最近の調子。
売上低迷の飲食店員が辛いと嘆けば、みんな辛いと罵るSNS。電車の放火殺人に感化される愚者とそれを非難する正義。親ガチャだなんだと産んでやった親に対してそんなこというやつはなんだと若者を愚痴る父親。
嫌い。辛いと口にした人間の口を塞ぐやつも、それをニュースに取り上げるやつも。
嫌い。絶望の挙句の最悪を、浅はかに実行できてしまうやつも。そんなやつは一人で死ねと悪であればと平気で罵るやつも。
嫌い。産んでやったと見返りを求め、親への感謝こそ正しいと矯正するやつも。そんなことを言われて不快だと思ってしまった、私も。
嫌いなまま。だけど、安寧。
鬱病と診断され、早1ヶ月。朝晩の薬の服用を繰り返している毎日は最も酷かったときほど落ち込むことも高揚することもない。あくまで最も酷かったときより。手足が浮くような不安感や焦燥感は毎日のように拭えない。現実的に留まることはできるが死への希望は変わらない。日々淡々と段々と迫る希死観念を誤魔化す作業に忙しい。それでも、自分の知らぬところで自分が有言実行と死を選ばなくなっただけマシ。
家族には告げれないまま、余計に自身の弱さを自覚したが、まだマシ。
職場の店長に告げれば、「世間知らずめ」と聞かすつもりないような声で呟かれたが、まだマシ。
親友に告げれば、自分の意思がない、いつ死んでも苦ではない自分がいたことに気づいたが、まだマシ。
誰かに病気を言えただけマシ。
根本の弱さを吐けなくてもマシ。
このまま安寧を保てと自制心を持て。
そうすれば、この最近の安寧は続くのだ。