化粧品NG表現100例〜解説付き〜
ガイドラインや過去の違反事例から(一般)化粧品広告において、そのままでは使用できないNG表現を100個抜粋してまとめました。
(※使用できないとは広告審査に通らないという意味です)
⭐️まずは100例
いかがでしょうか?
この100例に関して、「知ってるよ!」「知らなかった。」など色々あると思います。
「知ってるよ!」「この表現はダメでしょ。」と思う方は、なぜダメなのか説明してみましょう。
そして、なぜダメなのかを説明できる方は
・この表現がダメならどう言い換えたら良いか
・注釈等でカバーできないか
・この表現を使用する場合、どのようなロジックで表現・使用するか
など答えられるようになると表現の幅が広がると思います。
もう一度100例を見て各自のステージに合わせて考えてみましょう。
それぞれ自分で考えることができた方は解説を確認してください。
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⭐️おすすめの活用方法
解説の前に本noteのおすすめの活用方法を説明します。
本noteでは1と2までの解説になります。(3、4に関しては後述)
解説も簡単にまとめており、随時補足していきますが、より詳細を知りたい方は別のnoteでもまとめていますので、そちらを確認ください。
✅シワ表現
シワ表現に関しては一般化粧品では「シワの予防」表現のみが可能です。
今あるシワの解消・治療表現はすることができません。
また、表現できる内容とは、化粧品広告で使用できる56個の効能効果の中に「(56)乾燥による小じわを目立たなくする」という表現のみで、いくつか条件をクリアする必要があります。
1、効能評価試験にて効果を確認していること
2、加齢によるシワ等を含め、全てのシワに効果があるものと誤認される表現をしてはいけない
3、あくまでも【乾燥による小じわ】を【目立たなくする】という表現であること
4、「「小ジワを目立たなくする」「小じわの悩みに」など(3)の表現を逸脱する内容はNG
5、例外としてメーキャップ効果におけるシワを目立たなくみせる表現はOK
また、直接「シワ」と表現しなくとも「カラスの足跡」「ほうれい線」「笑いジワ」といったシワの言い換え表現もNGです。
※「9:カラスの足跡が気になる方へ」「13:若々しい目もとを約束」に関してはグレー表現(比喩表現)かと思いますが、こちらは化粧品等の適正広告ガイドラインなどにNG例と記載があったためNG例として挙げさせていただいております。
✅持続時間の保証
化粧品広告では効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となる表現は認められていません。
✅身体の変化・治療的な表現
薬機法第2条第3項の定義から化粧品とは「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えるもの(一部割愛)」です。そのため、病気の治療・予防的な表現、身体の機能・成分へ影響を与えるような表現はNGです。
※「16:雑菌からお肌を守る」は「顔に膜を張る」というメーキャップ効果(物理的な作用)で表現できるかもしれませんが、過去違反事例として指摘があった内容ですので、今回例示しております。また、絶対に無理というわけではないのですが、景品表示法の観点からも考える必要がります。
✅医師の推薦
例え事実であったとしても、一般消費者の化粧品等に係る認識識に与える影響が大きいことから、医薬関係者等による化粧品等の推薦はNGとされています。
✅肌状態の変化
定義から化粧品とは「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えるもの(一部割愛)」です。この定義から分かるように、肌の状態まで変化させることはできない(そのような表現はできない)と考えられています。
化粧品の56個の効能効果の中に「(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。」というものがありますが、あくまで「水分、油分を補う」というロジックからの表現であり、「皮脂の分泌(へ影響を与える)」といった表現はNGです。
「肌にある〇〇の生成サポート」「肌の機能(バリア機能等)を高める」といった機能面の向上などの表現もNGです。
✅リフト・小顔(外観的変化)表現
定義から、化粧品のみで「小顔になる」などの身体の構造機能に影響を与えられるかのような表現をすることはできません。顔痩せ効果等の表現は化粧品等の効能効果の範囲を逸脱すると考えられているためです。
