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ランニングシューズの劣化と、感覚

3日前にYahoo!ニュースの記事を書きました。ランニングシューズの劣化・寿命についてです。

こんな内容をあげたのは、他のランナーのブログや書き込みを拝見していて、
・○○というシューズで1000km走ったけど、まだクッション感を感じるので大丈夫。
・アウターソールもミッドソールも傷んだけど、まだまだ十分使える。
そんな文章をときどき見かけるからです。

ですが思うんです。みなさんランニングシューズの寿命ってどうイメージしてるんだろう。
・穴があいてもう履くことが不能になる。
・靴底がはがれて歩けなくなる。
そんな一般のシューズの劣化と同じ感覚で考えていないだろうか。

自分は普段履きのシューズもランニングシューズですが、そもそもいくら履いてもシューズのクッション感はゼロにはなりません。クッション感などの感覚で寿命を決めるのは危険なのでは?

調べるとその通りでした。
シューズの重量感と同じく、シューズのクッション感はあてにならないんです。なので「走行距離や外観で寿命を判断する」とメーカーは書いてあるんだ!ということがわかりました。
そんな内容を書いた記事を見かけたことはなかったので、Yahoo!ニュースにまとめてみました。

Yahoo!ニュース:【シューズの寿命は感覚で決めないで!】ランニングシューズはどう劣化する?そしてそれに気づけるのか?

記事の中で、2つの文献をあげました。

New Balanceのシューズの劣化と自覚的感覚との乖離:Escamilla-Martínez E.Int J Environ Res Public Health.2020

一つ目の文献は2020年のスペインからのものですが、シューズのクッション性は中足部以外は耐用距離数までは緩徐に劣化するにとどまっています。消費者として本当に知りたいのは、そして書きたいのはこの先なんですが、メーカーや被検者のコンプラの問題からできないんでしょうか。

そしてシューズの劣化と感覚の相関係数が、びっくりするような値なのは驚きですね(-1.0に近ければあてになる -0.5~0はほとんどあてにならない)。

シューズのクッションの実測値と自覚的感覚の変化:Cornwall MW.Int J Sports Phys Ther.2017

2つ目の文献は、2017年のアメリカからのものです。「一般的なシューズの寿命」といわれる約500km走ったときのクッションの劣化を示していますが、グラフだとわかりにくいですね。具体的にはミッドソールのかかと部分のクッションが16%~ 33%減少するようです。特に大事なかかとの外側部(ヒールストライクのランナーは、この部位から着地します)は減少が顕著ですので、だいぶ劣化しているようです。
同様に自覚的感覚として、シューズのクッション感はだいぶ残っていると感じているようですので、やはり自覚的な感覚はあてにならないと思います。

ランナーは普段から”感覚”を大事にする方が多いので、寿命を”感覚”で判断しているランナーが多いように思います。ですがけがをせず長く走り続けるためにも、高強度の怪我しやすいトレーニングは、性能落ちしていないシューズで走って欲しいなぁと思うのでした。

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