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フォルテヴィータ初来訪、そしておそらく最後の(後)


前半の体験記はこちら!

今回は帰宅してからわかったことについてお話しします。


まず家に帰ってからのこと

ここではフォルテヴィータしんじつが解禁される以前、家に帰ってから自分でやったことや、考えたことを話します。

新聞なくしちゃった

前回の体験記で話した通り、ここにくると新聞を事前に配ってもらえるんですけど、家にかえってじっくり読もうとおもったらねえ、その新聞がなかったんですよ。カバンのなかに入ってると思ったのに、なくしちゃったらしい……うそでしょ……。
帰り道に、多分あれにいろんなことが書いてあるんだなって思ったから、読みたかったんですよ……何がかいてあったのかな……。
しかたがないので、手持ちのもので考えます。

強く生きよ

決起集会の舞台になった橋

UNA TANTUM VITA CERTA NON EST
SI MULTAS VITAS AMBULARE PARATUS SIS
APERIENTUR TIBI FORES ILLARUM

フォルテヴィータの橋に書かれていた文章

これは橋のところに書いてあったラテン語で、家に帰ってから読んでみたんですけど、non estの言い切りになってる文章って珍しいですね。
わたしのラテン語力が無にちかいので正しい翻訳ができているかわからないんですが、このnon est って is not の代わりによく使う並びで、大概うしろに別の言葉をとるんですけど、とってない。
UNA TANTUM VITA これは「ただ一度きりの人生」ですね。
UNA でまず1つの、TANTUM でこれを強調して「ただひとつの」
VITA これは命って意味なんですが、人生と訳していいんじゃなかろうか。
CERTA これ CERTUSの変化だとおもうんですけど、確定した、とか、決まった、とか、確かな、という意味です。
で、NON EST. not to beに近いのかなあ……。SI もし〜、とか、でなければ、とか。MULTAS 数多くの。英語のmultiと一緒です。ANBULAE 歩む、anbuloの変化ですね。PARATUS 用意、準備、
SIS sumの変化かな。で、あるならば。
VITASはVITAの複数ですね、さっきでてきたやつです。
APERIENTUR 裸にするとか、覆いを外すとか、明らかにするとかって意味の、aperioの受動態未来変化かな?TIBI あなたに。tuの変化。
FORES 門、とびら、forisの複数主格 ILLARUM それ、そこ、その場所に、そのとき、とか。illeかな、元のかたち。

ひい、ひい。
辞書はマサチューセッツ州タフツ大学のラテン語オンラインを使用しました。俺の知り合いにはもっとラテン語詳しい人がいっぱいいるので、ここで俺が首を傾げているより聞いた方がはやいとはおもうんですけども!
ですけども、まとめましょう。

人生は確かに一度きり、ではない。
もし、多くの人生を歩む心づもりであれば、
それらの扉があなたに開かれるだろう

…………かなあ〜〜〜〜〜〜。
語学力に自信がないので何も言えませんが、この文章の上にあるFORTEVITA(力強い生命)というこの街の名前をあわせて、メッセージ性は非常に一貫しています。ラテン語は語順があんまりないのですけど、文の前後によってやっぱりなにを強調して話したいか、っていうのはあって、UNA TANTUM VITAが先頭にくる文章なのも含め、「ただ一度きりの人生」をすごい強調していますね。
なんか……人生をやれといわれている。
俺は、ここで。この街で。

知らない人宛のてがみ

以下はわたしがアルマさんからいただいたお手紙です。
宛先が知らない人宛になっていますね。俺宛ではない……。

アレックスって誰?

フォルテヴィータ郵便局の便箋にかかれたお手紙ですね。
F字にらっぱがついてるね。
フォルテヴィータのシンボル的なものはけっこういろいろあり、どれと言い難いのですが、英語でPost Officeと書いてあるうえに、手紙の前後も英語であるので、この街が英語とイタリア語、少なくともこの二つが共用語であることがわかります。街並みは地中海沿岸風であったし、ヨーロッパとかいてあるので、私の第一印象の「冬の地中海なんか雨ばっかりで」というのはだいたいあってたのかなと。

それで、この「万が一の時のためのエプロン」の意味を私が読み違えたんだなあとおもっています。
前日に届いた公式からのお手紙がこうなっていたんですけど

コチラ、というリンクがあるが……?

