LSE大学院記🇬🇧| 冬休み完結編「何かを失うことへの恐れ」

あっという間に2025年になって2週間が過ぎ、試験やらレポートやらも佳境を越えつつある今日この頃。ロンドンはとても天気が最近よく「光を浴びなければ」という思いが先行して散歩という名の光合成を日課にしつつある日々です。
※完全に悶々と考えながらな書いた結果…ところによって分かりづらい仕上がりになってしまいました…。

どこかよく分からない公園：天気が良い！

時間の余白があると人間考えふけてしまう

何を突然言っているんだという感じですが、個人的に「好きな時間は何か」と聞かれると、色々もちろんあるもののよくあげるのは「歩きながら何か考え事をする」時間な気がします。自分自身目の前にあるもの・来るであろうものに関して悶々と延々考えてしまいがちなので、1番整理されてるこのひとときが一種ストレスを発散する方法です（目的地がない散歩なので、大体気づいた頃に何でここにいるんだっけ…というくだりを懲りずに繰り返しています）。

そんな中で最近考えている「失うこと」と「得ること」

こんなこと考えてないで目の前のやることをやればいいのに、と自分でも思うのですが笑　最近個人的に考えることが「失うこと」に関してです。昇進した・新しい知識を手に入れた・新たな人間関係を築いた等など…挙げればキリはありませんが人間「得ること」に対してはポジティブな印象を抱くのに「何かすることを辞めた」という一種「失うこと」に対してネガティブに捉えている節がどこかあり、（これは個人によるかもしれませんが）その「失ったこと」に対してはどこか他人に言いづらい場面があるような気がしています。

確かに、「得ること＝今まで何かしたことのない領域や世界に一歩踏みだす」とすると、対義語の「失うこと」はどちらかというと暗く捉えがち（実際論そういう出来事が多い）ですが、個人的に最近思うのが「失うこと」は必ずしもネガティブでもないのでは？ということです。

個人的に近年失ったこと

いっぱいありますし、実際書き出すとネガティブなことも多いなと改めてもいます。例えば、「環境変化によって友人との接触回数が減り疎遠になった」「定職を失った（学生）」「身近な人の悲喜交々のイベントに参加できなくなった」などなど

これだけ書くと「おお」という感じですが…その中にはもちろん決してポジティブとは言い難い内容も含まれているのも事実です。ただ、自分の今を振り返った時に「全てを保ったまま失わなかったら今の自分の状況にいたのか？」というとそんなことはない気がしています（推論ですが）。

人は失うことに対して恐れを抱く

せっかくなら冬休みに課題で散々睨めっこした内容も入れてみようということで↓

人間何かの手違いや過ちで一度失った経験をすると、その損失を取り戻そう（ギャンブルなどの例がわかりやすいかもしれませんね）と、よりその課題に対してコミットしてしまう＝Escalation Of Commitment（過度なコミットメント）が発生するようです。つまりSelf-justification（私は正しい選択をしたのだ）という自己正当化やPerceptual blinders （ネガティブな情報は誤解されたり正当化しようとする）という心理的な動きが働いていると(Staw, 1981)

以上から言えることは学問的にも「失うことは人間が抱く恐怖の一つであり、それをどうにか埋めようとあれやこれや手を尽くして考えてしまう」ということです。

なぜ失うことがネガティブとは限らないと思うか

全て欲しいものを手に入れられる方ももちろんいますし、意図的に「やめる・捨てる」ことをする必要のないフェーズも人生であると思います。ただ、やはりスーパーマンではないので「意図的な人生の断捨離」は必要なのではないかなと思います。

イメージで言うと、人間のバケツの大きさは元々のキャパシティー（能力・スキル・マネジメント能力など）は多少訓練（いろんな山場を乗り越えたこえたり他人と協力すること）でも大きくなるかもしれませんが、自分のバケツの許容量を知らないまま行くと、結果自分の身体・心理的な側面にブーメランとして帰って来てしまうのではないかなと。

なので、新しい環境や頑張りどころ！と思えば思うほど手の届きそうなチャンスや得られた機会をものにすべく頑張ってしまうこともあると思うのですが、根本の自分自身が目まぐるしく進化しているわけでは（ハネムーン期と言われる最初は気づかないかもしれませんが）ないので、意図的に自分のボールとタスクを「捨てること」が結果として総合的な幸福につながったり、いつ出会えるかは分からない新たなやってみたいことに対して「手を出せるちょっとした余裕」につながるような気がしています。

私自身も例外なく大小様々色々と・ボロボロと失っているな、と感じることもありますが、その時猛烈に悲しかったとしても自分の「今・この時」に対峙するとその失いによって得られた感情・経験値が今ある世界で生きる小さなアイテム（どうぶつの森的な）につながっていると思っています。

終わりのぼやき

年齢を重ねるごとに、周りが昇進したり、自分自身のステータスが変わったり、できることが増えるにつれて「得ること」に対して貪欲になっていく反面、比例してチャレンジして「失うこと」に対して恐れを抱くことが自分自身も多いような気がしてしまいます。

失ったチャンスは確かに全く同じものには2度と出会えないかもしれませんが、それ以上にその先に出会える未知の可能性に対しての見えない投資、だと思っているのも一つ大事なのかなと言うのが個人的な見解です。自分を信じて自分に期待するほど難しいことはありませんし、あまり自分自身を肯定的に捉えずらい性格からすると渦中にいるときはだいぶ大変ですがその分少し世界や自分を客観的に見える「第3の自分（ドラえもんのミニドラ的な）」が徐々に形成されている気がします。

失うことを「ポジティブでいいね！」と言うわけには毎度はいきませんが、その時は目の前の事象に対して集中して思いっきり悲しみに暮れたりして感情を出し切って、後々少し冷静になった際に「自分の将来への見えない投資コインが貯まった」のかもしれないと視点を少し移動させてみるのも一つ考え方としてあるのかなという（何が起きたわけではないのですが）最近のぼやっとメモでした。

ではまた！