ただし、化粧品等でも物理的効果(化粧によるメーキャップ効果等)により外観的変化を表現する場合は、事実でありメーキャップ効果等の物理的効果であることが明確に示されていれば表現できます。
また、「小顔」「ふっくらバスト」といった表現はメーキャップ効果以外でもマッサージ効果などと組み合わせることで表現できることもあります。(注:表現の基礎を理解した上で、景品表示法などにも配慮する必要があります)
✅安全性
安全性を保証する表現については、明示的・暗示的を問わず認められていません。
✅エイジングケア・抗酸化表現
エイジングケアとは、「加齢によって変化している現在の肌状態に応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢に応じた化粧品等によるお手入れ(ケア)」と定義されています。
すなわち、あくまでも年齢に応じた効果(化粧品の効能効果範囲内)しか表現できないというのが基本的な考えです。
「老化防止」「若返り」といった直接的(明示的)な表現、「若返りを実感」「10才若返る」「抗酸化」「肌のサビを取る」などの暗示的な表現はNGです。
✅肌再生表現
「治療」「改善」「修復」「再生」「活性化」などは基本、医薬品に対して使う言葉であるので化粧品等の広告で使用することはNGです。
✅デトックス表現
「デトックス(解毒)」「老廃物の排出」は基本、医薬品に対して使う言葉であり化粧品等の広告で使用することはNGです。
✅代謝・ターンオーバー表現
ターンオーバーとは肌の新陳代謝ともいわれ、肌の中で新しい細胞が生まれ、古い細胞が死んで剥がれ落ちていく機能のことです。
ターンオーバーは本来肌に備わっている生理的な活動であり、それに作用するということは「薬理的な作用」であると判断されてしまいます。
化粧品ではこの「薬理的な作用」があるという内容を表現することはできないため、「ターンオーバーを高める・促進する」などの表現はNGです。
✅化粧品の効能効果を逸脱した肌状態変化表現
定義から化粧品とは「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えるもの(一部割愛)」です。
肌や皮膚の状態変化・治療などの表現はNGです。
✅シミ表現
化粧品の効能効果の範囲に「(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」というものがありますが、日やけによるもの限定です。
この時、「しみ、そばかすを防ぐ」だけで表現することは不可で、必ず「日やけによる」という文言が必要です。(『しばり表現』ともいわれます)
また、薬用化粧品の中には「メラニンの生成を抑えて、しみ・そばかすを防ぐ」表現が認められているものもありますが、細かなルールがあるので確認しておきましょう。
✅肌の疲れ表現
「疲労回復」を意味する表現等は化粧品等の効能効果を逸脱した表現と判断されるため、表現することはNGです。
✅美白表現
「美白」「ホワイトニング」は薬機法等で定められている化粧品の効能効果の範囲外の表現です。そのため化粧品広告で表現することはNGです。
薬用化粧品の中には「メラニンの生成を抑えて、しみ・そばかすを防ぐ」表現が認められているものもありますが、細かなルールがあるので確認しておきましょう。
✅保湿表現
化粧品は皮膚の外部から水分を補ることで肌を保湿することができます。そして、肌のどこまで届くかも決めれており、「肌の角質層まで」というルールがあります。
「肌の奥深くまで」と表現してしまうと、「肌の角質層のさらに奥」まで届くようにも伝わってしまうためNGです。
「透明感」を表現するためには以下の内容である必要があります。
・洗顔によるもの
・物理的な汚れ落ち(ただちに不可としない。ロジックが必要)
・メーキャップによる印象
・薬用化粧品で「美白」の承認を受けている
「透明感のある肌へ」だけでは不十分で、注釈等で上記のロジックがクリアになるようにする必要があります。
また、くすみに関しても
・くすみとは何か(乾燥、古い角質汚れなど)
・それを化粧品の効能効果の範囲内で表現できるか
などクリアする必要があります。
「透明感のある肌」「くすみの無い肌」など、そのままでは表現することができない、どのような条件を満たせば表現できかを知っておきましょう。
✅医薬品と誤解される名称
「抗炎症効果」などの直接的な表現や「鎮静化成分」など成分名から効能を表現する場合でも、化粧品の効能効果範囲から逸脱することはできません。
今回例示した表現は全て医薬品的な効能効果であると判断されることが多く、化粧品の効能効果範囲から逸脱していると考えられます。
また、名称にも注意が必要です。
