社会人として「当然のこと」ができないことがある(3/3)
1つや2つの失敗ではへこたれない人も、それが5つも6つも重なってしまうとポッキリ折れてしまいます。
「良くないことは重なるもの」
これは、重ならないときには頭に思い浮かびませんが、重なった時に改めて実感する教訓です。
多くの場合「手遅れ」だったりします。
良くないことが重なって折れた心を修復するのは簡単ではありません。
できることなら折れる前に手を打ちたい。
よく「カウンセラーは心が折れないのか?」と聞かれることがあります。
心理の専門家として、強靭なメンタルを有していると思われているのかもしれません。
しかし、そんなことはありません。
カウンセラーだって人間ですから。
良くないことが重なることは度々ありますし、心が苦しくなることもあります。
ただ、少し特徴的な点があるとすれば、「心のダメージに気づきやすい」点でしょうか。自分の心がどれくらい傷ついていて、「あ、これ以上は無理だな」というのがわかっていて、その対処法を知っている……。
心療内科……というと、通うことに躊躇してしまう人がいるかもしれませんが、私たちはあまり抵抗がありません。私も心が疲れたときに何度かお世話になったことがあります。
先生には仕事の話などを細かく聞いてもらい、最後にはおススメの本を紹介していただきました。帰りに書店に立ち寄りその本を見つけて購入し、読みました。
心のダメージは、痛みを感じにくく、目にも見えません。
そのため、無傷であるかのような錯覚を覚えてしまいます。
これが、重症化の一番の要因のように思います。
まずは、自分の心に向き合ってみること。
誰かに相談したいと思ったときには、心は既にダメージを負っています。
できるだけ早期に話を聞いてもらうのがよいでしょう。
適切な相手がいない場合には心療内科も選択肢に加えてみてください。
「話を聞いてもらっただけでは根本的な解決にはならない」
なんて思わずに。
少なくとも、今より楽にはなりますから。
そこで生まれた小さな心の余裕が、明日からの仕事で「当然のこと」ができる自分を支えてくれるはずです。