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VCJから学ぶマクロとミクロの間
皆さん、日頃のFPSライフお疲れ様で~す。たぁたぁっちと申します。
今回は過去の記事とは変わってVALORANTに関する資料的なものを書いてみます。
私の資料に関してはむか~し理解度の低いチームメンバーに基礎を教えるためにGoogleスライドで少し作ったぐらいなのでわかりにくいとかなんとかあったらコメントやXにフィードバックくれると嬉しいです。
それでは解説していきます。
解説スタート
今回見ていく試合はコチラ
VCJ 2025 Split 1 Main Stage day 6 第1試合 2マップ目
SG vs BCS のパールの試合です。
構成
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SGの最近よく見るエージェントたちの並び(メタ構成と言っても差し付かえないのではないでしょうか)に対してBCSはブリムストーンやヴァイスを採用した構成になっています。
SGの構成の強みとしてはまず一つにオウルドローン、ゼロ/ポイント、ディシペイトなどを使ったエリアコントロール。
二つ目にリコンボルト、フラグ/メント、ネビュラ、ファストレーンなどを使ったセットアップ。
三つ目にフラッシュ/ドライブ、ノヴァパルス、リレーボルト、ハイギアなどを使った交戦能力。
他にもネオン採用によるダイブやキルジョイ採用による広いエリア管理やウルトまで考慮すると割となんでもできちゃう汎用性の高い構成になっています。
俗にいうメタ構成というのはこのような汎用性が高く弱点の少ない構成を指します。
あながち間違いというわけでもないんですけど「一番強い構成=メタ構成」とかではないのでご注意を。
それに対してBCSの構成、これが結構面白くってヴァイスやブリムストーンなどのあまり見ないキャラを使っていながらやることはほとんど変わらないんじゃないかなと思います。
違いとしては広いエリアコントロールが若干苦手になった代わりに局所的なエリアコントロールが強いくらいです。
そんだけ。
とまぁ構成についてはここら辺にして早速見ていきましょう。
試合スタート
1st
buy
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「ピストルは武器3本ある方が勝つ」なんてことが昔言われたりしましたが最近はどの試合を見てもほとんど武器を購入してることが多いですね。
今回も例に漏れずJerry選手以外の全員が武器を購入し、Jerry選手もハーフアーマーを購入しています。
配置
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ソーヴァのガジェット壊し用ショックボルトからのスタート。
BCSはドライの4名でAメインを進んでいきます。
対してSGはネオンとアストラで早めに視認してMID3名が体を寄せるというう守り。
予定通り1:15辺りでアストラが視認しMIDが体を寄せました。
BCSは視認されてもすぐにサイトへイン。
リコンが入っているのでめちゃ人数映るとかじゃなければそのままセットのつもりだったのでしょう。
ここでアートからSGのリコンボルト、タレット音も多分聞こえているのでアートにキルジョイソーヴァ、バクサイにアストラで既にSG側が逆襲の準備が整っていることがBCS目線でもわかります。
エントリーの際にほとんどのアビリティを吐いてしまったのとMIDのラークが十分に進行できていないことからBCSはアートへ勝負を仕掛けます。
アートへのピークと後のBリンクでの動きを見るに恐らくアドリブです。
アートとコネクターで1ピックずつ、BリンクからアークローズでBサイトへアクションをかけてすぐに切り返してAサイトへ、その際追ってきたケイオーを倒して5on2の状況。
BCSによるSGの一瞬のスキをついた判断でラウンドを取得しました。
2nd
SGのBスタックに対してBCSのリコンのみを使ったAメイン取得でそのまま設置、勝利しました。
3rd
BCSによるクラウドバーストとスティムビーコンを使用した素早いBロング侵攻からのショックボルト、フレイム、ホットハンド、アップドラフトを使用したエントリー。
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BCSはここからさらにホールのエリアの取得を狙います。
