緑の環境が多いのも好き。
ですね。
都会過ぎないというのが一番好きな理由かもしれません。

さて、今回は遠州鉄道の終着駅まで乗って、天竜区という所まで行ってきました。遠州鉄道「西鹿島」駅からバスで7分ほどのり、そこから10分ほど歩いて行きついた先。
浜松市秋野不矩美術館 
この浜松市天竜区出身の日本画画家、秋野不矩の偉業を讃え、この地域の芸術振興のために作られたそうです。

なんといっても特徴的なのは、美術館のこの外観。

なんともワクワクしてきませんか?童話感がすごい。


こちらは建築家・藤森照信氏が設計したもので、限りなく自然との調和をめざして設計されたとのこと。(滋賀にあるラ・コリーナの設計者でもある)
丘陵の上にたつ美術館のため、坂道をあがります。少しずつ見えてくる外観に胸をはずませ、坂をのぼりきります。すると扉が見えてきます。
栗の木で出来ているという戸、ごつごつした質感がまたいい。
スギの木の壁板は、幅をあえて変えているらしい。

館長さんが玄関まで来て、教えてくださいました


美術館ロビー、天竜杉の大木を使用しています。
美術館にはめずらしく、展示室へは靴を脱いで上がります。


6月23日まで開催の特別展「内田あぐり 氾Fluxes」
あふれる、流転する などの意味を込めて(館長さん談)

この美術館にいきたい、といったのは長女なのですが、なぜ行きたかったかというとこの絵を観たかったからだそう。


吸い込まれそうなくらいキレイ
特別展は写真撮影OKでした。

天竜川をはじめ、3河川をモチーフに描かれた作品です。
内田あぐり画伯のほかの作品は、わりにエネルギーに満ち溢れているのですが、この作品は緑深く穏やかな印象をもちました。

そして圧巻だったのが、こちらの作品
7メートルの作品だそうですが、展示室はそこまで高さがないので、
下の部分をナナメにするという展示方法に行きついたそうです。


正面から撮れてない💦
自然とともに生きる人の姿が描かれたもの

展示室に到着すると、館長トークと称して作品の説明をしていて、20名ほどの来館者が作品について耳を傾けていました。
美術絵画にはまったく明るくない私なので、館長の話はすごく勉強になったなあ。
館長トークがおわってからも、まだ私と娘は見てたので、館長が話しかけてきてくださって。
この時とばかりに質問をさせていただきました。ありがたい!

館長からのお話で心が震えたことがありました。
常設展示の秋野不矩作品から特別展の展示室にいくときに。
鑑賞者の目線がどのように動くのか、展示室までの伏線をどう設えるのか、
展示室で鑑賞者の視線をどう動かすのか 
ただ作品を並べるのではなく、すべてが意図されている
このようなことを教えてくだって。

美術館にいっても、いつもこのように話をきくことなく。
今回も、ただ観覧していたらわからぬことでした。
来館者の受け止め方はそれぞれ自由だけど、表現者(内田あぐり画伯)提供者(美術館)としてのこだわりをしっかり持つ。この考えに感銘を受けました。

余談ですが、こちらの美術館の床面は籐ござ(第一展示室)と大理石(第二展示室)。
裸足でいったので、大理石は本当にひんやりしていました。冷たくて痛かった😅
行かれるときは、靴下必須です。

館内には私たちしかいなかったので、館長は丁寧に説明してくださって。
日本画の絵具のお話は興味がありました。
膠(にかわ)という動物の腱などの主成分と鉱石などを粉状にして絵具にする。
油絵の具と違って、乾燥などに弱いため、剥落したりする可能性が高いから
作品展示は40日を限度にしかできないこと、そのほかは気温と湿度が管理された部屋で収蔵されていることを教えてもらいました。
自然の恩恵を受けて絵をかかせてもらっているから、自然への敬意やエネルギーをテーマに絵を描く画家が多いと。

こちらの美術館自体が自然との調和を取り入れた施設なので、そこにいるだけでなんともゆったりとした気持ちになるのです。

樹齢120年の天竜杉。あえて、側面は整えずゴツゴツしたままに。


去年はルイ・ヴィトンの撮影に使用されたそうです

2時間ほど滞在し、本当に有意義な時間を過ごしました。
居心地が本当によかったので、おススメです。
たぶん、また行くでしょう。
藤森照信設計の美術館巡りもいいな(タイルミュージアムは既にいきました)

さあこの後は、天竜二俣の商店街にいきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?