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奇跡の妖怪たまたび⑤妖怪集結
~プロローグ~
妖怪先生を乗せた、くろしお13号は定刻通り15時34分、紀伊田辺駅に到着した。
その時、迎えの車でいっぱいだった駅前ロータリーで、
運よく空いたスペースに車をとめた私の目に、
見覚えのある、あの人の姿が映った。
初老の男性の2泊3日にしては多すぎる荷物を、両手に抱えてゆっくりと周りを見渡すあの人の姿が。。。。
こんばんは、たまひろです🐣
今回は、事件ものの小説風に始めてみました!
でも、安心してください。
この旅では事件はおこりませんでした。
神々が集まる場所、出雲で私の身に起きた衝撃事件のお話は、こちらから☟
車の窓を開けて、手を振り、叫ぶ。
「先生~!!こっち、こっち~!」
そして早速、車に乗りこんで来る先生に声をかける。
「先生、お疲れ様~。元気? 電車でいい時間過ごせましたか?」
先生「あぁ。」
一年ぶりの感動の再会を想像してましたが、
先生はいたって普通。
昨日も会ってたみたいな感じで、マイペース。
3人での妖怪たまたび開始5秒。
めげずに、近況をたずねる私に対して、
先生は紀伊田辺の思い出について、
乗り出し気味にベラベラ喋り出して止まらない(笑)
Saori「先生!話しかけられてるでー!」
先生「この辺なんだよな。パンが美味しいレストラン。
パンが有名なんだよ~!
で、俺は刺身を食べたわけ。
安くてうまかったな~。
俺はパンは食わない。
ほんと、ここは、いいんだよ~」
たまひろ「はぁ~? 何の話? 意味わからん。ま、えっか。」
全員(メインは私と先生)マイペースなので、
気にせずお互い喋りたいことをべらべら自由に喋り、
それでもいちよ話は聞いているので、
良い合いの手が出せる様、脳みそフル回転でボケたりつっこんだり忙しい。
一年前と変わらず、めちゃめちゃ散らかってるけど、
めちゃめちゃ心地がよい。
先生って、おじいちゃんって感じでもないし、近所のおっちゃんって感じでもない。
私達を娘のように見てくれてる感じでもないし、
この関係、何て表現すればいいのか困ってましたが、
いいのが思い浮かびました。
【大人になってから久しぶりに会う、幼馴染み。】
一瞬で子供の頃に戻って、
100%の自分で楽しむことができるし、
お互いを思い合ったり気遣ったりもできる。
やっぱり、いいね、この3人。
ホテルに到着後、
自動検温器でお互いの体温についてきゃっきゃしてコメントし合い、
フロントで住所を聞かれて「知らん。」と答える先生に、
優しく手を差し伸べるSaoriと、
「なんでやねん。」とつっこむ私。
先生の部屋のバルコニーから見える予想以上に美しい和歌山の海に3人で感動して、
気分は女子大生の卒業旅行。(笑)
ちょっと早いけど晩御飯に白浜へと向かいました。
海岸沿いに車を走らせていると、
海の中にそびえたつ岩や、
サンゴのような不思議な絶壁。
海外のような風景に、
おぉ~っ!と感動しながら運転してると、
一際おぉ~っ!と思う、
不思議な雰囲気のある木が一本立っていました。
その木の周りには人が集まっている。
足湯でした♨
海を見ながら足湯なんて素敵!
インスタ映え!
と女子大生なら迷わず、
車を止めるところですが、
何せ我らは妖怪3人組。
先生「俺は温泉いらん〜」
そして私の妖怪アンテナが湯浅のパン屋の時と同じく、
またもや反応しました。
足湯を通り過ぎて数秒後、
ふと右側を振り返ると
キラキラと輝いて一瞬見えたのは神社でした。
こうなったらもう何も私を止めるものはない。
「あ!! Saoriちゃん、今の見た? 気になる!ごめん、行っていい?」
Saori「なー!行こう!」
先生「いいよ。」←優しい。
奇跡の神社のお話はまた明日。
つ・づ・く