月めくり
月めくりという意味がピンとこなかったので、調べてみたら、ああ、月めくりカレンダーに使われている、あの月めくりかと納得できました。
月ごとにめくるようになっているもののことを月めくりというらしいです。
じゃあ次にピンとこなかったのは、めくる、という言葉の意味です。
そしてまた調べました。
めくるってのは、漢字を使えば捲ると書いて、意味は二つありました(たぶんもっと意味あります)。
布団をめくるって時に使うように、覆っているものを剥がすことを、めくると言うらしいです。
また、カレンダーをめくるって時に使うように、上に重なっているものを剥がすようにあげることも、めくると言うらしいです。
なるほど、なるほど。
こうやって月めくりという言葉がきっかけで二つの言葉の意味を学べました。
じゃあここからは、想像してみます。
月めくりカレンダーの意味は理解できました。
では、月をめくることが可能だったとして、めくった後はどういう状況でしょうか。
まず思いつくのは、兎です。
普段は、兎は月の光を全身に被ってすやすや寝ている。
その月をめくったら、寝ている兎が現れる。
めくり方が悪く兎を起こしてしまうようなことがあったなら、横に置いている木槌で威嚇してくるかもしれない。
その姿は怒りに満ちていたとしても、可愛いと感じてしまいそうです。
他に思いつくのは、プロジェクターです。
実は僕たちが見ている月はプロジェクターによって空に映し出されたものだということが、月をめくることで判明してしまう。
この世の真理を知ってしまったから、その日から寝ようとしても一睡もできず、そして眠れずの病に罹ったまま朽ちてしまう。
そんな恐ろしい結末もあるかもしれません。
また違う考えとして、シールがあります。
実は月はシールで、ただ夜空に月を貼り付けているだけ。
だから月をめくると、月を剥がしたことになってしまって、その後にあるのはただの夜空。
月は毎日形が違うから、毎日誰かが違う形のシールを貼っている。
誰が貼っているかってかぐや姫が貼っているのでしょう。
シールの在庫が気になりますが、毎日貼っても一年で使う枚数は365枚程です。
これくらいなら、月でも売っていそうですし、最終手段は地球に旅行して、地球のダイソーにでも来れば、安くて大量のシールを獲得できるでしょう。
こうやって月をめくれたとして、めくった先に何があるのかを考えてみるような夜の過ごし方は、お月見の楽しみ方の一つかもしれません。
そして僕は相変わらず短歌も俳句も浮かばずに参加できませんでしたが、皆が月に何を感じたのかを文字で堪能しながら過ごす夜ほどに輝夜な夜はないでしょう。
月が見えない夜だとしても
あなたがきっと私の代わりに
見てくれるし、詠んでくれる
月がない夜だとしても
黒い月ならいつでも
目の中に浮かんでくれている