
【764/1096】ごめんねって言わないで
数少ない開示している友人に
相談がてら 息子の話をした
途中から泣けてくるし
なんでこんな話しちゃったんだろうと
重たいものを持たせてしまうような
そんな気持ちになり
「ごめんね」と言ってしまう
その人は
「ごめんねって言わないで」と言った
泣けるなら泣いたらいいし
なんだって話したらいい
こちらは重たいなんて思わないし
意見をしちゃうかもしれないけど
話すことも感情的になってしまうことも
あたり前のこと だからもう
ごめんねって言わないで
そう言われた
そうか 感情的になることは
あたり前のことなんだ
感情を出さないことのほうが
わたしにはあたり前だった
泣いても何も変わらない
泣くなんて恥ずかしいし
泣ける立場ではない
そういう気持ちがあった
自分の気持ちが最初ではなく
誰かに対してどうか
それで判断していた
だから きみの気持ちだって
わからなかったんだろうね
ひどい親だ
自分のひどさの内訳と
きみの苦しみの内訳
それらの方向性が固まりつつあり
わたしの後悔や自責も具体的となる
そこはかとない悲しみが
自分のしてきたことと重なり
苦しく泣けてくる
泣いたところでどうにもならない
今さらないたって意味もない
なにもかわらない
「泣いたって何も変わらないよ」
昔 母に言われた言葉
刺のように ブーメランのように
反芻される
あの頃から あんな小さな頃から
自分は変わらず 成長してない
そのことへの落胆
なんてこった
悲しみに陶酔していない
できたら楽かもしれない
冷静に自分にムチを打ち
冷静に無知であった自分を知る
残酷な現実と愚かすぎる自分
なんてこった
よく生きてられるな
そう自分に放つ
よく生きてられる
逞しくて浅ましい
悲しいけれどそれが真実に近い
愚かしい自分を見て絶望する
でも これが現実
これはわたしの現実であり
ほかの人と同じとは思っていない
懸命に対処した人もいるだろう
残された者の日々