明け方の若者たち
北村匠海さん主演の青春ラブストーリー映画、『明け方の若者たち』観てきました。
※以下ネタバレ含みます。
2022年になったばかりですが、俊逸な作品に出会えました。個人的には、同ジャンルの『花束みたいな恋をした(以下、花恋と略)』より3段階くらい満足度の高い作品でした。どちらかと言うと男性の方が共感できるポイントが多くて満足度高いんじゃないかな。
あらすじは花恋とよく似ています。
内定祝いの飲み会で出会った二人の男女。男を演じるのが主演の北村くん。北村くんはその女性に一目惚れします。そこから二人の恋愛、別れまでを映した物語です。予告編だと暗い印象ですが、モテキくらいの見やすさです。モテキと花恋の間くらいです。
絶賛したいポイントは山程あります。語りたいポイントも沢山あります。
が、ここではこの映画から学んだことに焦点当てて語りたいと思います。
この映画も教えてくれました。
物事ってYESとNOで分けられるほど単純じゃない、ってことを。
僕らはすぐにYESかNOで判別したがる。そんなんじゃ分類できないことが世の中には沢山あるって知っているはずなのに。
恋愛一つにしたってそうだし、仕事一つとってもそう。
時には間違っていることが正しくて、正しいことが間違いになることがあるよね。
それなのに僕らは簡単に誰かを非難してしまう。万引きしたんだから、不倫したんだから、薬やっちゃたんだから、自ら死んじゃたんだから、お前が悪い!と責め立てる。だけど、だけど、そこに至るまでの経緯を少しでも理解しようとする人ってどれくらいいる?
万引きした人はもしかしたら理不尽に解雇されて今日食べるものが無くなってしまったのかもしれない。
不倫した人は悪いことだとわかっているのに恋に落ちてしまって心と体の言動がチグハグになってしまったのかもしれない。
それでも悪いことは悪いと言ってしまえばそこまで。でもなんでそんなことをしてしまったのか。それをひとり一人が少しずつでも理解しようとすれば、もっと世界は優しくなると思う。
『明け方の若者たち』でも、世間的には悪とされていること、と心がそれでもどうしたって求めてしまうもの、との狭間に落ちている、何か、を見せつけらる。
その何かが、どうしようもなく、美しくって。
その何かって、愛、なんだけれども。
作中で登場人物たちは1日の始まりの象徴である、明け方に向かって言う。
「1日が終わってしまう」
と。
誰かにとっては1日の始まりである、明け方。
でも誰かにとっては1日の終わりでもある。
それくらい物事ってYESかNOでは判断できない。
物事は一面だけじゃないっていうことを、心に刺さる台詞や言動、美しすぎる景色を通じて伝えてくれる作品です。
映像の美しさも際立っていて。海が映し出されるシーンはあまりにも美しすぎて畏敬の念すら覚えてしまいます。
そして、そして北村推しな僕として注目してほしいシーンも伝えさせてください。
歯磨きのシーン、終電間際の攻防、ホテルまでの攻防、1回目と2回目のベッドシーンでの好きだよの違い、を見てください。口元、目線、手の動き一つひとつまで演じきっているので、見てください。
令和を代表する名俳優になる、北村匠海くんの演技、かつ目せよ!
ヒロインも親友役も皆良い味出してるからそこにも注目してみてね。
ああ、映画って楽しい、な。
終わり
ここまで読んでいただきありがとうございます。