旅はいつも、想いのままに。
どうもー。
お久しぶりです。春ですね。
京都ハンナリーズは第29節の佐賀戦を終え、13勝35敗。目下7連敗中。つらい、つらすぎる。
今シーズンの試合は残すところ12試合となりました。まだまだ試合は残っています。終戦には早すぎる。
内容も良くない。怪我などによる欠場者がいなくとも、シーズン終盤にきてライバルチームに力負けする場面が目立ちます。
一体ハンナリーズに何が起こっているのか?
整理も兼ねて記したいと思います。
あと佐賀アウェイ遠征記もありますYO!(メイン)。
まずオフェンスとディフェンスの課題を整理します。最初の1、2でオフェンスについて、後半の3、4ではディフェンスについて書いてます。5はまとめ、6がメインです(しつこい)。
では見ていきましょう。
1.嵌まらないP&R
P&R(ピック&ロール)とはボールを持っている選手と、壁になる選手のコンビネーションプレーです。現代バスケの最重要戦略でハンナリーズもまたこれを駆使して攻撃を展開します。岡田、CJのコンビネーションは強力ですね。
これが機能しているか?という検証が必要です。
結論としては、この威力が減退していると言わざるを得ません。
その理由はシーズンも進み、各チームの研究、分析が進んでいることが原因と言えるでしょう。コンビネーションプレーは2選手(またはそれ以外の選手も含めて)の呼吸があっているかどうかが鍵ですが、そのクセやパターンが分析されれば、止める手段も当然生まれます。ボールマンからのパスが封じられてしまい、まずシュートまで持っていけない。
一例であげるとパスがバウンズパスかアリウープパスか(下に投げるパスか上に投げるパスか)という選択で、下に投げる確率が高いとわかればディフェンスはそれを警戒しボールを奪うことも可能なわけです。
パスが通らずターンオーバーとなり逆襲を受ける…そういう場面が増えてきました。仮にパスが通ったとしてもパスコースがズレる、上手くキャッチできないなどにより、ディフェンスに余裕を与えたりしっかりとシュートを打てず決めきれない。
CJがゴールに近づこうとしてもファールで止められてしまう(フリースローの成功率は低い)。バリエーションの少なさも感じます。これによりオフェンスの停滞が生じています。
2.影を潜める速攻
シーズン当初にできていたことができなくなっている。これは上記で述べたとおり、相手チームのスカウティングや分析によるところが大きいと思いますが、この速攻による得点の減少も当てはまりそうです。
岡田からのロングパスをコートの真ん中を突っ走るCJがキャッチして素早くゴールを奪う…。最近見てないなあと思いませんか?
別にCJが走るのをサボっているわけではありません。走っていても…やはりパスが来ない。
こういうプレーはチームスタイルも影響しますが、必殺のレベルまで昇華できなかったことも要因でしょう。
また先ほどから岡田とCJを例に取っていますが、他の選手で同じようにできるかといえばそうではない。攻撃パターンの精度というものが低い(相手チームの警戒を上回るレベルにはなっていない)ということがハンナリーズのチーム全体で言えます。
以前のブログでも「キラーセット」(これはわたしの造語ですが)の重要性を説いていますが、これが構築できていません。
以上、オフェンスについて見てみました。
イカ、いや以下ではディフェンスについてです。
3.ゾーンは有効なのか?
