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【考察】シン・エヴァで伝えたかったことを考えてみた【ネタバレあり】
シン・エヴァンゲリオン劇場版(以下シン・エヴァ)で私達に伝えたかったこと、伝えたいことは何だったのだろうか。
細かいシーンごと考察については、様々なサイトで記事になっていましたが、伝えたいことはあまり書かれていませんでした。
あくまでも個人の意見ではありますが、しっくりきたので紹介したいと思います。
ネタバレありの内容になります。
まだ鑑賞されていない方はブラウザバックを推奨します。
ネタバレOKの方のみ閲覧していただければ幸いです。
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キャラごとの簡単な考察
今作は各キャラの救いが1つのテーマになっていたように思えます。
アニメ版、旧劇場版で虐げられていた登場人物が救われていたのではないでしょうか。
碇シンジの場合
最初の方の卑屈っぷりはイライラきたとこもありましたが、今作は自分で選び、自分の過ちに気が付いており、シンジくんの成長を見ることができました。
父親とわかり合い、母親と出会うことができ、シンジくんにとっては最高のエンディングだったと思います。
綾波レイの場合
今作の前半部分のほとんどを使い、綾波レイの救済が描かれていたよう感じました。
正確にはレイではないのですが、綾波シリーズが感情を得ることにかなりの時間を割いて表現していました。
私はたぶん3人目だと思うから
旧作では2人目は特別な存在だった。と捉えられるシーンがありましたが、全ての綾波シリーズは人との交流で感情を得ることができるのではないでしょうか。
人とふれあい、感情を得るということが綾波シリーズの救済だったように思えます。
あとは最後のほうに大人になった綾波が出てきました。正直なところ一応出てきただけのように思えましたが・・・
綾波レイ自身の救済は破で終わっていたのかもしれません。
式波・アスカ・ラングレーの場合
今までのエヴァ作品の中で最もアスカが救われた作品だと思います。
アニメ版では精神崩壊して、旧劇では量産型に食べられたりと最悪のシナリオばかりのアスカでしたが、今作は1番救われたのではないでしょうか。
また、想像通り今作のアスカはクローンでした。
ただ、オリジナルもいたようなのですが、どこで変わったのかはわかりませんでした。
第9の使徒の力を使っていたことから、破からシン・エヴァまでずっとクローンだった説が有力ですが、確定する要素はありませんでした。
ずっと囚われていて、最後の最後だけオリジナルが出てきたのかもしれません。
自己承認欲求の塊であるアスカという存在は、人を求めるけれども、人を認めずに拒んできました。
しかし今作では、シンジのことが好きだった。とシンジに伝え、シンジからもアスカのことが好きだった。ときちんと表現されていました。
シンジから認められたことはアスカにとって大きな救いになったと思います。
取ってつけたようなカップリングにも見えたのですが、シンジが不在の時に相田ケンスケの存在も大きかったのではないでしょうか。
昔のエヴァのカップリングだと、ケンスケ×アスカって結構あったことを思い出しました。
真希波・マリ・イラストリアスの場合
今作のメインヒロインだったと思います。
ここはかなり重要になってくるので、後述します。
葛城ミサトの場合
ほとんどが死ではなく補完され、そこから開放されたという考えをすれば数少ない死んでしまった登場人物です。
Qのミサトさんに憤慨したエヴァファンは多かったのではないでしょうか。
今作ではQでの態度もきちんと説明されており、ヴィレの艦長としてではなく、シンジくんの保護者としてのミサトさんが出てきた後半は感動しました。
彼女は責任感の塊だったというのがよくわかり、尊敬できる大人の1人であることがよく表現されていたと思います。
また、先程も書いたように数少ない死んでしまった登場人物なのですが、おそらくミサトさんの救い方は加持さんのもとに行ける死のみだったのかもしれません。
責任感の強いミサトさんが唯一心を許せる人、それが加持さんだったのです。
加持さんがヘリに乗った後、どうなったのか正確にはわかりませんが、おそらく補完ではなく、死んでしまっていると考えられます。
そう考えると、やはりミサトさんの救いは死だけだったのかもしれません。
個人的には生きて、加持さんの子供と会ってほしかったです。
碇ゲンドウの場合
今までになかった、ゲンドウの少年時代の過去話がありました。
シンジと同じ苦悩があったようです。
その苦悩からユイという存在で支えられていたのが、よく表現されていました。
旧劇場版ではわかりにくかったのが、今作ではきちんと表現されていてよかったです。
ユイに出会うことだけを考えて、世界を滅亡に導いてきたゲンドウですが、最後にユイに出会えたっぽいシーンがあったので救われたのではないでしょうか。
しかし同じ苦悩があったのであれば、もう少しシンジに優しくしてやれよと強く思いました。
シン・エヴァが私達に伝えたかったこと
ここからが本編です。
今作で伝えたかったことを一言で表すとエヴァの多様性ではないでしょうか。
例えば、同じロボットアニメで言うと、ガンダムやマクロスのようにシリーズとしてエヴァがこれからも紡がれていくように願ったように思えました。
戦闘シーン
初号機 vs 13号機をあえて若干地味して、特撮風の戦闘シーン作り出したように思えます。
戦闘シーンはQのほうが良かったので、これはあえてそうしたのだと思います。
メタフィクション
また劇場型の作品であるようなシーンも多々見られました。
1つの舞台にみんなが集まり作品を作っているようなメタフィクション(メタ)となるシーンをあえて作り出し、エヴァはみんなで作るものだと伝えたかったのではないでしょうか。
パラレルワールド
序破にあったカヲルくんの意味深なセリフは様々な世界線を渡り歩いていたという意味を表すセリフでした。
世界線の数だけ、エヴァという作品があるという意味を示しており、これから様々なパラレルワールドを描いてほしいという意味だったように捉えました。
アニメ版、旧劇場版、マンガ版どれもあくまでも1つの世界線なのだと、感じ取ることができました。
設定すらアニメ版と新劇場版で異なっていたので、本当に自由に作成して欲しいということなのではないでしょうか。
メインヒロイン
先程も書いたのですが、今作のメインヒロインは間違いなく真希波マリでした。
正直なところ、私はこれに納得できませんでした。
おそらく旧からファンの多くは納得することが出来なかったと思います。
レイかアスカどちらを選ぶのかと思っていた人が大半ではないでしょうか。
これもあえて真希波にしたと捉えることが出来ました。
みんなが納得する終わり方をせずに、これからのエヴァをいう作品の幅を広げたように思います。
納得するものが出てきてしまったら、今後エヴァという作品は生まれないからでしょう。
作ろうと思えば、みんなが納得する終わりは作れたと思います。
でもあえてそうしなかったように思えました。
私達ファンがそれを望んでいたのかと言われれば正直、微妙なところではあるのですが・・・
感想
拙い文章ではありましたが、ここまで考察を記載してみました。
考察とは言ったものの、主観が多く入っているので確証がないところばかりですが、個人的にはこの作品の捉え方として納得できるものでした。
賛成でも反対でも良いので、ご意見いただけると嬉しいです。
様々な視点からのご意見お待ちしております。
私にとってシン・エヴァは手放しで面白かった!といえる作品ではありませんでした。
良いシーンはたくさんあったのですが、やはりエンディングが納得できるものを作ってほしかったというのが本音です。
庵野監督が作るエヴァはもう見ることができないと思います。
そして、もしこれから新しいエヴァが作られたとしても、私自身がそれをエヴァとして受け止められるかは微妙なところです。
私のエヴァという青春はこれで幕を下ろしたのだと思います。