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ギャンブル依存症&借金「離婚を後悔しない」ための絶対知っておくべきお金の話
家族に借金があると知ったら誰だってショックなものです。
まして、家庭共同経営者である夫が、家計を圧迫する額の借金をつくっていると知らされたら……
突然ぼろぼろ涙がこぼれてきたり、ふと気づくとぼーっと放心状態になっていたり、スイッチが入った途端に怒りだしたり、感情が一気に溢れ出しますよね。
そんな状況でも妻たちはこう考えます。
「子どもがいるから離婚はできない」
「経済的に自立できていないから離婚はできない」
「勇気がないから離婚はできない」
悩み・憎しみ、愛情などいろいろな感情が混ざり合ったなかで「離婚できない」と判断するのが、本当に正しいのでしょうか?
離婚するもしないも個人の自由ですし、それぞれの家庭の事情があるので、100組いたら100通りの結論があって当然なのですが、同じギャン妻(ギャンブル依存症の夫の妻たち)としては、仲間に苦しんでほしくないのでこのnoteを書きました。
覚えておいてほしいことは3つ。
1つ目は「依存症は一生完治しない病気」だということです。
これは紛れもない事実で、何年かは夫婦で治療を頑張るものの、結局スリップして、ボロボロに裏切られ離婚するケースも多いといわれています。
2つ目は「離婚はいつでもできる」ということです。
ギャンブル依存症&借金が原因で離婚を考え始めたら、感情や思い込みで結論を出してはいけません。生きるためのお金の算段とご自分の気持ちの整理をきちんとつけましょう。
3つ目は、あなたが自分らしく笑顔で生きられる選択なら、なんだって、どんなかたちだって、いつ判断したって、「正しい選択」だということです。
何年も苦しんだ末に「離婚した」報告がある元妻たちは、憑き物がとれたようにスッキリとしているものです。悩みぬいた末に自分で結論をだしたのだから、それだけで立派なのです!
「離婚するか」「離婚しないか」の選択を少しでも後悔しないために、いくつかの選択肢から選べるよう、あなたのベストタイミングでベストな選択ができるように、お金のことを知っておいてもらえたらうれしいです。
離婚の種類
前提として、日本の民法では、離婚には 5 つの「離婚原因」と 3 つの「離婚方法」があります。
【離婚原因】
(1)不貞行為
(2)同居義務・協力義務・扶養義務に違反
(3)生死不明( 3 年以上)
(4)回復の見込みがない重度の精神病
(5)婚姻を継続しがたい重大な事由
【離婚方法】
(1)協議離婚
(2)調停離婚
(3)裁判離婚
皆さんもご存じのとおり、家庭裁判所を介する「調停離婚」「裁判離婚」は時間もお金もかかりますから、ほとんどの場合「協議離婚」で離婚する方が多いです。
ギャンブル依存症も協議離婚で
「ギャンブル依存症だった」「借金をつくった」だけでは離婚事由に値しないため、調停(裁判)では受理されないようです。
「噓でしょ?!」って目をカッと見開いちゃますよね。
ギャンブル&借金が理由でも、協議離婚で話し合い、お互い合意の上で離婚をしなければならないというのです。
ただ、
・生活費を入れない
・ギャンブルをしないという約束を破った
・妻名義の預金や学資保険を解約しての使い込み
などがあった場合は、離婚原因の(2)同居義務・協力義務・扶養義務に違反していた、とみなされ裁判でも離婚が認められることもあるようです。
1回目はスルーしても、2回目以降は「約束」させちゃえば、こちらに有利に働きます。
モラハラ・DV なんかの証拠があれば、離婚できる可能性が高いので、レコーダーや写真に収めておきましょう(当然ですね)。
モラ夫さんは離婚の意思を告げると逆上したりする可能性もあるので、証拠を集めたうえで離婚を切り出すタイミング(暴力を振るわれないよう飲食店内で、荷物を運び出したあと電話でなど)を工夫しましょう。
親権問題は母が有利
自分に原因があるのに「親権はオレだ!」とホラを吹くご主人もいらっしゃるようです(うちも)が、大丈夫です。
日本では一般的に子どもが 10 歳以下の場合、9 割の確率で親権者は母となるケースが多いようです。
今まで誰が主に子育てをしてきたか、幼い子どもが誰といるのが幸せなのかという考えに基づいているからとか。愛しいわが子はあなたと引き裂かれません。
ひとり親家庭への支援策
離婚した場合、ひとり親家庭になると受けられるサポートがあり、一般的な生活はできそうです。
【1】児童手当( 0 歳~中学卒業まで/月 5,000 円~ 15,000 円)
※第3子以降は一律15,000円。こちらは子どもがいる全家庭が対象。離婚せずとも、夫がギャンブル依存症の場合は、妻のほうが収入が低くても妻の口座に児童手当を振り込んでもらえるそうです。
※↑このことは窓口の担当者が知らない場合もあって離婚調停所を持参するよう言われたりしますが、国会の議事録にも載っていて特段の事由に値するなどと交渉できます。頑張りましょう。
【2】児童扶養手当( 18 歳になるまで/物価や所得額、子どもの人数に応じて受給額が変動)
【3】生活保護
【4】自立支援教育訓練給付金(雇用保険の教育訓練給付を受け取れない人が対象)
この他にも
【5】国民年金や国民健康保険の免除
【6】所得税・住民税の減免
【7】上下水道の減免
【8】交通機関の割引
【9】非課税貯蓄制度
などが受けられることもあるそうです。単純に給付金や手当をもらえなくとも、税金の減免だけでも大きいはずです。
※各支援策は所得制限がある場合があるので、詳しくは各自治体のホームページや計算シミュレーションを参考に。
自治体による独自の支援策
国の支援のみならず、自治体独自に行っている支援策もあるかもしれません。調べてみましょう。
・児童育成手当(東京都は児童一人 13,500 円)
・住宅手当(家賃補助)
・ひとり親家庭等医療費助成制度(医療費が18歳まで無料、養育者の負担減など)
・粗大ごみ等処理手数料の減免
・保育料の免除・減額
・就学支援金 など
※各支援策は所得制限がある場合があるので、詳しくは各自治体のホームページや計算シミュレーションを参考に。
東京にお住いの方は 一般財団法人東京都ひとり親家庭福祉協議会 も参考に。
・慰謝料
「慰謝料」とは離婚によって生じる精神的苦痛に対する損害賠償金です。
性格の不一致が理由での離婚には認められないようですが、生活費を渡さないなどは違法行為とみなされ、慰謝料を認められることがあります。
婚姻期間・別居期間の長さ、年齢や社会的地位、収入・資産・負債、子どもの有無などにより決定されるのですが、100 万円~ 200 万円が多いようです。
※相手に支払い能力がないと判断されれば大幅減額もありえます。
・養育費
子どもを養育するために、引き取った親に対して引き取らなかった親が支払う費用です。(扶養は離婚しても親の義務だというのに、養育費が支払われているのは現状2割程度というから驚きです!)
