日曜の午後に
もう少しで15歳になる長男が、「友達たちと遊びに行く」
というので、留守中、彼の部屋を掃除した。
もちろん自主性は重んじる方針なので、
全て僕がやって、ということは無いのだけど、
「ここまでやっておけば、あとは整理整頓しやすいんじゃないかな?」
というところまで、やっておいた。
ただひとつ、問題があった。
それは僕がそれを無断でやったことだ。
思春期真っ只中である、
「片付けておくよ」「ああ、お父さんよろしく」
とはならない。
「片付けておくよ」「自分でやるから、大丈夫」
だいたいこのパターンである。
やるとすれば、今日がBEST DAYだった。
とはいえ、「無断である程度片づけたこと」に対しては、
長男に「申し訳なかったな」という気持ちもあった。
そんなこんなで部屋の掃除が終わり、台所の清掃をしていたら、
「ただいまー」
長男が帰宅した。2Fの彼の自室に階段を駆け上がり、
すぐに戻ってくる足音が聞こえた。
勝手に部屋に入って片付けたことについて、何か言われるだろう、と覚悟していたら、
「片付けてくれてありがとう。こういうのは面と向かってお礼を言わなきゃと思って、降りてきた」
とサプライズのプレゼントのような言葉が返ってきた。
嬉しかった。
父親として、僕は至らない面ばかりだけど、
僕が大切に思っていることを、長男も大切にしてくれている。
それがわかって、なんとも言えないしあわせを感じた日曜の午後だった。
ありがとう。