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リコンボルトとアークローズを合わせてダブルピーク。
リコンボルトのタイミングがズレていたのでもしかしたらアークローズでダブルピークというセットかもですが、となるとエントリーにリコンボルトを撃っていて、ホットハンドと被るので恐らくタイミングがズレてしまっただけだと予想。
ホールには敵キルジョイがおり、ここで1ピックを取得し設置かと思いきやBリンクのネオンによる的確過ぎるリレーボルト。
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ホールのキルジョイがスタン中のエージェントを刈り取り、ケイオーによるカーテン抜きのカバーも合わせてBCSは崩壊。
惜しくもラウンドを落としてしまいました。
4th
配置
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SGはBアストラのA4名プッシュ、BCSはB側5名の配置です。
SGがAメインを取得し高めのアラームボットを置いて、さてMIDの確認へ行こうというタイミング。
BCSは初めにオウルドローンを使用してBメインを取得していました。
Bメインに人いないとわかるやいなや即MID4名が進行を開始。
SGはBリンクの取返しも諦め、A側のエリア以外すべてを手放すことになってしまいます。
BCSはそのままサイトへイン、その際ハンターズヒューリーにてアストラを落としています。
ナイス1ピック。
SGはリテイクのためCTに集合、キルジョイが単独でMIDラークを確認する役になります。
しかしそこでヴァイスがコネクターからゆっくり裏を取るようなラークを通していました。
Bサイトはフィニックスがサイトでアビリティを受けて他のメンバーはロング引き、ヴァイスのラークを待ってヴァイスが2ピック。
SGはセーブの判断でBCSがラウンドを取得しました。
5th
配置
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SGはラウンド開始と同時にソーヴァがAメインへリコンボルトを流して、キルジョイがジャンプピークを行っています。
恐らく狙いとしてはAはリコンボルト、Bはリンクから聞くサウンドとジャンプピークで情報を取り、敵がいないor少ないと判断したサイドを上げるという動きではないかなと思います。
対してBCSはAラッシュ。
ドタドタ鳴らしながらAメインをかけていきます。
SGはラッシュだとわかったので即座に体を寄せていきますが、そのアートでフィニックスが1ピック。
一瞬BCS有利かと思いきや最初のリコンボルトでラッシュが分かった瞬間、B側から投げていたゼロ/ポイントとバクサイから流したオウルドローンでサイト手前は取得できているのに動きにくくなってしまいました。
オウルドローンからのモク抜きでバクサイがヘイトを買っているタイミングでアートからケイオーがピーク。
ケイオーがマルチキルを起こしてSGのラウンド取得になります。
6th
SGの配置は前ラウンドとほぼ変わらず、狙いも変えてないと思います。
BCSはAメイン取得からのAスプ狙いでした。
BCSのAメインテイクに対してSG狙い通りBのネオンがプッシュして体をAに寄せ、とても良い形を作れています。
A側の守り方も過去のラウンドのSGの勝ちパターンである、エントリーをしてきたところに対してのカウンターアビリティで有利な撃ち合いを作り出す準備が整っています。
しかしそのあとなんやかんやあってBCSのソーヴァ(Jan選手)がクラッチしてBCSがラウンドを取得しました。
7th
SGは4thと少し形は違うが似たようなAプッシュからの高めのアラームボット。
BCSは詰め待ちスタート。
SG側が少しずつ体をBに寄せつつあまり大きな動きはなく1:10BCSがオウルドローン、クラウドスモーク、ブレイズ、ショックボルトでBロングを取得。
SGの体が寄っていたところにスチールガーデンを使用してBサイトイン。
ファストリテイクをしてくるSGに対してラン・イット・バックを使いながら設置よりも撃ち合いを優先してリテイクを返しそのままBCSがラウンド取得しました。
8th
今回の配置も形は違えどだいたいいつも通り。
BCSはA側に人数を配置してSGは広くエリアを見ながらアクションがないエリアを上げられるようにしています。
開幕BCSはソーヴァが一人でリコンボルトとオウルドローンを使用してAメインを取得。
他4名は絶対に映らないようにしています。
すぐにAサイトへ寄らせない(AフェイクBに見せるため)でしょうか?
