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【275/1096】天国に花が降るとき

誰かが亡くなった人を想うとき
その人のいる天国の空から
花が舞ってくるらしい
それが本当なら
きみは毎日毎秒
花盛りに違いない
わたしたちが寝てるときでさえ
誰かしらきみの事を想っている

花は降ってきた?
うわーって喜ぶ顔が浮かぶ
楽しそうな笑い顔を見たのは
いつだったろう
苦しい胸の内を隠し
平静をよそおって
家族の前に出てきていたのではないかと
今は思うんだ
あの頃のきみのあの表情

なんで母親なのにわからないんだって
何度も思ったことでしょう?
わたしもずっと思ってる
ほんと、ほんとそうだよね
でもさこれが現実
理想で物事は進まないんだ
だからこんなことに
なってしまったんだろうね
ごめんね

悔やんでも悔やんでも
悔やみきれない思いを抱えて
毎日思っている
だから
きっと花は降り続けるだろう
しつこい?
わたしはしつこいのだよ
でもきみのことにもっと
もっとしつこく入り込めば良かった
落ち着いてきたなんて
へんに前向きに捉えてしまっていた

ごめんね
花が降るからって
許されるわけじゃない
花を降らせるより
生きてるときに話を聞け
生きてるときに行動しろ
生きてるときに思いを伝えろ
生きてるときに抱きしめろ
生きてるときにそばにいろ
生きてるときでないと
できないことがある
それは事実で真実で現実

現実を突きつけられて
抱えきれず落ち込めず
無になっているわたしたちの
愚かしい想いで花が降るなんて
それはそれで
どうかしている
悲しいね
今さら、という言葉のすべて
今さらにならぬよう
注意深く生きるべきなのだね
残念な真実

今日もごめんなさい
残された者の日々