少女は
少女は泣くことがない
その変わりに腕を噛む癖がある
少女は笑うことがない
その変わりに小鳥と木の絵を描くのが好きだ
少女は部屋から出ない
部屋から出ることが許されていない
噛んだ爪は血がにじむほど短くなり
痩せこけた背中には骨が浮き出て
噛んだ腕は痣ができ、痣を噛むたび酸っぱい唾液がでた
少女は部屋から出してと言わない
それを言う事を許されていない
足枷こそ無いけれど
少女はここから出ない
泣くのを耐えたけど
助けを呼ぶ声を学んでいかなった
少女は自分が可哀想なのかも幸せなのかもしらない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?