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「人生を総合的に良くする」ためのアウトライン

生活と人生、あるいは思考と行動を連動させる。あるいは乖離を解消する、と表現してもいいかもしれない。

「ワークライフバランス」という言葉は好きではない。それだとまるでワークとライフが対立する存在みたいだ。当然だけど、ワークはライフの一部のはずだ。

もちろん、ライフの一部であるはずのワークが肥大化してライフを傷つけている状況からそんな言葉が生まれるのだが、その言葉を使うほどワークとライフが乖離していくようにも思える。

生活と人生の乖離、行動と思考の乖離とはたとえばそういうこと。

いわゆる「タスク管理」だけをしても、乖離は解消しない。乖離したまま効率だけが上がっていく危険すらある。

念のためだけど、タスク管理はとても重要だ。最初に就職した頃にタスク管理の概念を誰かが教えてくれていたらよかったのにと思う。

でも、人生の総合性を意識せずにそれだけを追求すると、人生から切り離した生活、思考から切り離した行動、ライフから切り離したワークを加速させていくことになりかねない。

「人生は仕事だけじゃない」という言い方はあまりに陳腐に響く。あるいは綺麗事に聞こえる。あまりにも重要であるからこそそうなのだ。

個人的には「ライフを総合的に良いものにしたい」と表現したい。もっと現代的な(?)言い方をすれば、総合的なライフの中に位置づけられていないワークはサステナブルではない。

ライフ・アウトラインを使う意味は、ひと言で言うなら「人生を総合的に扱える」ということだ。

人生を総合的に良いものにするために、仕事や雑務を効率的に処理できることはすごく大事だ。そこにタスク管理とかプロジェクト管理が関わってくる(ぼくはタスク管理を軽視してなどいない)。

でも繰り返すようだけど、それだけでは結果的に他人に時間を配っていくだけになりかねない。降りかかってくる仕事と雑務を効率的にこなしていくほど、より多くの仕事と雑務が降りかかってくる、誰もが目にしたことがある状況。

アウトライナー上でトップダウン(構造から考える)とボトムアップ(ティテールから考える)を行き来することをシェイクとよぶ。

シェイクを通じて、上位の階層が下位の階層を規定するだけでなく、下位の階層が上位の階層に影響を与え、変えていくダイナミズムを扱うことができる。

それはアウトライナーの典型的な用途である「文章を書くこと」でわかりやすく経験されるけれど、それだけではない。

文章を書くように生活と人生をシェイクするためのアウトラインが、ライフ・アウトラインだ。

ライフ・アウトラインの中で、人生が生活を規定するだけでなく、生活が人生に影響を与え、変えていく。思考が行動を規定するだけでなく、行動が思考に影響を与え、変えていく。

連動させ、総合的に扱うとはシェイクすることなのだ。

2025年は、ライフ・アウトラインをより多くの人に使ってもらうためのひな形と、そのユーザーズマニュアルをなんとか形にしたいと思っています。

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