【174/1096】③思い出は湯気のようだと友人がいった。もやもやと形を変えて宙に消えてゆく。掴みどころがないけれど目の前にあるもの。あったもの。揺らいで消えて生まれて消えて。心を温めてくれるものならば消えてゆくのも仕方がない。冷めたカップを手にきみのことを想うよ。いつもずっと。