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【和紙にまみれるワラビーランド(岐阜県美濃市)にて、3連かまど作り1日目】最高気温35℃を越える猛暑日の中、師匠と2人で職人施工です。左官歴50年を超えるにも関わらず、

「素人やでよろしくな」と早朝の開口一番から始まります。

ぽかーんとしている私に投げる次の言葉は、

「毎回、違う現場で新しいものを創るってことはそういうことや」と。

にこやかな叱咤激励に、背筋が伸びる思いでした。

現場に到着して、軽く打ち合わせをしたら、

まずは施主のご夫妻と共に4人で竈門神へのご挨拶です。

単なるモノ作りではなく、物語を育む場であり、

古から大地に根ざす暮らしの核に火と水がありました。

今回も様々な恵みとご縁をいただいての始まり。

新しい家族を迎えるような氣持ちで

ご一緒いただけたらとお伝えしました。

静けさの中、祈りのひと時を共に過ごせて感謝です。

その後は、師匠と私、それぞれ担当に分かれての丁々発止。

私は自分で描いた設計図をもとに「墨出し」をさせてもらいました。

既に土間には基礎コンクリートが入り、

壁には煙突の穴が開いています。

さらに水場も完成し、周りの机も設置済みです。

垂直と水平と直角を確認しながら、いろんな要素のバランスをとりながら、

最適解を探します。

結果として、直角になっていなかった基礎を数㎜ほど削り、

設計図を修正しつつ、同時進行していきます。


物凄く端折りますが、めちゃくちゃ大変で、メチャクチャ面白い、

そんな熱い学びと想像を超えた瞬間の連続でした。

記憶が飛んでいるような。

言葉って時に浅はかで、深度を的確に伝えることができない無念さを感じます。

ま、どこまでいってもそんな余白があることを良しとしましょう。

紆余曲折を経ながら、対話しつつ、一心不乱な一日が18時に終わりました。

師匠が帰り、最後は30分ほど1人で片付けの仕上げをしました。

この時間が味わい深く、今日という日の豊かさや、自分の未熟さをふりかえり、

道具の状態や点検にもなり、明日へ向けての準備体操となっています。

職人施工の中に、

施主さんたちご家族やYさんにもちょっとお手伝いいただける時間がとれたことは、

この場にとっても、かまどちゃんにとっても、私達、人間たちにとっても良かったです。

手足を動かして関わるって、魂の交感だから。


ワラビーランドの皆さんから休憩時の冷たい飲み物などいただき、暑かったので、とても嬉しかったです。ありがとうございました。

「ああ、今日は一番楽だったな。ありがとう!」

最後までにこやかな師匠にやられっぱなしの一日でした。

さて明日も楽しみです。

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大西 琢也  TAKUYA ONISHI
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