製造業向けSaaSが熱い3つの理由
はじめまして。キャディ株式会社の橋本です。
キャディでは、製造業向けSaaS『CADDi Drawer』のプロダクトマネージャーをしています。
この記事では、私がキャディに入社してから1年半強プロダクト開発をする中で感じた、製造業向けSaaSがいま熱い3つの理由を書こうと思います!
あくまで私目線なので悪しからず。また、事業の面白さはプロダクトだけでなく取り組む事業領域や事業フェーズにも依存すると思いますが、本記事ではあくまでプロダクトとしての熱さ、面白さにフォーカスしています。
本題に入る前に簡単に自己紹介します。
コンサル時代に製造業のお客様を担当することはありましたが、ガッツリ製造業向けのサービスを作るのはキャディが初めてです。
1年半強プロダクト開発に取り組む中で、いま製造業向けサービスが超熱いと思っていますので、本記事ではそこの熱さ、面白さをお伝えできればと思います!
CADDi Drawerとは
最初に、我々が作っている製造業向けSaaS『CADDi Drawer』について簡単に紹介します。
CADDi Drawerとは、製造業に関する『経験・データを資産化し、企業変革を支えるデータプラットフォーム』です。
もう少し補足すると、製造業の中でも特に重要な資産である図面データを中心に、サプライチェーン/エンジニアリングチェーン上で生まれるあらゆるデータを蓄積し、データ貯めるだけでなく、データを活用すること・新たな価値を生むことを実現するサービスです。
詳細については、ぜひ弊社CPOの白井が書いたnoteを確認ください!
CADDi Drawerを開発する中で私が特に熱いと感じている、3つのことについて深掘りしてお伝えしたいと思います!
①日本発SaaSとしてグローバルで戦えて熱い
昨今のtoB SaaSブームもあり、日本においてもかなり大きなSaaSが続々と生まれてきています。
ただ、その中で、グローバルで展開しているサービスっていくつありますか?
いくつかのサービスは海外進出し、グローバル展開していると思いますが、多くのサービスは日本国内のみの展開になっています。
グローバル展開が難しい理由はたくさんあると思いますが、私はサービスとして扱うドメイン(事業領域)の問題が大きいと考えています。
例えば、国内でのARR上位のSaaSを見てみると、ほとんどのサービスが人事・労務・会計などのバックオフィス系のサービスです。
バックオフィス系のサービスでグローバルに進出しようと考えた時、日本とは全く違う商習慣や法律・規制に対応する必要があるので、簡単にグローバル展開することは難しいでしょう。また、同じ事業領域に似たようなサービスも多く存在するので、日本発のサービスがグローバルで戦うのはかなり難しいと私は感じています。
その点、CADDi Drawerは扱っているドメインがグローバル展開に非常に向いています。
先に下の2つの図面を見ていただきたいのですが、我々がメインで扱っている図面は、日本と海外でほとんど同じ書き方で作られています。
大きく違うのは、言語と単位(mm/inchなど)のみです。つまり、ドメインとしての差がほとんどありません。
これがどれだけすごいかというと、我々は2022年6月にサービスをローンチしたのですが、一年足らずの翌2023年にはアメリカ・タイ・ベトナムの3カ国にサービスを拡大しています。
この短期間でグローバル展開できているサービスって他にありますか?
また、ただ展開するだけでなく、グローバルでもトップクラスでグロースしているので、本気で日本発のグローバルSaaSとして世界で戦っていると言えると思います。
プロダクトマネージャーとしては、プロダクト開発を進める上で、国内だけでなくグローバル展開前提の開発になるので、考慮する変数は増えます(言語だけでなく時差や単位の違い等)
プロダクト開発としての難易度は高まりますが、こんな短期間で一気にグローバル展開できるサービスもないので、ワクワクしています!
日本発で世界にインパクトを与えられる可能性があるプロダクト開発は熱い!!
②扱うデータの種類が多くて熱い
みなさんは製造業で扱うデータっていうとどんなデータを思い浮かべますか?
2D図面データですかね?3DCADの設計データですかね?受発注のデータですかね?
CADDi Drawerでは、これら全てのデータを扱おうとしています!
