時効間近の夢
この記事は恒例の毎月第1月曜の「水上ビル月曜朝市」での話。駅近のレトロで長大な連棟の既存店とデイ出店の、フードとカルチャーのイベントなんです。
翌月の朝市で記事のお店の隣りの老舗ビアホールでビールを飲んでいたのです。そしたら知り合いの息子さんがカウンターの隣りにきて話かけてきました。ハタチ前後のモード系美男子で、魔法のようなコミュ力を持った子です。若い頃の僕とは真逆のキャラ。彼が太陽だとしたら僕はスプートニク2号に乗ったライカみたいなもんです。
音楽とか何聴くんですか?
彼は輝くような屈託のない笑顔で話しかけてきました。もう完全犯罪です。
おっさんは窮するとすぐに自分の守備範囲へ話を引きこもうとします。絶対にやってはいけないこと。
王道はビートルズマウント。
老いに慣れていない中年がやりがちなのが、昔聞いていたJ-POPマウント。ミスチルなんかもっての外、BUMPでももうお母さん世代。新しい感性によって流行っているシティポップなんかも、こちらから振ってはいけないと思うのです。
本旨として僕はサイゼリヤでもきちんとしたイタリアンでも何でも美味しく頂けるように、音楽は割と何でも聞きます。演歌や長渕みたいなのはちょっと苦手ですが。長渕さんすみません。作業用ではEDMだったりジョニ・ミッチェルだったり、ポッドキャストの「おまえこれ好きだろMIX」を流したりしています。
でも…なんならこんな話しても長くなるし、最初のカードとしては悪手だと思うのです。
なので最初のカードは。
うーんヨルシカとか聴くよ。文学的な歌詞というか物語を曲にしているみたいだしギターとかピアノも好き。
ひょっとしてゲームオーバーになるかとチキったのですが。でも彼の輝かしい屈託のない笑顔が二倍増しになりました。
マジっすか!!
僕の周りでもすごく好きな子たちがいて、みんなカラオケとかでガンガン歌うんですよ!
良かった。間違えたカードではなかったようです。
えーでもヨルシカの歌ってめっちゃ難しくない?
いや、それを完璧に歌うのがヨルシカの好きな子たちなんですよ!
そこで彼のガールフレンドも入ってきて、バイクの話やらなんやら。ほんとはバイクの話はあまりしたくないのですが、僕がバイク屋だというのは彼らは知っていたので。
彼氏はヤマハビーノ
彼女はカブ
なんか青春していていいじゃん。ビール奢るよ。
彼らは今度が成人式らしいです。冒頭のリンク記事の「3回目の成人式」は彼ら発祥かもしれませんね。彼らは先月も居たらしいので。
僕はこれからも赤いバイクのライダーみたいにフロントが切れ込むまで頑張る。大丈夫、肘を出せばワンチャンある。きっと。
しかしこの月曜朝市は油断ならんな。
陰キャは疲れるよ。
やれやれ。