里親オタオタ日記(8)
一人目の里子がやってきた
里親登録されて1ヶ月くらいして児相から突然電話で「2ヶ月間限定で委託したい児童がいます。お願いできますか?」とのこと。まず児相からの連絡は常に突然である。緊急の場合は突然連絡きて、その日からとか明日からとかって場合がほとんどです。心の準備なんてものはしてる暇も無いし、何か思ってもそれが当てはまる子ではないことがほとんどだから意味がない。てわけで何も構えることなく1人目の里子 A君13才 新中学1年生
まずこの子は家庭内で問題を起こし家族とは一緒に暮らせなくなり祖母が面倒見ていたが、その祖母も病を煩い児相の世話になる事になった。なぜ2ヶ月間限定かと言うと素行が悪く問題を起こしすぎるので県内の○○学園という超スパルタの寮制の学校に入学することが決まっているから。入学が決まってはいるが今いっぱいで2ヶ月後に空きができるから、それまでの2ヶ月間という話なのです。この学校はいわゆる不良とか問題児、引きこもりとかの児童をビシバシ矯正する所で逃げ出す子も多いところだ。しかし実際うちに来て会ってみるととてもとてーも普通の子なのである。児相が持ってきた調書に書いてあるような事をやらかしたとは思えない普通の13才男子なのです。
調書を読みながら児相の職員さんの説明を聞くのだが驚くのが、やたらと兄弟姉妹が多い。いわゆるステップファミリーで連れ子同士が兄弟姉妹になったり、母親自身が姉妹で子連れで出戻ってきて実家で大人数で暮らしてたりなど、よくよく聞くと家族は大人数だけどちゃんと自分と血の繋がってる家族は母親だけ…これはこの子に限ったことでなく児相の世話になってる子の特徴の一つである。この子ももれなく発達障がいの診断も付いてるので夜ちゃんと眠れるように精神が落ち着く薬を持参している。プロフィールを聞いてるだけでも、こちらが想定している以上の児童で説明が頭に入っていかない。なかなかHeavyな内容だけどたった2ヶ月ならなんとかなるだろう…。と委託が始まった。
里子たちは預けられると始めのうちはとても良い子を演じている。それが上手なのと、こちらが慣れてないので演じてることになかなか気がつかなかった。
そして、1週間経った頃最初の事件が起きた。
「早速やらしたそうで~」と児相から電話。
私「は?何のこと?何も聞いてないですけど…」
児相「近所の学校で遊んでた時に、そこで遊んでた小学生に何か気に入らないことを言われたらしく「殺すぞ、ゴラ!」と言ったと、で、その言われた子が親に伝え親から学校に、そして今度通う予定の中学校から児相に連絡が来たんです」とのこと。
私「えー!初めて聞きました、知らんかったよー」
中学校には入学前の面談もしていない入学前から問題児決定。先が思いやられ過ぎる。
というか、「殺すぞ!」なんて言葉がサラッと出てくるなんて日常的にそんな言葉が行き交ってる家庭なんだろうと推察する。どんな家庭だ。
私どもの教会がある場所はとても平和でのほほんとした土地柄だし、市内に里親をやっているのは我が家を含めて3件しかない。なので里親というものの認知度もとても低い。そんな所で急に穏やかじゃないことが起きたら中学校の先生たちもすでに頭を抱えたことだろう。
そして、更に更に事件は起きるのだがそれは次回に。