長く見ていると、ハンナリーズのゾーンプレス、ゾーンディフェンスをやるタイミングというのは決まっていることに気付くことができます。フリースローのあとはだいたい、2人のガードがオールコートでプレッシャーをかけ、フロントコートにボールが入ると2-3ゾーンに移行します。
あまりにも明快なので、相手チームからすると「ミーティングでやったとこだ!」と言わんばかりにゾーン崩しを披露して得点を決められてしまう…という場面もまたよく見ます。
繰り返しやっているディフェンスなんですが、練度が低いと感じます。両ウィングに対するシュートのケア、ハイポストに対するディフェンス、コーナーからの攻撃に対する対応、いろんなパターンでやられるのでゾーン崩しの練習を見ているようです。少なくとも効果的とはいえません。
4.ミスマッチとローテーション
P&Rを駆使することで、ミスマッチが生じます。大きい選手を小さい選手がマークする、またはその逆というシチュエーションです。各チームは狙ってやっていることなので「ミスマッチ」という状況を作り出せるか?それを防げるか?という攻防がまずあるんですが、ここで問題にしたいのはミスマッチが起こってしまったときの対応です。
P&Rによりズレができてしまっても連携してカバーして元に戻すのか、ミスマッチを許容してスイッチするのか、ケースバイケースですが、これもまたここにきて京都の弱点になっています。
ミスマッチの1対1で我慢ができない。例えば、ガルシアが前田と1対1になった場合、やられる可能性もあるのですがそこは踏ん張らないといけない。ヘルプにいってしまってフリーの選手がイージーにシュートを決める…これが一番避けなければならないのにそれを許してしまっている。
オフェンスの話になりますが、ハンナリーズがP&Rを駆使してミスマッチを作ったとしても、小西とハレルソンの1対1でスピードでは優位なはずなのに止められてしまう。ゴールから遠い位置でKJと角田が1対1となっても体格差を生かせない。
一見して優位であったとしてもそれが得点に結びつけられなければ意味がないし、逆に不利と思えてもそこを踏ん張ればチャンスになる。たくさんの選択肢を与えてしまい、自らを追い込んでいるのがハンナリーズのチームディフェンスの現状です。
5.選手起用について
このテーマは攻守の両方にいえるところですが、私個人の考えでは起用の問題ではなく、やはりコートにいる選手がコートで起こっている問題を解決できていない。
ベンチから出ていった選手が状況をより悪化させて戻ってくるというシーンもよく見ます。
ロイラナを批判する人に材料を与えている部分ですが、最近のロイラナの試合後のコメントを見ていると相手チームを称賛することが増えているように感じます。相手は上手くできていて、自分たちはできていない。
現代バスケットのスタンダードの表現するロイラナですが、選手に多くを求めているように思えません。悪い言い方をすれば選手個々をそこまで高く評価していない。
逆からみれば選手たちの方がヘッドコーチを驚かせるような、想像を超えるような結果を出せていないというのも残念なところです。
またシーズンも終盤にきて選手の役割もはっきりしてきている。ベンチから出て行く選手は「ロールプレイヤー」としてある特定の役割を与えられることになります。澁田選手であれば、スピードを生かしたアタック、青木選手であればもちろんスリーポイント…など。選手のコメントを見てもその自覚はしっかり持っています。
とはいえ出てすぐベンチに下げられるのはその特定の役割をこなせていないということなので、やはり自分のやるべきことができている、とは言えません。
一方でスタートから出る選手は多くのことをこなさないといけないし、数字を残さないといけない。これが相手を上回れなければ勝利という結果はついてこない。スタメンの選手の責任は大きいと思います。何度も変わるスターティングメンバーはそれだけ信頼されていないことの現れではないでしょうか。負担が、プレータイムの偏りが、などの言い訳は甘えであり結果の責任を負わなければいけません。
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以上、考察してみました。
長々と書きましたが、わたしが言いたいことは
「こんなもんじゃないでしょ?」
ホームゲームで流れてる、はんなりんのパフォーマンス曲ですね。
そして、改めて感じる、昨シーズンからのスローガンの秀逸。
『共に、登る。』
残り試合は少ない。成長しましょう、試練に打ち克ちましょう。選手個々が?チームが?
いや、みんなで、です。
6.ロマンシングなSAGA
お待たせしました、本題です(もうええて)。
佐賀は実は初めてではなく、数年前の天皇杯で唐津に来たことがあります。そのときは1日中バスケの試合を見ていたため唐津市内をちょろっとウロウロしたくらいであまり観光などしませんでしたが、今回はまずはSAGAアリーナ!ここに来てみたかった!