期限は法律では定められておらず、各家庭の実情に合わせ18歳まで、成人に達するまで、大学を卒業するまでなどと定めます。
平均額は子ども 1 人の場合は月 3 ~ 4 万円程度のようです。
※相手に支払い能力がないと判断されれば大幅減額もありえます。
養育費未払いを防ぐ離婚協議書
とどめです。「離婚協議書」を作成し強制執行も承諾するという条項を入れておきましょう。
上の写真はわが家の実際の離婚協議書です。作成費用は3通(一部は公証役場に保管、二部持ち帰り)で1,400円。雛形はネットにアップされているのを基本とし編集しました。
「念書・離婚協議書、ただの紙」
ギャン妻あるあるですが、そんなことはありません! 2021年5月施行の改正民事執行法では、公正証書や調停調書、判決書があれば裁判所を通して市区町村・年金事務所に照会が可能で、養育費の未払いを防げるようになりました。
※実際にこの公正証書を元に裁判を起こしてから強制執行できるまでは、裁判所を行ったり来たりするのでおそらく 2 ~ 3 カ月かかるようです。
計画通りにはいかないことも
スリップして突然養育費が支払われなくなったり、夫が再婚して経済的に苦しくなれば養育費の減額も認められてしまいます。
未来のことは完璧に予測なんてできませんから、未確定なことやものに固執せず、必要なもの、頼れるものは恥じずに利用し、自分らしく生きられたらいいですね。
離婚するか悩んだときの指針
こうしてさまぁまな支援策があることが見えてくると「お金のこと案外なんとかなるかも?!」と、肩の力がスッと抜けてきませんか?
金銭的理由で離婚しないと考えていても、本当の離婚しない理由は、実は金銭的な問題ではないかもしれません。自分自身としっかり向き合って、離婚するかどうか「あなた自身」で決めるのです。
決断を他人に委ねてはいけませんし、決断する前に愚痴のように他人に話すのは得策ではありません。
なぜかというと、必要以上にご主人が責められたり、ご自身も批判されたり、他人の意見に揺れるからです。
そうすると、自分の意思としてではなく「他人がそう言うから」で決断してしまい、あとあととても後悔することになるかもしれないからです。
自分が楽しいと思える生き方を後悔しないで選べるよう、自分が納得できるまで、じっくり考えてみてくださいね。引きずりながらの生活は、今より辛くなるかもしれませんので、どんなに時間がかかっても、どんな結論でも、あなたが自分で選んだことに価値があることをお忘れなく。
とはいえ離婚するか否かは難しい判断なので、後悔しないよう、冷静な判断をするために、するべきことを書いておきます。
今すぐやめること
・夫が借金をしないなら離婚しないという考え
・借金さえ片付けばどうにかなるという考え
・結婚したことを後悔すること
・怒る(イライラする)
・詮索すること
・お金を渡すこと
・「離婚」と脅すこと
今から少しずつでいいからやりたいこと
・相手を思いやること
・感謝すること
・良くも悪くも人の変化を認めること
・自分で決めること
・自分の気持ちを冷静に伝えること
・楽しめることをする
・一人で抱え込まない
信じていいこと
・ギャンブルをしていない日々
・借金をしていない日々
気にしないこと
・ご主人の一挙手一投足
・子どもに父親が必要か否か
個人的主観ではありますが、女の子や古い価値観を持たない男の子は成長して意思がしっかりしてくれば、離婚に賛成してくれるケースが多いと思います。また、バツイチはモテるなんて話も耳にしたりします。
両親の言い合いを聞かされたり、不穏な雰囲気の中で育つお子さんはアダルトチルドレンになりやすいです。
一生ものの傷を負わせることにもなりえますので、「父親は必要だ」と離婚を踏みとどまらないよう。
離婚したってお子さんの父親はご主人、ただ一人です。
外国や芸能人のようにお互いの家を行き来する生活だって、どんなかたちであれ笑って過ごせれば全然問題ないと思います。
どんなに「詰んだ」と思ってもそのときだけです。
望んだ通りでなくても、死がくるまで嫌でも人生は続きます。
時間が経てば状況は変わってくるものです。
すぐに笑えなくても、いつか笑えればいいのです。
生きてる限り、幸せになるチャンスはあります。
そのチャンスを引き寄せられるよう今から動きましょう。
行動すれば未来は変わります。
あなたのキラキラした笑顔が取り戻せますように。