PDFなどで保管されている非構造化データである2D図面はもちろんですが、受発注で生まれる構造化データとしてのトランザクションデータも扱っていますし、CADソフトで書かれた3Dの構造化データも扱おうとしています。
構造化データ
ERPシステムなどにある受発注データ
3DCAD
非構造化データ
2D図面
帳票、仕様書などのドキュメント
画像
扱うデータの種類が多い分、使う技術も多岐に渡ります。
構造化データの受発注データは、外部サービスから大量にデータを取り込む必要があるため大量データを捌けるためのシステムを構築したり、3DCADはCADメーカー各種で扱っているフォーマットが違うので、それぞれのフォーマットに対応する技術が必要になっています。
図面やドキュメントなどの非構造化データは、非構造化データから構造化データへ変換するために、OCR技術や記号認識技術、図面解析アルゴリズム技術が必要になっています。
プロダクトマネージャーとしては、扱うデータの種類や使う技術が多いので、幅広い知識が求められます。キャッチアップが大変です。
ただ、製造業のデータプラットフォームとして幅広いデータをうまく扱うことは、プロダクトの一番の強みに繋がるので、かなりやりがいを感じています!
プロダクトとして扱うデータの種類は今後もどんどん増える予定ですし、新しいデータに対応するために新しい技術を取り入れることになるでしょう。個人的には非常にわくわくしています!
製造業のデータを活用した次なるプロダクト戦略を考えることは面白いです!熱い!!
③最先端のAI技術をふんだんに使っていて熱い
CADDi Drawerには最新のAI技術がふんだんに使われています。
AI-OCRや記号認識の画像認識技術だけでなく、類似図面検索など独自の画像解析アルゴリズム(特許取得済み)も開発しています。
社内には、Googleが主催するAIのグローバルコンペティション(Kaggle)で最上位に入るようなエンジニアが複数名いるので、常に最先端のAI技術をサービスに取り込んでいます。
AIを使っているサービスは世の中にたくさんあると思いますが、サービスのコア機能として組み込まれているサービスはそれほどないのかなと私は考えています。
技術的な詳細については、エンジニアが書いているtech blogもぜひ見てみてください。
類似図面検索を使ったユーザーからは、「欲しかった図面が一瞬で見つかってた」や「似たような図面を見つけられて、新しい図面を1から書かずに済んだ」など非常に嬉しい言葉をいただいています。
このように、CADDi Drawerに溜まった図面やサプライチェーン/エンジニアリングチェーン上のデータから、最先端のAI技術を使って、生産性の向上やコスト削減、品質向上など直接ユーザーにインパクトを与える価値を届けるプロダクト開発ができているのは、非常に楽しいです!
今後、AIの進化はより加速すると思いますが、最先端のAI技術をプロダクトに組み込み、ユーザーに価値を届けていくことは、わくわくします!熱い!!
まとめ
いま製造業SaaSが熱い理由が少しでも伝わりましたでしょうか?
今回は3つだけ取り上げましたが、今回取り上げたもの以外にも「変化が起きにくい大企業で行動変容が起きていて熱い」とか「プロダクトを使って行動だけでなく企業文化まで変化が起きていて熱い」などたくさんの熱いポイントがあります!
本当に面白いプロダクトだと思いますので、少しでも興味を持っていただいた方や、よくわからんけど少し話を聞いてみたいという方がいらっしゃれば、下記からご連絡ください!今すぐ転職を考えていなくても全然大丈夫です!
また、たくさんのポジションで絶賛採用募集中ですので、お気軽にご応募ください!
終わりに
一気に話は変わりますが、私はワインエキスパート(ほぼソムリエと同じ資格)を取得しているので、私が好きなワインの中から渾身の1本をおすすめして締めます。
その一本とは、ドイツワインの頂点、白のロマネ・コンティと呼ばれる世界で最も高額なワインを作るエゴン・ミュラーが、スロヴァキアの地で作るリースリング100%の白ワイン『シャトー・ベラ リースリング』です。
一本数万円を超える高級ワインを作る超有名生産者が、より安価で手にしやすいワインを作るためにドイツを飛び出し、ワイン生産地としてそれほどメジャーではないスロヴァキアの地でワイン作りをしています。
大胆な発想で、新しい価値を生み出す点はまさにスタートアップの思考ですね!
フルーティーな香りで、スッキリ飲みやすく、ワインがそんなに得意でない方も飲みやすい一本です。3,000円ちょっとで飲めます。
私はこのワインに出会うまでは正直そこまでワインが得意ではなかったのですが、このワインの美味しさに感動し、一気にワイン沼にハマりました。
人生が変わる一本です。ぜひお楽しみください!
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