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Play list “Winter Melancholia Continues ” Ikeda K. Play list 2025.01.11.

昨年末に続き、今回も高円寺コネクシオンでの「Groovy Music Research」に参加。今回も冬を感じる曲というお題。昨年、寒くなるのが遅く、ちょうど今回の選曲を考えてた頃に急に冷え込んできました。
そんな時期にいつも思い出すのが物凄く冷えこみ、街中でも夜になると、街灯くらいしか照明がなく、暗く沈み込んだようになるロンドンの冬。
ロンドンに行く時期がいつも冬だったので、そのイメージが強いです。
ということで、ロンドンをイメージしながら、選曲スタート。
と言ってもイギリスものだけではなく、ただ音の感触は、前回と変わらないものが多いので、引き続きということで、テーマは“Winter Melancholia Continues ” にしました。
First Set
1. I Want To Hold Your Hand/The Sparks (1976)
しょっぱなから、イギリスではなく、アメリカはロス出身でカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を出た兄弟バンド。でも自称「Anglophilias(英国びいき)」で彼らはイギリスの音楽ばかり聴いていたそうで、ブラックでシニカルでひねくれた楽曲は、全然アメリカらしくない。よってデビュー当時は全然売れず、彼らを認めたのは、グラム・ロック隆盛の頃のイギリス。僕が初めて彼らのライブを観たのが、10年以上前のロンドンでしたが、彼らにとってもロンドンでの久しぶりのライブだったらしく、彼らは「London made our dream come true」と感謝を述べてからライブが始まりました。そしてこの曲は、もちろんThe Beatles 「抱きしめたい」のカバー。
僕が中学生の頃にこの曲がラジオが流れてきたとき、そのあまりにも変でかっこいいビートルスに虜になりました。当時流行したフィラデルフィア・ソウルをイメージさせる流麗ストリングスと女性コーラスにラッセル・メイルが得意のオペラチックなボーカルが乗る誇大妄想的「抱きしめたい」。
B面も「England」。イギリスへの愛と感謝のシングル盤。

2.You Gotta Be/ Des`ree(1999)
この当時のクラブシーンは、アメリカのハウス中心でしたが、その流れの中で、イギリスでは、踊れるジャズ(Acid Jazz)だけでなく、をJazzieB(Soul To Soul)により緩やか かつダンス・フロアにも合うグランド・ビートが”発明”され、大きな流れとなり、こちらもその系譜と言える黒人女性SSWDes`reeによるニューソウル的名曲。

3.Hideaway / Steve Harley & Cockney Rebel (1974)
昨年、亡くなったSteve Harley。モダン・ポップとかグラム・ロックという括りで語られることも多いですが、よりシアトリカルで文学的なイメージでのこの曲が収録されたアルバムの邦題も「美しき野獣の群れ」
ライブアルバムとかを聴くとアイドル的な大歓声も聞こえ、現地で人気の程が伺えますが、数年前、奇跡的に初来日が決定しましたが、あまりチケットが売れなかったらしく「少ない客の前では演らない」とあえなくキャンセル。もう会うことはできません。

4.Go On /Basia Brulat (2010)

カナダ出身の女性SSWですが、明らかにアイルランド、スコットランドなどケルト系のサウンドに拳の効いた唄が載ります。
これは彼女のセカンドアルバムから。僕が初めて彼女の作品を聴いたのは、ファ―ストアルバムですが、きっかけはRough Trade からのリリースだからでした。もちろんイギリスのレーベルですが、アメリカなど海外の新しいアーティストを発掘する力もある信頼のレーベル。
このアルバムは、ちょうどイギリスのRough Trade West (ポートベローのアンティーク・マーケットの少し手前の昔からある方)に行ったとき出たところで、買って帰りました。
カウンターにレコードを持っていくと、お店の昔からいるスタッフが驚いたかをして、「えっ!彼女のしているの?」と話しかけてきて、僕が「すごく好きなんだけど、全然知られてないね」というと、彼は「これから絶対売れるよ」とCDまでおまけにつけてくれました。でもいまだに無名ですが、コンスタントに作品は出ています。

5 .Down By The River / The Decemberist (2010)
こちらもアメリカのバンド(12月主義者)ですが、Rough Trade からリリースされ、イギリス滞在中に買った音楽誌MOJOのレビューで最高点を獲得したのを見て、やっぱりRough Trade は信頼できると思って買ったアルバム「The King is Dead」から。このアルバム ほんとにいい曲ぞろいで演奏や歌も素晴らしく全盛期のR.E.M.を彷彿とさせます。(Peter Buck 参加)、イギリスから帰ってきたら、アメリカでもチャート一位になったというニュースを見ましたが、日本では相変わらず無名。


6.Whatever Happened To Christmas/Aimee Mann(2006)
Aimee Man のクリスマス・アルバムのジャケット・デザインも新装され、初アナログ化。スタンダートなクリスマスソング集ですが、彼女の低音のボーカルとシンプルな演奏で聴くと、彼女の作品のように聞こえます。こちらは、1968年Jimmy Webb 作で Frank Sinatraも歌った名曲。

Second Set
1.Carol Of The Birds / The Unthanks(2024)
僕が現在 英国フォーク界隈では、最高と思う 姉妹をボーカルに音楽一家Unthanks家を中心としたグループの昨年出た”ウインター・アルバム”「In Winter」から。Watersonsとか、伝承歌を歌い続ける一家がイギリスにはありますが、そんな正当性も感じます。とはいっても、クラシック的な要素もあり、Robert Wyatt やAntoniなどをカバーしたりと、”攻め”も感じるこれからも期待の逸材。

2.Let No Man Steal Your Thyme / The Pentangle(1968)
冬がテーマの選曲ということで、僕が氷るほど”厳しい”音楽だと思うのが、
The Pentangle 。Bart JanschとJohn Renbournという二人のフォークギターの名手の掛け合いも素晴らしいですが、ベース(Danny Thompson)とベース(Terry Cox)も含めたフォークだけではなく、ジャズ、クラシック、クラシックの要素も含んだインタープレイに、ボーカルのJacqui McSheeのボーカルが載るとまさに“極北”の音楽。

3.Five Colors / Sam Phililps(2001)
元々はクリスチャン・ミュージックを歌ってたという彼女は、その後も多くの作品をリリースしていますが、ノンサッチ・レーベル移籍第一弾アルバム「Fan Dance」から。当時の旦那が、T Bone Burnettだったこともあり、彼のプロデュ―スなので、Marc Ribot、Van Dyke Parks 、Gillian Welch 、Jim Keltnerなど豪華メンバーが参加。

4.Empty Trained of The Sky /Gillian Welch ,David Rawlings(2024)
ルーツ・フォークを現代に蘇らせるDuo の最新アルバム「Woodland Studio」から。落ち着いた曲調ながら、歌、演奏、アレンジが細かいところまで完璧な作品

5.Parker's Mood / Joe Henry (2007)
オルタナ・カントリー界隈 そして、ベテラン・アーティスト(Allen Toussaint 、Ramblin' Jack Elliott、Solomon Burkeら等多数) を現代的に蘇させるトップ・プロデューサーであるともに、1986年から活動するSSWが、物語性出して、高い評価を受けた「Civilians」から。Tom Waitsがちょっとシアトリカルになり過ぎたので、僕はこちらの方が好き。


6.Do You Really Want Hurt Me ? /Violent Femmes (1991)
最近、レコードが高騰しているを知り、改めて聴いてみようと思ったアメリカン・オルタナ・フォーク・パンクバンドの4枚目からのCulture Club 「君は完ぺきさ」の大好きな不良カバー。








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