ぶっちゃけあんまりわかんないです。
SGもネオンがBロングをプッシュしきってA側に既に4名集まっている状態。
オウルドローンにSGのソーヴァが映ってダーツを刺した瞬間、ハンターズヒューリーに合わせて他4名がfastでAメインをかけていき、サイトへ侵入していきます。
このとき、バクサイへオービタルストライクを撃つことでエントリーに対するアビリティ→撃ち合いという負けパターンをつぶしています。
しかし、SGのソーヴァがダーツを刺された影響で普段通りのバクサイではなく、アートへ逃げ込んだためアートの人数が3名。
バクサイのエリアは完全につぶせていますがアートからの返しのアビリティで結局2on1のBCS不利状況。
不利状況ながらBCSのソーヴァ(Jan選手)は残り時間が多いことをふんだんに使ってクラッチをして、BCSのラウンド取得になります。
リプレイ中の解説のRetloffによる名言も必見です。
素晴らしい「~~~」
9th
個人的お気に入りラウンドです。
配置
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BCSは前のラウンドに引き続きソーヴァが一人でAメインを取得してきます。
他のメンバーはBに体を寄せつつMIDを確認する形。
対してSGはBに高めのネビュラとゼロ/ポイントを放ち、Bに来ておらずA側にしかアクションがないので3名でカウンターを行います。
しかし既にBCSのソーヴァは引いており、MIDのメンバーもヴァイスを残してB側へグループアップできていました。
SGがAメインを取り返し、Bに体を寄せ始めたころBCSのB侵攻はスタートしています。
BCSは3rdとまったく同じ方法でBロングとBサイトの左側のエリアを取得。
今回は寄りが完全には間に合っていない&Aメインでリソースを吐いてしまっていたので返しのアビリティもなく、そのまま3ピックをとることにも成功し、そのままラウンドを取得しました。
比較的守り側が取り返しやすいエリアを取り、そこを取り返えさせている間に攻め側は別のところへ侵入するという作戦がもろに刺さったと思います。
10th
配置
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BCSのいつものAメイン取得から始まります。
ただ今回他のメンバーは詰め待ちや隠れているわけではなく、MIDを4名で上がっていきます。
対してSGはB側高めのネビュラと2名によるドライプッシュ,Aメインはオウルドローンで取り返しというどちらも中途半端なハイリスクハイリターンではありますが前のラウンドの反省を生かしたエリア取りを展開してきます。
SGのBプッシュが完了したタイミングでBCSはAリンクとアートのエリアを取得しました。
それによりAスプもしくはBリンク本隊の切り返しBを警戒した2名はそのまま裏を取ってショップ側へ進みます。
しかしそのタイミングでTベースからのソーヴァの足音とMIDから戻ってきたヴァイスが見えます。
裏を取っていた2名はショップで挟まれる形になり、落とされてしまいました。
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BCSはBプッシュを倒したことでSGがBを警戒することを読み、Aへ侵攻。
思わぬ事態に形が崩れてしまったSGは人数差と武器差によりMIDのブリムストーンを落とす以上の成果を上げられず、BCSがラウンドを取得しました。
11th
BCSのBラッシュ。
突然の素早い攻めにSGは対応がうまくできず、あまり綺麗ではない逆襲に対してBCSが局所的に2on1、3on2を作り出すことで対応。
そのままの流れでラウンドを取得しました。
12th
配置
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BCSはAリンクにリコンボルト、Bリンクにオウルドローンを入れてジェットフィニックスの2名でMIDのガジェット破壊を狙います。
一方そのころB側では2連続BラッシュではないことがわかったネオンがBロングをプッシュしています。
そしてMIDのガジェットが2つとも壊してAリンクにジェットを残してBCSの他のメンバーは下がります。
そのとき、時間は既に0:45でもうB侵攻はないと判断したネオンが下がってしまいました。
しかしBへ少しずつ体を寄せていたBCS。
Aリンクのジェットにアクションを起こさせてそれをベイトに本隊はBへ侵攻していきます。
BサイトにはSGの誰もいなかったため、スカイスモーク、カーブボール、ハンターズヒューリーのみで侵入して設置まで行いました。
その後リテイクの準備をしているSGに対してBCSはフィニックスがBリンクへプレッシャーをかけ、CTにはオービタルストライクを放って遅延をしていきます。
そのままクロスを組んでリテイクを止めようとしたBCSでしたがSGのネオン(Gwangboong選手)のオーバードライブによって殲滅。
SGがラウンドを取得し、前半は9-3での折り返しになりました。
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最後に
長々とお付き合いありがとうございました。
BCSのAメインを軸にした緩急をつけた攻めと対応の早いSG。
そしてメインであるミクロとマクロの間(メゾって呼んでる人がいたよ)。
人数差つけにいく動きやその人数差を生かした動き、咄嗟の判断など面白ラウンドが多い試合でした。
折り返しではBCSが9本取得しましたがSGも惜しいラウンドが多く最近は1ピックを取ってそのままラウンドを取得する試合が多い中、この有利不利がコロコロ変わる感じが23ChampionsのEGvsPRXみたいでとても楽しい試合でした。
実はこのあと、このパールはSGがマップ取得するのでぜひ後半も見てみてほしいです。
また、正直自分ではnoteとしても資料としてもあまり質の良いものがかけなかったかなと思っています。
いらんこと書きすぎた感があって…
でも、ここまで楽しく書き上げることができたのもいらんことのおかげかな?という部分もあって…
フィードバック等いただけたら今後はさらにブラッシュアップしてこの試合の後半や別の試合の解説資料も作っていきたいと思っています。
改めて、ここまでご覧いただきありがとうございました。
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より良いFPSライフをお過ごしください。