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Play list “Winter Melancholia” Ikeda K. 2024.12.07

はじめてのDJは、高円寺のコネクシオンで。
今回参加する「Groovy Music Research」のテーマは ”Song Of Winter”。
そこで僕は、冬のメランコリー(Winter Melancholia)   というイメージでセレクト。暖かい部屋で、微睡みながら物思いにふける時に流したい音楽かなと思います。20分のセットを2回担当することになりました。
First Set
1.Maybe/Jill Read

まずオープニングは、誰も知らないけど、どこか懐かしさを感じる曲で。
フィラデルフィア出身のレコードプロデューサー作曲にによる、The Chantels,無名時代のSilk Degrees そしてJanis Joplinもカバーしている0年代のドゥ・ワップソングですが、この歌と演奏は、Dave Edmundsによる覆面バンドで、Stiff のコンピレーションに収録。彼が、ひとりスペクターの”Wall Of Sound"と言えるソロアルバムにも収録。

②Senden Baska /Kit Sebastian
80年代後半からの”ワールド・ミュージック”ブームの中で、紹介された多くの”第三世界”のアーティストに加えて、エセ・エスノというか、西欧人が、エスニックを装って登場してきました。古くは、The Monochrome Set もそうですが、その時代だと3 Mustapha 3などもあり、いかがわしい中東のメロディやパーカッションが、ポップなサウンドに乗る異国情緒を感じさせる僕の大好きなジャンルです。
Kit Sebastainは2019年にMr.Bongoから登場したデュオ。妖しくサイケデリックいかがわしさにハマります。

③ I've Been The One /The Golden Palominos
未だに人気があり、オリジナル・ラブのバンド名も彼らのファーストアルバム収録曲から命名されたという、The FeeliesのドラマーとしてデビューしたAnton Fier は、John Lurie率いるThe Lounge Lizardsに参加後に立ち上げたThe Golden Palominos。こちらはバンドというより、彼がテーマ、楽曲、バンドメンバーをセレクトしてプロデュ―スするプロジェクトでこの曲は2枚目のアルバム収録。僕がカントリーっぽい曲に目覚めたのもこの曲。Little Feet のファーストアルバム収録のLowell George作のカバーで Dennis Hopperのナレーションから始まり、ペダル・スティールが美しい。

④ If I Had You / The Korgis
ペダル・スティールのイメージを繋げたくて選んだのがこの曲。
このバンドの1979年のデビュー作からのセカンドシングル。
パンク/ニューウエーブ時代のイギリスでは、多くの若者をバンド結成に駆り立てたわけですが、ベテランのバンドにとっても大きなチャンスだったわけでで、
こちらの二人組もフォーキーでプログレ感もある、如何にもイギリス的なグループStackridgeの残党。牧歌的なルーラルスタイルを捨てて、スタイリッシュスーツ姿で、テクノポップの感触と60年代のドリーミ―な極上のポップソング。

⑤ You're My Trill / Buddy and Julie Miller
オルタナカントリーのブームの頃登場したBuddy Miller は、オルタナ化したEmilou HarrisのバックバンドSpy Boy のリーダーを務め、現在では、T-Bone Burnett, Joe Henry と並ぶアメリカーナの3大プロデュ―サーの一人。
この曲は、奥さんJulieとの最新デュオアルバムで、彼女のコケティシュな声が堪りません。

⑥ Soul Love / Jeff Parker and The New Bleed
Bowieの没後にイギリスのクラブ系再発レーベルBBEから発売されたトリビュートアルバムは、新進気鋭のアーティストが多く参加した、新解釈のボウイカバー集。Kit Sebastian,Khruangbin,Meshell Ndegeocelloなどもフィーチャされていますが、Jeff Parkerのギターが素晴らしい。Tortiseを頂点にしたシカゴ音響派から登場したもっともモダンなアーティストの一人。

Second set
①Tom The Model / Beth Gibbons ,Rustin Man

極寒のイメージがする元PortisheadのヴォーカリストBeth Gibbonsが元Talk Talk のメンバーと組んだアルバム。最近出た彼女の最新作も素晴らしいですが、こちらも重く沈み込むようなサウンドにBethの切実感漂う歌が重なる素晴らしいもの。この方、身を削りながら、歌っているようで、凄い説得力。

② The Sandman / Alan Rankin
亡くなってしまった元Associates Alan Rankin の作品。
Associates は、グラマラスなボーカルBilly Mackenzieに目が行きますが、
楽曲の作曲やニューウエーブ版”Wall Of Sound "の演奏はすべてAlan Rankin。二人が別れて、プロデューサーやサウンドクリエーターの立ち位置で活動していた時期のベルギーのレーベルLes Disqus Du Crespucleから発表された名曲。


③ Picture Of Adolf Again /Bill Fay
この曲に出会ったのは、若松孝二 監督の映画「 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のラストシーンで流れたJim O'rourkeによるカバー。若者が世界や社会に対して真剣に何かと戦い変えようとしていた時代の稚拙ながらも、一生懸命さと無力感、喪失感と変わるあの時代の素晴らしい”青春映画”でしたが、曲のタイトル”アドルフの肖像再び”。キリストかヒトラーか、キリストかフォルカー(南アフリカでアパルトヘイトを推進)、それともキリストかシーザーたちが来るのか。それは遅かれ早かれあなたが決めなければならないチョイスだと歌われます。作者はイギリスのカルトなシンガーソングライターBill Fay で近年若いアーティストに再評価され復活。




④ He Lays In The Rehins/ Clalexico ,Iron &Wine
Clalexicoというバンド名の由来は、カルフォルニアとメキシコの造語。そんな国境を接した地域から生まれる彼らの音楽は、アメリカの雄大さとメキシコの哀愁が混じる素晴らしいもの。このアルバムでは、良い曲を書くシンガーソングライターIron &Wineが参加し、曲の良さ引き立っています。
途中のマリアッチ的男性コーラスが僕らを彼の地に連れて行ってくれます。

⑤ Je suis venu te dire que je m'en vais /Serge Gainsbourg
1973年作「Vu de l'exterieur」のオープニングを飾る曲。このアルバムの邦題は今だと怒られそうな「ゲンスブール版女性飼育論」まだSerge Gainsbourg のレコードを見つけるのが難しかった20年以上前、パリで通りかかった個人経営の中古レコード屋さんで見つけ、聴かせてもらうと一発で気にいる”これ買う”と店主に言うと”まあ最後まで聴け”と、セルジュと店主のハモりを聴かされてやっと買えたアルバム。




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