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都心の屋外でランニングをして大丈夫!?~そらまめの活用~

 その昔、日本では大都市の大気汚染が叫ばれていました。
 工場からの排煙や、車の排気ガス、そして夏場は光化学スモッグ注意報も頻繁に発令されていました。
 最近は工場から排煙を見ることは少なくなりました。ですが走っていて、横を排気ガスを出しながら走る車をみると、不安を感じる方も多いと思います。なので、皇居や街道沿いを走るのは大丈夫なの?肺に悪いよ?と思われる方も多いと思います。
 果たしてどうなんでしょうか。

1.日本でも大気汚染と肺疾患は、関係ある?

 とはいえ、大気汚染で肺を悪くするなんて、昔の中国だけでしょ!大気汚染で空が見えないとか、日本の空気清浄機が中国で売れてるとか。そんなネットニュースは確かに以前よく見ました。
 でも先進国でもあります。アメリカから、各都市間の肺気腫患者を比較することで、どんな大気汚染物質が悪いかを研究した文献です。

大気汚染

 各州で違いはあれど、アメリカでもこれほど大気汚染物質が存在するわけです。そしてそれぞれの大気汚染物質で肺気腫のリスクを比較しています。

大気汚染

 これがいけない!というより、SOx・NOxやPM2.5、ブラックカーボン、オゾンなどの複数の物質が組み合わさるとリスクが高まるようです。その中でも、なんとオゾン!!オゾンはコロナ対策に用いられています。人体に影響のない低濃度で・・・とされていますが、都市の大気中のオゾン濃度の違いもはっきりと肺気腫のリスクになるくらいなので、本当に大丈夫かな?と不安です。
 大気汚染による肺気腫は中国だけではありません。日本でも大気汚染による喘息の方はいます。日本でもSoraプロジェクトとして平成17年から21年に、幹線道路沿いに住む方の呼吸器疾患の有無を調べていますが「関連ある」とのことでした。ただ著しく有害であったわけではなく、微妙だったみたいですね。

2.今は大気汚染は改善してきている。

 とはいえ日本は、各都道府県で大気汚染対策を十分に行っています。工場から排出される環境汚染物質の規制ディーゼルエンジン規制、そして皆さんもエコドライブ、心掛けていますか?
 その結果東京でも大気汚染は減少、今は大気汚染よりCO2排出量を抑える取り組みにシフトしつつあるように思います。

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 現時点でSoraプロジェクトのような研究をしても、あまり有意な結果は得られないかもしれません。

3.喫煙者や、以前喫煙をしていた方、喘息などの肺疾患の方は注意

 日本は今、健常人が普通に生活する分には健康被害を気にしなくてよいと思います。確かに車の排気ガスは、確かにNOxやSOxなど含有していてます。ですが、健康な人が突然新たな疾患を生じるほどではないと思います。
 色々な研究がなされていますが、免疫が成熟していない幼少時や学童を対象としているようです。ただ喫煙されていた方、以前喫煙されていた方や、喘息をお持ちの方は注意が必要です。

4.ではどうすれば・・・

 ランニングをする前に、大気汚染度合を調べてみましょう。環境省が「そらをまめにチェックするそらまめくん」というのを運用しています。

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 光化学スモッグ注意報は光化学オキシダントだけですが、ここでは他の大気汚染物質も調べることができます。現在・過去しか調べられないのが難点ですが、ランニング前に調べて黄色や赤のランプが点灯しているときは無理しないように、ランニング後にのどの調子がおかしいな?という時には大気汚染が原因か調べる、などの際には利用できそうです。

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