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里親オタオタ日記(13)

3人目の里子 最強女子Sちゃん---その2


Sちゃんがうちに来て、さあ何しよう。学校が始まらないからずーっとうちにいる。ずーっと居るってことは買い物とか何かと私が動きづらい。
仕方ないので彼女の荷物の中に入っていた漢字やら数学のドリルを何となく午前中やって午後はもう好きにしてもらう以外に方法はない。やむを得ずAmazonで好きなの観ていいよと許可した。今時女子は何観るのかなと思ったら「ハーレイクイン」とかそれ的なものばかり観てる。
歯が痛いとおもむろに彼女が言うので歯科の予約をとって連れていった。先生が言うには「治療中で大きく穴が開いてるのが3本と今日削ったのが1本。これなかなか時間かかりますよ。」とのこと。最後まで治療できるかわからないけどお願いした。
彼女に「虫歯だってちゃんと治さないと移るんだよ」と言ったら「じゃあ、私たくさん移したゃった~笑」だと。若干13歳で一通り経験済みだそうだ。世も末…。
ある時彼女が「早く働けるようになって独立したい」と言ったので、ちょっと真剣な話をしてみた。
「貴方は中学校卒業したらすぐ働いてさっさと家を出て自活してウキウキ楽しく暮らしたいと思ってるんだろうけど中卒で雇ってくれる所なんてほとんど無いよ。貴方がやりたいことをやろうと思ったら最低でも高校は卒業しないとね。てことはもうすぐ中学2年生だからあと5年はがんばらないといけないよ。高卒だって最低の条件だからね。多少なりともマトモな所で働きたいと思ったらちゃんと勉強しないとだよ。嫌なことから逃げ回ってる時間が無駄だよ。」と話してみた。本気で中卒で働くつもりだったらしくちょっと驚いてた。
うちに来て8日目、9日目あたり夜中に突然家の呼び鈴がピンポーンと鳴った私も夫も完全に熟睡中だったので夢の中で鳴ったんだとそのままにした瞬間家の電話が鳴った寝ぼけながら慌てて起きて電話に出ると「○○警察です。お宅で預かってるSちゃんを保護しました。警察署まで迎えに行ってください」時計を見ると夜中の2時、夫が玄関まで行くと真っ暗な中に警察官が2人立っていた。
警察官が「電話ありましたか?」
私「今ありました。居ないの?あの娘?え?どういうこと?」
夫が部屋を見に行って「確かにいない」
警察官「里親とはどういうことですか?」
雨が降るまだ寒い時期の夜中に玄関に夫婦並んで寝間着のまま事情聴取が始まった。そして警察官が言うには、「○○のコンビニで夜更けにどうみたって10代の若い女の子が1人でポツっといる」と代行運転のドライバーさんが通報してくださり警察が出動することになった。ちなみにその補導された○○のコンビニまでうちから25kmもある。どうやら25kmトボトボ歩いて行ったらしい。そして、迎えに行かなければならない警察署は隣の市だ。警察官が言うには「寝てたんだけど気がついたら歩いててどこだかわからなくなって途方に暮れていた」と本人は話していたが、そんなことある?頭が混乱し過ぎて妙に冷静なのと文句言わずにはいられない感情でごちゃ混ぜになりながら、どしゃ降りの中車を走らせた。
車の中で夫と「なんでかな~」「そんなに居心地悪いのかな~」「スーパー偏食でも美味しいと思えるご飯にしたり、身の回りだって困らないようにしてたのに…」「なんでかな~」とぐるぐる話した。警察署に着いたのは夜中の3時になっていた。
警察署に入ると1階のロビーに婦警さんにコーヒー牛乳ご馳走してもらってちまっと座ってた。
私の頭の中でブチっと音がしたと同時に「どういうことなのよ!あんたが居やすいようにしてるじゃないよ!」と怒鳴ってしまった。
とにかく車に乗せて帰宅。睡眠時間を大きく削られても朝にはお勤めしなくてはならん。寝ぼけながらなんとかやった。

お姫様は私と顔合わせづいからか、ほぼ1日ベッドの中にいた。
朝になって児相の担当に連絡して、その日のうちに来た。

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