「新アリーナ」というものがBリーグのプレミアの条件でなんたらかんたらで各地で建設されてきていますが、ご自慢のアリーナちょっと見てやるかみたいな気持ちで行くと、めちゃくちゃすごい!!!と毎回圧倒されますね。
沖縄アリーナ、群馬のアリーナに続き、今回の佐賀のアリーナもまた素晴らしく、圧巻でした。
ついに京都にも新アリーナ建設が決定(されたの?)ということで向日市にこれが建つのか、いやここまで大きいものは敷地面積的に、とか議論するのもまた楽しからずや。
演出もすごくて、いやもうライブやん!ってなってましたね。
自分はベンチ裏の中段くらいにいましたが試合はめちゃくちゃ見やすい。かたおかアリーナの2階席前段くらいですが傾斜もあって遠さは感じませんでした。4階まであるのもすごいしどうやらVIP席も充実しているようです。お手洗いも多くて入口出口が分かれてる形式。
体育館にはない非日常空間は素晴らしかったです。
ただ場内に飲食ブースは少なくて、もちろん自販機もなくて、飲み物買い忘れて難儀しました。体育館に慣れてると自販機楽でいいなあと思いますがそういうのダメなんですよね…(ハンナリーズでもリリースありましたが)
アクセスは佐賀駅から徒歩15分くらいでちょうどよい。向日市も駅からこれくらいかな?(勝っていたら15秒くらいに、負けたら15時間くらいに感じるやつですね)
おっと、ここまで佐賀バルーナーズについて全く触れてませんでした。
ハンナリーズゆかりの選手としては、2018-19シーズンにルーキーとして在籍していた岸田篤生選手がいます。ハンナリーズから当時のB2西宮、その後同じくB2佐賀に移籍したので実は公式戦での京都との対戦は移籍後初めてとなりました。
出場時間は短いものでしたが成長した姿を見れました。シュート力やハッスルプレーは元々持ち味でしたし、やっぱりプロとしてのキャリアをハンナリーズでスタートした選手が長くリーグでプレーしているのは嬉しいですね。
富山で初めて彼がハンナリーズのユニフォームを着て登場したときのことははっきり覚えています。当時は色々ありました…。
アツキと同じで京都から西宮、佐賀に移籍したのはアシスタントコーチの高橋テツさん。京都戦が楽しみだったとXに昔の写真を上げてくれてましたね、懐かしい…。当時から在籍してるのは井堀アシスタントコーチだけになりました。若いな…。
あともう1人のアシスタントコーチ、石谷さっちゃん。最初の整理で、分析やスカウティングがハンナリーズの自由なプレーを奪っていると書きましたが、おそらく今節も2人は素晴らしい仕事をしたのだろうと推察されます。
他に印象的な選手も。
初対戦の佐賀は初めて見た選手も多かったのですが、ミスターバルーナーズの筆頭なのでしょうか。角田のインパクトがありました。
ハレルソンの帰化の報に他チームが絶望したのは少し前ですが、やはり事実でしたね。チームの柱として非常にマッチしていました。
まずB1で戦う編成がしっかりできており、まだシーズンは終わってませんが、フロントも賞賛されるべき仕事をしたのではないでしょうか。
先述のロールプレイヤーとしてはやはりベテランの存在感が大きい。出場こそなかったものの若いPGを支える山下、いつでもスリーを決める準備がある狩野、出ればゴール下できっちり仕事ができる満原は佐賀に欠かせないピースでした。
井上や相原といった若手も荒削りながら持ち味を見せました。
いや、佐賀の未来は明るいですね。チームとしてさらに浮上できるかどうか。興味深いです。
バルーナーズもこんなもんで。
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あとは佐賀旅行記です。
いつも適当無計画旅人で、今回は遅めの出発でガイドブックも持ってませんでした。だからこそいつも旅は想像の範囲を超えてくれますね。
まずは、佐賀牛!
