お笑いがなぜ人を魅了するのか?芸人にみたプロフェッショナル
お笑いがスキだ。
定期的にお笑いを生でみたい欲がムクムクと沸きだす。
お笑いに触れたい熱が高まると心の声が漏れだし、家族への訴へに変わる。
「花月に行きたい~」
「大笑いしたい」
と、連日うるさくなりはじめる。
花月にとりつかれた人ならわかると思うけどお笑いはTVと生とではその面白さが何倍も変わる。
笑いを欲し、うるさいわたしをいなすべく主人がお笑いのチケットをくれた。
コントライブ「CHALLENGE」!!!
これ↓
おともは小4の次女。
今回は残念ながら花月ではなく会場はその横のYES THEATER。
それでも、ああ…壁を隔てたここにあの芸人、この芸人が今まさにいるのかと思うと興奮だ。
お笑いの聖地に近づくだけで、お笑いに1ミリでもお近づきになれたようで体内に流れる大阪人の血がフツフツと沸く。
舞台は主にノンスタイルの石田さんを筆頭にパフォーマーの方々との演劇。
セリフはなく音楽と体の動きと顔の表情だけで物語りが進んでいく。
時間にして1時間程度だったが、体感は15分だった。
終演後、娘からもれる
「えっ!!!もう1時間たったの? もっと見たい~」
ねっ。母も見たいぞ。まだまだ見たい。笑っていたい。
お笑いってすごいな~と思う。
人間の動作?感情?どっちかわからんけど「笑い」が一つの職業なんだから。
職業として確立するぐらいだから、「笑い」は人間に与えられた生きる上ので処世術ではなかろうか。
我が家がお笑いに目覚めたのと、主人の失業が同時期なのはやり本能的に笑いを欲していたのだろう。
人間は笑うことで治癒力を高めているとしか思えん…。少なくても今の我が家はきっとそうだ。
我々家族がなんとか一家離散を免れたのは、「お笑い」の力もあったからだ。
念願のお笑いの時間をあてがわれ堪能すべく舞台を見て笑う。
わたしは大勢の観客の笑い声の中にいながら、実は少し泣きそうにもなっていた。
笑ったり、泣いたり、毎日中々安定しない情緒とともに生きている42歳。感情が忙しい。
涙のわけは、
ノンスタイルの石田さんにあった。
彼は劇中でキレッキレのダンス、けん玉、ジャグリングなど大道芸人さながらの技を次々と披露。
これは一目見ただけでわかる、アホほど練習しな絶対できひんやつや。
その努力が見えるもんだからじ~んとしちゃうの。
芸人さんからしたら笑いだけ受けとっといて欲しいところだと思うけど。
これはわたしの独断と偏見なんだけど…。
石田さんは本来起用なタイプでないのではないか?と考える。
何かで石田さんがM-1と取ったあとうつ病になった知った。
王者に君臨しお笑い界のスターダムを駆け上がっていくまさに絶好中のそのときに発症。
マンションから飛び降りたくなるのでベランダに転落防止ネットを張ったそうだ。ホームで電車を待っていたら、衝動的に電車に飛びこんでしまいそうになるからと椅子と自分とをつなぐフックをして電車を待ち、忙しさに比例してしだいに増える内服薬。
光の当たる裏側の陰の深さに…さぞ、お辛かっただろうに。
そんな経験を知ったからこそ石田さんの芸にこうなんか胸がいっぱいになる。
ダンスってもともとのポテンシャルが出やすいものだと思う。
ダンスの上手い人を見ると古からDNAに刻まれてきたノリみたいなものを感じる。
リズム感や体の動かし方はあれは才能だ。出来ないものからした絶望的に踏めないステップ。悲しいぐらいリズムに乗れない体。裏拍ってなんやの。
DNAのせいとしか思えない。
石田さんのダンスはうまい人の部類に入るダンスだった。
でもきっと失礼ながら才能じゃなくて、努力で仕上げてきた動きがムンムンに漂っていた。
ダンサーさながらのダンスにいたく感動して、思わず左となりのはじめましてのおばちゃんと、
「こんなに動ける人やったん!」
「石田すごいな~」
「ね~」とか、「わ~」とか言いながら
手を握り合いそうなほど何度も顔を見合わせる。
そのあとも
おばちゃんは終始、
「石田すごい」を連発。その度、うなずくわたし。そしてはたまた見つめ合う二人。
お笑いは初めましての人とも垣根も超えて仲良しになれる。
職場に私より半年ほど前に入った先輩がいる。
互いの業務内容がまるで違うため、普段あまり絡む機会が無い。
何かのきっかけで先輩が過去に熱狂的なお笑いの追っかけをしていた話になった。
えっ!
全くお笑い好きとか感じさせないのに。 驚きの展開。
しかも中々誰の追っかけをしていたかを話してくれない。
「言えない言えない」
「マジ過ぎで言えない」 を連発。
こんなに隠そうとするのはきっと今めちゃくちゃ売れてる芸人に違いない。
しかも過去にひょっとして何かあったのなんて邪推まで。
あまり切り込むのもなんか違うし。でも気になる。
ここでわたしもお笑い好きであることを暴露。今はなきbase吉本の話をすると
先輩の態度が急に緩むのを肌で感じ取る。
イケる。
自己開示したあとは誘導尋問であっという間に先輩の推しだった芸人が「かまいたち」であることが判明。
「まさかこんなに大スターになるとは思わんかったわー」
かまいたちがまだ鎌鼬だった頃の大阪時代のエピソードを教えてくれて私は悶絶。
先輩とはあっという間に仲良しに。
このように大阪人には実はの隠れお笑いファンが潜伏していたりする。出会えたときかなり嬉しい。
話は戻って、石田さん達はアンコールの拍手に3回も出たり引っ込んだりを繰り返してお客さんのおかわりに応えてくれた。その度、石田さんは汗だくになりながら努力の結晶ダンスを披露。
最後の1秒まで笑いを届けたいがダンスに憑依。そのむこうにお笑いへの愛が見えた。
最後まで余すことなくしかと笑いを受け取るわたし。隣のおばちゃんも。
地獄を見た人のプロフェッショナルをみた。
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