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2‐6 運動の意味を変える

 では、運動イメージの変革編、ラストの実験です。

 プレイヤーは片手を真っ直ぐ正面方向に、地面と平行に伸ばします。パートナーは片手でプレイヤーの手首あたりに手を置いて、プレイヤーの手を押し下げるように力を入れます。プレイヤーは自分の腕を地面と平行の状態を保つようにします。その時、次の2つを試してみましょう。

A:プレイヤーはパートナーに押し下げられないように腕をキープする。
 
B:プレイヤーはパートナーからの力を感じたら、その力の分、腕が前にどんどん伸びていく。腕が伸びた先に助けたい人がいて、パートナーに押されれば押されるほど、助けたい人に手が近づく。そのようにイメージしながら腕をキープする。

 これはBのイメージをもったほうがキープできます。
 
Aの範囲は「自分」です。パートナーに押される力に負けないように、筋力が発揮されます。これは「対抗」ですね。

Bの範囲は「自分、パートナー、助けたい相手」です。パートナーは味方であり、パートナーから加えられる力は、どんどん前の方向に変換されるのを感じるでしょう。

 

 レスリングや相撲でも、「自分が相手を倒す」である必要はありません。相手と組んだ瞬間、自分と相手はひとつの塊になる。相手の肩においた仮想点Xが数センチ後ろのYに下がるように動かす。そのように運動イメージを変えるだけで、あっけなく動くことがあります。

 相手を相手だと思っている限り実現できない、相手も自分の一部だと認識すると実現できる。人間の脳と運動って改めてすごいな、と思います。

PS.パフォーマンスは変えられる!

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