この「こちら!」がリンク切れしていてですね、もう閉園間際ということがあって、詳細全く不明だったんですね。
まじで何にもしらないまま行ったし、知らないまま行ったのにこんなにアルマさんさがしてる人もあんまりいなかったのかもしれない。閉まってるお店も多かったしね……。

グランドフィナーレをぼんやり思い出す

こう……雰囲気なんですけど。
本当にすべてのイベントを見逃しているので本当に雰囲気だったのですけど、最後の「夜明け」のときの人々のセリフ、どことなく「そして永遠に去る」というか、死んじゃった人の感じあったんですね。
なにではないんですけど、こう、ボンヤリとなんですけど。
そこで何が起こったのかは俺にはなんにもわからないながら、みんな死んじゃった人で、この街は文字通りの「ゴーストタウン」になっていて、いまそれがようやく終わりますよー、という感じだったんですよ。

俺最後にあのー、街を出るときに出る案内をしてくれたのがその例のアルマさんについて、そして今思えばこの決起集会とかいろんなものについて、限られた時間で最大限教えてくれようとしたのであろう警備員のかたで、「いやー、アルマさん会えましたよ!」って最後にいって「よかった!」って言ってもらって、握手して帰ったんですけど、つまりあの人とか、そのとなりにいたお姉さんとかはこの街の生きてるほうの住人ってことなんかな……。

このあたりまで考えながら、ぼんやりしていました。
なぜなら、22日夜の時点で届いていた来場後アンケートのご案内のメールにはこのように書いてあったからです。

24日に閉まる遊園地にもう行けることはないとおもうけど……

そしてあかされるフォルテヴィータしんじつ

ネタバレ解禁の日

俺はもう何も知りようがないので、25日以降にいろんな人の感想をみてみたんですよ。

そしたらさあ
そしたらよ。

もうこちらのブログ読んでいただくのが一番早いと思うんでそのまま載せますね。

これで現代っぽい服をきていたり銃器をもっている人がいる理由もわかったぞ……。なんか、……現代がまぎれこんでいる!
というか、現代から紛れ込んでいる人とかがおり、ここの住人たちは外の時間を受け入れながら今日をやりつづけている!

それでねえ、
この慰霊碑、喫煙所のそばにあったらしいんですよ。
ねえ!?あのめちゃくちゃ暗くてこの先もうなんもないんだろうなってところ!?近くまで行ったが!?!?!?!

そして、ここには全スタッフさんの……一般スタッフさんも含めた全スタッフさんの名前がかいてあったらしいんですね。
警備員さんも!?!?!?

てことは、警備員さんは……みんなと一緒に行けたのに俺たちをちゃんと街から返すために最後にのこってて、俺らがいなくなってからむこうにいくということ……。真珠の首飾りのお姉さんはあのー、舞台から華麗に去っていらしたんですよ、なのでもうあちらにいらっしゃるとおもうんですけど、警備員さん、あのー、えー、

そうなの!?
またきてねってそういう話なの!?
盆には必ず帰りますとかそういう話!?

おれはなんか、これを読んだときどういうきもちになっていいかわかんなくなっちゃったよ。
あのー、警備員さんのお名前も知らないんですが、だれかわかるひとがいたら教えてください。海軍っぽい制服の方の人じゃなくて、もっとなんかお巡りさんみたいな格好のほうのひとです。

Non obierunt, abierunt.

これはよく単数形でお墓に刻まれるラテン語で、「彼(単数)は滅びたのではない、去ったのだ」というような意味です。ここでは複数形にしたけどもね。
よくMement Moriというラテン語の成句が好まれますが、ラテン語では死だけでなく、生もまた覚えておくべきこととしてよくいわれます。
冒頭のフォルテヴィータの街に刻まれたラテン語の文句はMement Vitae 生をわするるな、ということであり、聖書にあるように、Petite et accipietis, pulsate et aperietur vobis. 求めよ、さらば与えられん、叩けよ、さらば開かれん、というところでしょうか。

舞台は跳ね、もう二度と訪れることのない街の夜は開けました。
なんかこの記事書き終わって初めて、納得を持っていえる気がしますね。
VIVA FORTEVITA !

ありがとうございました。


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のえ
これはおひねり⊂( ・-・。⊂⌒っ