ミナ・ペルホネン◆地味だけど心に残る作品
若い友人に誘われて、
◾️ミナ・ペルホネン/皆川 明
つづく展
に出かけました。
簡単に「出かけた」と言っても、神戸です。正直、旅行と皆に会うのが目的で仲間に入れてもらいました。
ミナ・ペルホネンは、ショップも覗いたことがあるし、作品の雰囲気も好きです。でも今回の展覧会で、その精神に触れ、本当に誘ってもらってよかったと思いました。
まずエントランスがこれ
この会場は壮観。
ひとつひとつ違うデザインの服に目移りがします。
「『好きなのあげる』と言われたらどれにする?」
なんて言い合って、皆真剣に迷っていました(笑)
私はこの黒(濃紺?)に赤い気球模様のワンピース。
本当に選ぶのにひと苦労です。
でも一番心に残ったのは、この地味な電信柱のモチーフ
"yuki - no - hi"
電信柱って、日本の景観を損なっているアイテムNo.1かも、というくらい無粋なものです。写真を撮ると、電線が映ることを忌々しく思ったり。
でも、このモチーフを見て、とても懐かしく感じたのです。
多分この電信柱は木で出来ているのだろうな(昔はそうでした)。灰色の空にちらつくくらいの雪で、これからどんどん寒くなる予感。
全く華やかさや明るさの要素はないのに、とても温かく感じました。
子どもの頃を思い出したのだと思います。
寒さの中を、身を硬らせて早足で歩く小さい自分。
子どもの私は、おばあさんの歳になった自分がそのように小さな自分を思い返していることなど、想像だにしていません。
そう思うと可笑しいような、小さい自分が愛おしいような。
他の展示のデニムも膝がすり切れると、蝶(フィンランド語/ペルホネン)が
見える仕組みらしいのですが、「すり切れてなくてまだ出てきません」
と書いてあったり。
今はすり切れるほど長く服は着ませんが、
“すり切れるのが楽しみ”
という発想がいいですね。
ミナ・ペルホネンは、作品制作に携わる刺繍や織物の職人さんを、
尊重して大切にしています。
夢のようなふわふわしている一方で、地に足のついた生活も
共存している空気を感じた何とも貴重な時間でした。
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