本体のない現実 【88/1096】
日々 いろいろと奮闘しているつもり
でも少しも前に進んでいない
いろんなことをやっているようで
なにもやってない
なにも達成できていない
どこにもたどり着けない
気楽にいこー
と言える人が眩しい
ちがう次元を生きている
どうあがいてもなにをしても
変わることのない底へ落ちた
今は底
上がるだけとは思えない
底からすべてを見ている
目の前は幻想
なにも変わらない
死んだ 壊死 もどらない
知ってる 知ってるよ
ただ言葉にして出しておいてるだけ
留めておけないから
誰にもわからないけど
出さねばならぬ何事も
自分の本体は底にいる
幽体が現実をこなす
本体はなにもしていない
ずっとなにも変わっていない
あの日から動いていない
そう思うよ
日常を普通にこなし
人にも会えるようになった
普通にふるまえる
普通に話せる
でも本体でない
そう気づくとほっとする
自分はあそこから動けずにいることに
安堵している
だって 変だものね
誰かを失ったのに
普通に暮らせてるって変だよ
現実と想像が噛み合わなくて
混乱していた 不安だった
冷たい人間なのかなとか
離人症なのかなとか
半身を置いてきたまま生きている
もうなくてもいいやって
諦めている
わたしの悲しみのほとんどは
諦めなんです
受け入れと思っていた
ただ切り離されているだけだ
戻ってきたと感じたこともあったけど
ほんとうの基はいないね
いないから暮らせているね
君とともに死んだのか
人って
死んだまま生きていけるんだね
だから
いろんなことがどうでもいいのか
すべて幻想って思える
感情が長続きしないから
あっさり諦められる
きみがいたときから始まっていたのかもね
ずっと諦めと生きてきたのだろうか
本体を離れたところから想う
動かなくていいよ
ゆっくり休んで
そのままでいて
そっとしておくから
気の済むまでそこにいて
こちらは安生うまくやっておくよ
幽体のふらふらで
なにも残らないから
うまくやれそうな気がする
うまく騙せそうな気がする
自分だってずっと騙されていたし
嘘じゃなくて
実体がないから嘘みたいだったんだね
解した 解したよ
他人にはわからないだろう
見た目はわたしのままだもの
幽体を見れる人にしかわからない
だからそういう人に
会いに行くのか
また会いに行くよ
知らせてもらう 教えてもらう
自分ときみのこと
実体のなさに慣れた果てに
何が待っているのか
消えるかな
消えたい気持ちがあるのは
そのせいかもね
もどれるのかな
かなりかかりそうだ
最低8年 と言われた
果てしないね
生きているかな そう思う
いつ消えても後悔はない
消えられない理由で悠々と過ごすしかない
今日もありがとう
本体を取り戻した人はいるのだろうか