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ムサビCLの2年いろいろあったな。やわらかい体験談

2019年4月武蔵野美術大学造形構想学部 創設 デザイン、ビジネス、テクノロジー。同大学院も同時開設、社会人にも門戸が開かれている。
実社会に生きる分野を超えた美大での学び、研究
なんと、おもしろそうな学科ができるらしい。

デザイン、アートの思考でイノベーション、新規サービスのアイディアや自社のイノベーションラボでの企画など会社に貢献できるかもしれない最初のモチベーションと大義名分はこれだった

しかし本当は憧れの美大生になれるかもしれない胸が沸き立つような思いがあった
新設の学科の大学院は社会人の職務経歴書で受験が可能つまり実技試験が必要なく大学院生になれるチャンスがあるのだ


受験のきっかけ


デザイン思考やらアート思考やら数年前からよく聞く
面白そうでデザイン、アートって何か興味を持って本を読んだりしていた。

何冊かそういった本を読むと実際にやってみたくなり、

まあ会社員だし、まず夜間や土日に行ける専門学校とか調べてみるか
桑沢の夜間とか、専門学校複数に資料請求してみよう。あ、通信の美大なんかもあるのか、これなら会社員でもできるかな。ムサビ通信も資料請求するか。とムサビのサイトを見る。

美大の学科紹介など、社会人の自分からしたら魅力的な文言ばかりだ。
この学生さんたちはすごいんだろうな。
遅くとも高校生の時には美大に行こうと決めて特殊な訓練を受けて名門の大学に入り、造形力、思考力を鍛え続けている人たちって別世界の生き物なのだろうなと。羨ましくサイトを眺める。

あれ、なんか来年の4月からムサビに新しい学科できるんだ。
へー、実技試験がなくて受験ができるって。造形構想学部クリエイティブイノベーション学科すごい仰々しい名前だなw
お、大学院もできる、社会人枠もあって、、え、これって職務経歴等の書類審査と面接で受験ができる!?

これを受験後期日程の出願期限1週間前に偶然見つけ、新設学科の大学院なら会社員の自分にもチャンスがあることを知りギリギリのタイミングで、応募書類を必死で作成し出願


自分の職務の経験

IT業界にいて、一部の会社員エンジニアは形骸化し、旧態依然の日本企業のスタイルに違和感、危機感を感じていた。自分で決めることが得意な人がいかに少ないことか。

着想や表現、創造性といった美術大学が積み上げてきた土壌。そこで学ぶことによって日常の会社員生活で感じているこの閉塞感を破れるヒントあるかもしれない。本当にいいもの、欲しいと思ってもらえるもの新しい視点で価値を再考し、何かを生み出せるかもしれない。また自分自身の生き方に対しても積極的に進むべき道を判断し、自分で選んでいくという内面でも何か変化が期待できるのではないかと思った。

ITや技術はとても大事、ただ使われ方や、応用の発想が加わることでより有用なツールとなるのだと思う。
今何が必要なんだっけとか 何が問題かを考える。現状から飛躍させるヒントとしての造形思考、美大での学びが組み合わされることで多様な可能性が生まれるのではないかと期待し、学びたい、と思った。

在学中の変化

様々なバックグラウンドの同級生たちと、得意技の異なる多様な教授陣。
毎度のゲストスピーカーからの話題提供と議論が白熱する感じがとても楽しかった。

そして会社を休職して、中国美術学院との共同プロジェクトに参加し、ひと夏、上海を拠点に現地の学生さんたちと活動し、中国少数民族の暮らす山村へも訪れた。
山奥で独自の文化の中で暮らしながらも、スマートフォンなどのテクノロジーも浸透している

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都市に流れる若者、暮らしと文化の関係についてなどいろんなことを考えるきっかけとなった。↓中国美のペア学生と一緒に作った影絵作品

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単純に大学院の授業が楽しかったこともあり、もっとのぞいてみたいという気持ちもあり、休職のつもりがそのまま退職。


晴れて無職になったこともあり、日中の時間鷹の台キャンパスで手を動かす造形の授業にも参加させてもらうことになった。
別の世界の生き物だと思っていたファインアートを専攻する美大生達と一緒になって、石を彫る経験。
集中授業ということで基本は週6、2コマ+たまに居残りという、時間的にも体力的にも想像以上に過酷な6週間だったが、本気で制作に向かう学生さんと厳しくとも真剣に向き合ってくれる先生方、
私のような迷える元会社員が同じ時間を共有させてもらたことがどんなに貴重だったか、制作を終えて痛く感じた。この詳細な体験記のような格闘の記録が私の修士研究の論文となっているのでもしご興味があれば読んでみて欲しい。

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そしてポンコツながらIT業界で働いていた経験から、プログラミングを必要とする学部授業のTAとしてもお声がけいただき、CI学科の眩しい学部生たちの授業にも参加させてもらえることにもなった。
ムサビ通信のスクーリングのお手伝いにも参加させてもらい、教える側と教わる側の中間の立場で先生方や学生達からそれぞれの視点で多くの学びを得させていただくこととなった。楽しかった。

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ゼミでは、今までの会社員生活をしていたらきっと出会えてない人たちと一緒に、造形表現とは何か、美術の役割とはなど、たくさんの議論をしたことで、自分の知らなかった世界や観点に触れ、世の中の奥行きを感じれた気がした。

そんなこんなで2年が経ち、今月卒業する。
修了展も始まり、コロナの中展示をいいものにしようとたくさんの有志達が奮闘してくれたことに非常に感謝。

全て丸めて、刺激的で学生生活、とても楽しかった。

きっと入学前とは、おそらく違う考えを持つことができたのだろう。
そしてもやもや複雑に考えてしまうこと、それはそれで悪いことではないと、自分の特性を肯定的にも思えることになった。

この学校で出会った全ての人たちと自分自身の予測不可能なこれからがとても楽しみである。



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