嘘を作る男

彼は嘘を書いていた
かつては誰かの心を動かすような
自分の心を映したような
綺麗な嘘を書いて
誰かに認められ
褒めてもらえるような
そんな嘘を書こうとしていた

彼の嘘は認められなかった
誰からも認められず
褒められず
求めれず
感動をも与えなかった
彼の嘘は誰の心を動かさなかった

彼は蔑んだ
彼を理解できない馬鹿は
きっとこの世界だ

彼は本当を書くことにした
嘘の中に本当を混ぜて
不愉快な不思議な
文章にのせて
世界を憎んだ
神を妬んだ
友を欺いた

そんな彼の文章は無敵だ。
そんな私の文章は無敵だ。

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