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「3か月もの」には要注意!


「年○%」の表示に注目!


 複利と単利の違い、将来価値と現在価値の考え方をみてきました。
ここで金利(r、rate)とは「年率」であることを忘れないでください。
 

 手許現金1,000を金利10%で1年間(365日)運用することで、利息収入100(=1,000×0.1)と元本の合計額(=元利合計)は1,100になります。
 この元利合計1,100を、さらに1年間、金利10%で複利運用すれば、利息に利息が付いて、元利合計は1,210(=1,100×0.1)になります。

 長期にわたり複利運用すれば、利息が利息を生むことで、雪だるま式に、お金が増えていきます。

 「複利の効果は恐るべし!」ですね。


 しかし、運用期間が1年に満たない場合は、1年間の運用で得られる予定の利息収入を日数で按分しなければなりません。

 利息収入 = 元本 × 金利 × 運用日数/365

 さらに、利息収入には税金が課税されるため手取額は約8割になります。


「3か月もの」には要注意!

 たとえば、銀行のウェブサイトで「金利特別キャンペーン(退職金特別運用プラン年7%)」という金融商品を見つけたとします。 

 まだまだ低金利のご時世に、7%はとても魅力的に見えます。

「え~! 7%の金利が付くの?
 1,000万円で70万円、3,000万円なら210万の利息収入??
 お父さん、すぐにでも預けちゃいましょ!」

って、あわてない、あわてない。
落ち着いて、ゆっくり深呼吸。
金利は「年率」だということを忘れないでください。


金利表示は「年率」です!



 上記商品に1,000万円を預けた場合の3か月間の利息はいくらでしょうか?

 1,000万円を年利7%の金融商品に3か月預け入れた場合の利息収入は、
1,000万円×7%=70万円(税引前)ではなく、
 1,000万円 × 7% × 90日/365日 = 172,602円と計算されます。

 さらに、利息収入には20.315%(住民税5%を含む)の税金が課税されるため、預金に振り込まれる利息収入の手取額は、
 172,602円-35,063円(税金)=137,539円 となります。

 大きな年7.00%の表示の下に小さく税引後年5.577%と書かれていますね。

 また、このような金融商品には「スーパー定期3か月」または「3か月もの年利7%」あるいは「3か月間の預け入れ後は自動継続により店頭表示金利に戻ります」などの注意書きがなされています。


利息は源泉分離課税


 金融商品への投資では、単利か複利、利率、預入期間、そして税金の課税を考慮に入れる必要があります。
 
 利息は、受け取り時に税率20.315%(※)で税金が天引きされることで、課税完了となる源泉分離課税です。
(※)国税(所得税15%と復興特別所得税0.315%)と住民税5%の合計


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