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【728/1096】誰かの痛み

自分の苦しみでさえ苦しいのに
誰か大切な人に痛みがあるとき
自分のことよりも苦しく
どうしようもない
なにができるのか
なにかよくなる術はないのか

ある人が病になり 
痛みを伴う生活になった
わたし達が苦しいとき
あの人もきっと
なにかできることはないか
自分のことよりも苦しみながら
こちらの幸せを願っていたのだと
今になって気づく 

ことばにすれば恩のある人
愛のある人に
自分たちはなにができるのか
なにを返したらいいのか
お願いだから
あの人を連れて行かないでと
きみに願う
きみのせいじゃないのにさ

「運命だと思って受け入れる」
とその人は言っていた
本当はすごく怖いだろうし
痛いはずなのだけど
連絡の文面はいつも明るく
心配しないでと言っている

せめてもの償いとして
あの人が心配しないように
わたし達は元気に生きなければ
苦しいけれど それらを表にせず
元気だよと伝えなければ
あの人の愛に甘えすぎた

生きてるって儚いね
大切な1日1日を
無駄にしちゃいけないんだ
どうしていつも気づくのが遅いんだ

楽しく生きなければ
辛くても楽しいことを考えて
行動して繰り返して
楽しい日々にしなければ
と 焦燥感にかられる

心配かけたり迷惑かけたり
人は人にお世話にならないと
生きていけないのだった
まわりにいる人に感謝して
自分の動ける体をつかって
どうにかしなければ

うだうだは終わり
(またすると思うけど)
終わりにしたい

残された者の日々