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石徹白Life1098日目【近所の屋根雪降ろしを一緒にすることの意味】

ここ2年ほどは暖冬少雪にて、新しく移住されてきた方々は、豪雪地帯を実感することは少なかったと思います。

今シーズンは既に累積で1mほどの積雪になり、まだこれからも降りそうな予報ですから、
晴れ間を生かしてある程度の雪降ろしをしておくことが屋根が折れないために大切です。

屋根が折れる?って思うかもしれませんが、
水分を多く含んだ雪はもの凄く重たいです。

家の中で障子や扉の開閉がしにくくなったり、
3年前は実際にご近所で軒先が折れた家もありました。

私は石徹白地区に来て僅か3年ですが、その前に約10年ほど、
同じく豪雪寒冷地の福島県南会津町で暮らしていました。
雪山にも登っていましたので、多少は雪の経験があります。

ということで、2020年12月20日(日)は
近所で移住してきたT家の屋根に一緒に登りました。

最初に納屋を選びました。
小さめの屋根で足慣らしです。

当然ながら斜めになっている屋根の傾斜ですし、
2階の屋根の上に登るということは、7mとかの高さにいるわけで。
そこに、足元が滑るとか、風が吹いてくるとか。

けっこうな緊張感になります。

まず梯子をどこにかけたら安全かつ効率的なのか。
建物の妻側にかけるのがいいと思います。

下部が埋まるほどの雪でぐらつかない場合を除いて、
転倒防止にロープで固定することも必要でしょう。

それから、道具を協力して持ちあげていきます。
基本はスコップとスノーダンプ(もしくはスノーカット)です。

最上部に到着したら
屋根の大きさを確かめるために、雪庇をスコップで切り落としていきます。

風の吹きつけ具合によって、
屋根の場所から伸びている雪庇は長さが全く違います。

全体像が見えたら、いよいよ本格的に雪を降ろします。
活躍するのはスノーダンプ(もしくはスノーカット)です。

今は新雪でフカフカな状態ですから、楽に切り取って軽いです。
これが厳冬期には、凍りついたり、春先には重たく湿っていたり。

一言で「雪」と言っても、様々な状態になります。

小屋は雪止めがないので、慎重に20㎝程度は雪をのこしながら、
最後に屋根の天辺部の尖ったところを掘ります。

奥会津では「グシ割り」と呼んでいましたが、
これで左右の屋根に載っている雪の端で引っ張り合う状態を解消。
お互いの縁が切れて放たれます。

自分が雪と一緒に落ちないように、
梯子の方向に後退しながら割っていくことも大切です。

雪降ろしはただ単に落とすのではなく、
どこをどのようにすれば、その後、どうなるか。
安全に効率よく作業する。

身体だけではなく、頭も使います。
想像力が求められると思います。

納屋が終わり、母屋の方へ移って作業を継続。
あっという間に2時間半が過ぎました。

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周辺の家々もみなさん、屋根に上って雪を降ろしていました。

落ちてケガをしたり、亡くなることもあるので、
お互いに見えていることで、安全度が高まります。

顔が見える関わりは、現代社会を生きる私達にとって、
どのような意味があるのでしょうか。

過疎高齢化の進んでいる石徹白地区では、
一人ひとりが自律すると同時に、
こうした「共に在る」という感覚が必須だと思います。

集落内では70代でも、80代でも屋根に登っておられる方もいまして、
今後もこの石徹白で除雪や屋根雪については、

過疎高齢化とあいまって課題の1つ。

集落除雪という仕組みを構築するか。

屋根に屋根を載せて勾配をあげる工事を施していくのか。

小学校の屋根のように安全帯をつけられるようにするのか。

雪国の恵みや豊かさと裏腹な現状もあります。

何か良いアイディアや事例がありましたら、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

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大西 琢也  TAKUYA ONISHI
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