「生薬エキス」「薬草抽出物」「薬用植物のエキス」のように名称に「薬」の字が含まれるものや「漢方成分抽出物」のように医薬品という印象を与える表現はNGです。
✅特許・技術表現
例え事実であっても「特許」に関する表現は行えません。
ただし、特許に関する権利の侵害防止等特殊の目的で行う広告は化粧品等の広告と明確に分離すれば行えます。
また、特許を例示しなくとも「〇〇のために開発された技術を化粧品に」など具体的な内容を表現したとしても、「〇〇を治す」という意味合いが強いため、このような表現はNGです。
✅製品名
化粧品の製品名では、医薬品や医薬部外品と混合してしまう名称を用いることはできません。
例:〇〇薬、薬用〇〇、漢方〇〇、メディカル〇〇、〇〇剤、アトピー〇〇、ニキビ〇〇、アレルギー〇〇、パックで「〇〇ハップ」
✅髪
「髪質の変化」「髪を伸ばす」などの表現は化粧品の効能効果の逸脱と判断されます。
「補修」に関しては以下のような表現である必要があります。
・一般的な補修表現(例:髪を補修しててなめらかに)
・枝毛等の傷んだ髪の補修表現(例:枝毛・裂毛・パサつきなどの傷んだ髪を補修)
・髪の表面の補修表現(例:髪の表面の凸凹を補修し、自然で美しいつや髪を)
・髪の内部の補修表現(例:傷んだ髪の芯まで補修します)
・成分の特記表示の配合目的としての表現(例:毛髪補修コート成分配合)
そして、「補修」という表現を用いても化粧品の効能効果の範囲内での表現、もしくは物理的な作用である必要があります。
例えば「毛髪補修成分が傷んだ髪を再生」「傷んだ髪を補修して本質から髪質改善」などの表現はNGということです。
例示した「毛髪補修成分」「傷んだ髪を補修」では細かな意味まで汲み取れないという観点からNG例として挙げています。注釈や前後の内容で補足することで表現できることもありますので、ルール・考え方を知っておきましょう。
✅歯磨き
化粧品の効能効果の中に「(52)口中を浄化する」「(53)口臭を防ぐ」というものがありますが、汚れ等を落とすことで清潔にする、口臭を防ぐという意味です。
「口臭菌を撃退」などは医薬品的な表現と判断されることが多く、化粧品広告では使用できない表現です。
⭐️広告表現をクリアにする方法
100例のNG理由を解説しました。
「知ってた」という人もいれば「知らなかった」という人もいると思いますが、大丈夫です!知識・スキルはいつからでも身につけることができます!
では、ここで化粧品広告表現をクリアにする方法をお伝えします。
正直これしかないと思います。
ただ、自分で勉強するのは大変、専門家に依頼したい時は是非一度ご相談ください。
御社の将来的な事業売上が最大化するような戦略を一緒に考えます!言い換え表現だけではなく、薬事戦略の相談も承っています。
⭐️大事なのは知らないことを無くす+表現の考え方を知ること
もちろん自分で勉強することも素晴らしいことです!
ここで、冒頭でもお話ししたおすすめの活用方法に関して復習です。
化粧品等の広告では薬機法だけではなく、様々なルールが関わります。それらを網羅的に学ぶ必要があります。
薬機法等は無料で公開されているので、確認してみると良いでしょう。
ただし、どうしても法律・ガイドライン内の記載内容が難しいため理解するのが大変、具体的な表現方法が少なく根本解決にならない。と悩まれている人もいると思います。
これは数をこなして、経験を積むしかないです。
もしくは、まとまっている教材等で勉強する方法もあります。
私の今までの経験をまとめたnoteもありますので、気になる方はご確認ください。
⭐️薬機法等への想い
薬機法は全ての人が守るべき法律・ルールです。
そんなことは本教材を手に取っていただいた方は全員知っていると思います。なので、薬機法を守らないと逮捕されるぞ!など不安感を煽る気はありません。
私が一番気にしているのは、薬機法等のルールが曖昧でわかりにくい点です。正直、憤りや怒りを感じています。
薬機法が難しくてライターになるのを諦めた。薬機法が怖くて言いたいことが言えない。そんな声をたくさん聞いております。みなさまの想いの役に立てればと思い、知識・経験不足でやりたいことを我慢しないで済むよう、情報発信・教材制作を行っております。
薬機法へのニーズがより高まれば企業から私への依頼も増えて喜びます。Win-Winな世界を目指してこれからも活動してまいります。
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著書:『ゼロから学ぶ薬機法!〜超基本から言い換え表現まで〜』
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