ひとりごと、疲
時折、人と対話することに酷く疲れを感じることがある。私はお喋りな人間なはずなのだ。おまけに人を笑かす道化もひけらかす質にあるというのに、ふと糸が切れたかのように、疲れる。手足の先が鉛のように重たくなり、顔の筋肉は全て剥がれ落ちて能面となる。今こうして文字を打つのすら億劫なほどだ。こうした感覚に陥る度に、私は外での私を繕い生きているのだと実感する。親しいものには猫かぶりだと言われ、表面しか知らぬものには世渡り上手と言われる私だが、その全ては無自覚に行われる言わば呼吸や瞬きとそう変わりない。そのはずなのに、その何倍も精神をすり減らし疲弊するのは厄介だ。
世の中の人間皆こういうものなのだろう。ただ私はその当たり前に疲れやすいだけの、面倒い人間なのだろう。
分かってこそいるが、それにしてもやはりこの疲弊はどうしようもなく今すぐにでも地中深くに潜り込んでしまいたくなる。
綴ったところで疲れが取れるわけでもなかろうに。