告白水平線【ショートショートnote】
これはマジ。LINEで告白するのだけはやめとけ。女性が考える理想の告白シチュエーションランキング。
みたいな内容がおすすめ覧に流れてきた。
うるせえ、そんなことはわかってる。
けど大好きなアリスと奇跡的にLINEを交換することができて、舞い上がってしまったんだ。
それで、ずっと前から好きです、って送ってしまった。
もう三日経つ。
ずっと未読スルー。
完全に終わった。
けど、どこかでまだ期待していて怖いのだ。
追加で変な内容のLINE送ってしまいそうで。
だから、気晴らしに海に来てみた。
昔は、よく父親の野球仲間たちとBBQしたよな。
肉のない海はこんなにも無臭なのか。
もうすぐ太陽さえも水平線を通って海に還る。
時間を戻したいが、そんなことはできない。
できることはこのスマホを捨ててしまうことくらいだ。
あの水平線のとこまで投げてやろう。
そう思って全力で投げたスマホは、目視できる範囲で、ドボンと音をたてただけだった。
俺の気持ちと同じ。
アリスに届きもしなかった。
俺の送ったLINEは電子世界の海で、
ただ、沈む。
水平線は遠い。
ここまで読んでいただきありがとうございます。