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④限界を迎えて

「上手だからって自慢しないで」
「むかつく」
「先生から贔屓されてる」
部活の仲間にそんなことを言われた中学時代。
苦しくて身体が悲鳴をあげた。

中学生になると、小学校時代の友達と共に、ソフトテニス部に入った。弱小だったし1個上の先輩が3人しかいなかったこともあって、3年生が夏に引退すると、すぐにレギュラーになった。テニス部は比較的穏やかな性格の子が多かったが、ひとりだけ我が強く負けず嫌いのTがいた。

Tは自分が1番じゃないと我慢できない子だった。しかし私たちの学年のエースには私が指名された。部長も私になった。そして私は徹底的にTに嫌われた。『まさに出る杭は打たれる』というやつだ。

いつの間にか無視されるようになった。テニスコートでは、色んな方向から、私目掛けてボールが飛んできた。ラケットを折られたこともある。その後、顧問の先生を含めてみんなで話し合ったのだが、冒頭のようなことを言われ、私は馬鹿馬鹿しく感じてしまい部活を休むようになった。

こうして1ヶ月くらい経ったある日、私は階段から突き落とされた。犯人はTだった。理由は「顧問の先生に1番テニスがうまい人は誰が聞いたら、たまひよだと言われてカッとなった」だった。

階段から落ちた怪我は思ったより大したことはなかったのだが、その回復過程で私は胃潰瘍になった。血を吐いて病院に運ばれ、一週間ほど入院した。いじめられたショックからではない。部活を辞めたからでもない。おそらく仲の良かった友達に裏切られたのが苦しかったからだ。
そしてその年のクリスマス、私はテニス部を辞めた。もうとっくに限界なんて越えていた。

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