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自分を知ることは苦しい。
私ってどんな人間なんだろう。何を考えて、何を大切に生きてるのかな。
転職を繰り返す中で、学んだことはたくさんありました。
社会人として働く中、私が一番苦しくて今もしんどい思いをしているのは、自分自身のことを知ることです。
今でこそ、転職に対して前向きな世間の風潮になりましたが、医療業界は古い。まだまだ転職を繰り返す人や、短期間で渡り歩いてる人に対しての世間の目は厳しいです。
就職活動中、自分の経歴が邪魔になることはありませんし、自分はその時々で間違っていない選択をしていると自分が信じているので、転職理由などは必要であればどれも明確に説明できます。しかし、面接官側はあまりいい顔をしていないというのは本音でもあります。
自分のことを知ることは難しい。
働き出して社会に出た後。私は学生時代、自分について何も知らなかったんだと思い知らされました。
・人に怒られる、叱られることで人格否定されたような気分になってしまう弱い人間だということ。
・そのネガティブな気持ちをいつまでも引きずってしまい、切り替えが下手だということ。
・他人よりも仕事が早い、要領がいいと評価されるためにがんばっているということ。
・怠けていると見える同僚に対してなにより腹が立つということ。
・裏を返せば、自分はこんなに頑張っているのになんであいつは、という気持ちが常に誰かに対してあるということ。
・何事にも精一杯全力で取り組まなければならない、という、べき思考を持っているということ。
・自分が少しでも手を抜いてしまうと、それを誰かに見られて、そういう人間だとレッテルを貼られることが一番怖いということ。
こうして客観的に自分の考え、価値観を書き出してみると、私自身が一番私を縛り付けていたことがよくわかりました。
でも、恥ずかしながら、3つめの職場を退職するまで、自分のこんな傾向が自分を苦しめていたということに、気づくことができなかった。
最近退職した主な理由の一つに、
”組織のコマとして働かされるのはもういやだ”
と日記に書いている自分がいたんです。
それはつまり、仕事でもっと自己効力感を得たい、ということ。
自己効力感、承認欲求。
明確な違いは私にはよくわかりませんが、私は劣等感が昔から強く、承認欲求が強い。自分に自信がないから、他者に認めてもらうことに対してものすごく価値を見いだしている。
転職したばかりのことは、「この時期にこんなに要領よく仕事ができるなんて、浜町さんすごいね。もう何年もここで働いているみたい」といってもらえることに、正直ものすごく充足感を感じていました。
しかしそれは1年も2年も続かない。
私の職場での満足感は、その”できないこと、初めてのことをいかにスムーズに自分のものにするか”ということなのかもしれません。ゲーム感覚でそれをこなし、すべてやりきったと感じると飽きてしまう。それがルチーンで続くと、どうもおもしろくなくなってしまう。そして、今まで見えていなかった周囲の人の愚痴や上司の仕事ぶりへの不満に目がいくようになり、職場環境に嫌気がさしてくる。
2つめ、3つめの職場ではその流れで退職を決意していました。
だんだん、自分の中の強すぎる承認欲求を満たすことができなくなってきたことを、他へ目を向けて病院側のせいにしていた。
大切なのは、自分が、”転職することで、自分自身に新たな気づきを得た経験を持っている”ということ。
その経験値は、私のものであるということ。
でもその経験で知った、自分の考えや傾向、性格について、それと向き合うことは容易ではなかった。欠点と捉えるかは人それぞれだが、自分がそんな人間だとは思っていなかった分、思い知らざるを得ない状況はつらく苦しいものでした。
それと向き合いながら今後の方向性を決めなければならない転職活動はこれまた未知の世界。ただ、知らないよりは知った方が、同じ失敗を繰り返さないように努力はできる。