お手頃にランチで食してブーストのためのエネルギーに替えます。お店は佐賀駅から徒歩5分程度の「焼肉華守KIWAMI」。
移動は徒歩メインで、今回少し楽しみにしていたのは人気ゲーム、ロマンシング・サガとのコラボ企画、「ロマンシング佐賀」。
バルーナーズもコラボしてて、大型ビジョンにキャラクターのドット絵が映し出されたり、ゲーム音楽が流れるのを聞いておおー!と思ってました。
ハンナリーズもフリースロー決めたら「ピコーン」っていうんや…
アプリを使ったスタンプラリーで、「ロマ佐賀」のマンホールがチェックポイントになります。
かわいい。
佐賀駅南のスタンプラリーの終着点が佐賀城跡だったのですが、桜の彩りに誘われてそのまま城内に。
佐賀城の天守閣は現存しておらず、江戸時代の建造物としては鯱の門などしか残っていないようですが、城内は公園として整備され、本丸は歴史館としてきれいに造り直されてます。
無料とのことで中もブラブラ。
このときは江藤新平の没後150年の特別展もあり、楽しめました。明治維新時は新政府のはじまりとともに多くの重要人物を輩出し、存在感を放っていた佐賀。再評価は地元の人たちがもっとやってもいいんじゃないでしょうか。
歴史館の中では「歴史寸劇」ということで、先の江藤新平や大隈重信らの「佐賀の七賢人」に扮した人たちが当時のお話を寸劇で見せてくれます。
簡単に歴史が理解できるし、ちょいちょい入る笑いも地元ネタでこれも楽しい…あと佐賀弁もなかなか新鮮でしたね。
さて、夜の食事はいつもは祝勝会としてブースター仲間とわいわいやることが多いのですが、この日はいろいろあって遅めの時間に1人飲みに。
呼子のイカが旬との情報を得て(ソースはX)、佐賀の夜の街を彷徨いましたが、ネットでの人気店はいっぱいで、個人商店は早めに閉まるようで、いくつかフラれたあと、なんとか滑り込めたお店へ。
少し飲んで帰ろうと思ってたんですが、大将が話しかけてくださり、バルーナーズの話に。前まではアリーナはそんなに埋まらなかった…など詳しそうなのでお話ししていると、なんとこのお店は岸田選手も訪れるところとのこと。サインも飾ってあり、写真なども見せてもらいました。
いや、イカだけでなく、お刺身や日本酒も絶品でした。料理を絶賛すると、大将は「いやぁ…ドウモ…」みたいにはにかむの面白すぎる笑。
たまたま隣席に居合わせた方は、Jリーグの新潟アルビのサポで、サガン鳥栖はお年寄りが多い良いスタジアムだとか京都サンガの川崎颯太選手は必ず代表に呼ばれるとか、持論を展開されてて、その間に女将さんが急に入ってきて佐賀の高校野球について語り出すとか、めちゃくちゃ面白い夜になりました。いやぁ、縁ですね。
佐賀ってあまり九州!って感じでもないんですが、人の温かさはまさに九州のそれ。今回の旅もいろんな人に話しかけられた気がします。
1泊2日の旅では到底時間が足りず、また佐賀来たい!と思える旅でした。吉野ヶ里遺跡は佐賀駅から電車で10分程度という近さにも関わらず今回は行けず。居酒屋の店員さんが昔吉野ヶ里遺跡で働いてたらしく「勾玉磨きをやるべき。銅鏡製作は終わりがあるけど勾玉磨きは自分との戦い」みたいなおすすめをされたので行きたかったんですが…
少し足を伸ばせば、武雄温泉、嬉野温泉など有名な温泉どころも。来年こそはしっかり計画を立てて佐賀旅を満喫します!(フラグ)
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人の温かさといえば、今回の佐賀アウェイのハイライトなしに語れません。
それは試合終了後のエール交換。完敗で終わった日曜日のゲームでしたがうちのコールリーダーはしっかりゴーゴー佐賀!のエールを送りました。
それに対してアウェイ側の近くの数名の方が、ゴーキョートハンナリーズ!と返していただき、ありがたいな…と思って少し静寂がありました。
すると、ホーム側からゴー!京都!ハンナリーズ!の声。
波が押し寄せるようにそれがこちらに届き、それがアリーナ全体を包みました。
どちらかというとアリーナ主導の応援スタイルのバルーナーズの印象でしたが(というかコールリーダー主導のスタイルが特殊なんですが)、最後の最後で、音響なしの生の声を対戦相手のコールでエールをいただけました。
ハンナリーズの選手たちはその声が響く中、アリーナを後にしました。彼らはそれをどう受け止めたのか…。
この日SAGAアリーナはなんと6300人の観客を集めました。その中でたくさんの人たちが声を出してエールを返してくれたことに感激し、言葉が出ませんでした。素晴らしい空間で、得難い経験を旅の最後にすることができました。
以上です!
めちゃくちゃ長くなりましたね。
ではまたー!