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戦いの芸術として
普段からお世話になっている写真家・オケタニ教授に声かけをいただき、トークイベントに登壇した。
会場は阿佐ヶ谷ロフト。
かつてソラミミストの安斎肇さん、音楽評論家の湯浅学さんとプリンストークさせてもらった大好きな会場だ。
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今回の企画、わずか1週間前、それも朝早い時間にオケタニ教授からLINEでオファーがきた。その性急さから「ああ、これピンチヒッター案件だなぁ」と察した。こういうとき「二つ返事」は嬉しいもので。僕も今まで何かあったときは、誰かが助けてくれてここまでやってきたので、貢献できる機会が嬉しかった。
タイトルは『教授とドクター』で行きましょう。僕の提案を教授はOKしてくれた。
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ただひとつ心配だったのは、準備期間があまりないこと。
僕が皆さんに知って欲しいテーマについて50分間、動画などでプレゼンする形式だったのだけど、今から新しいテーマに挑むのはちょっと時間が足りない。前日の夜まで悩んだ挙句、「戦いの芸術」をテーマにした。
格闘技のことを英語でMartial Artsという。もともとは命のやりとりだった戦闘術を、安全性を向上させ、芸術にまで高める。そんな意志が読み取れる言葉だ。
昨今、SNSの発展に伴い、「暴力的な煽り動画」がメイン、試合における芸術性は微塵も感じられず、興奮はあれど感動は皆無のコンテンツが流行していて。いびつな承認欲求の場、膨れ上がった虚勢の場に堕しているとの声を聞く。
「格闘技嫌いになりました」
「あれは単なる暴力ですよね」
「ガラが悪くて子どもたちには見せたくない」
などの感想も耳にするし、格闘技興行での観客のマナーの悪さゆえ、「格闘技には会場を貸さない」とする表明もSNSで散見されるようになった。ここでは「暴力的コンテンツが格闘技と言えるかどうか」の議論はさておき、世間一般からみたら「似たようなもの」にしか見えない、という事実は認識しておきたい。
とまあ、昨今のこのような背景もあり、【戦いの芸術】をテーマに、今回はとにかく芸術性に溢れたファイターたちの試合動画を解説しながら、
「そこからどんなことを学べるか?」
を面白おかしく、紐解いていった。オケタニ教授も、正道会館でカラテを修行されていたこともあり、格闘技系のコンテンツを流石の話術でダイナミックにわかりやすく拡散してくれた。
https://x.com/takuyafutaesaku/status/1412703220778950660
アデミール・ダ・コスタ、モハメド・アリ、ナジーム・ハメド、ルーシラー、ギャリー・オニール。
僕のツイッターでも動画で紹介している、芸術の体現者たち。たとえばKOシーンでも、そこには「ストーリー」があり、偶然ではなく「倒すべくして相手を倒している」過程がある。
きちんと段取りを踏んでクライマックスを迎える、みたいなことは、おそらくは、「お笑い」でも「演劇」でも、「歌唱」でも、「文章」でも、共通する部分なんじゃないでしょうか?
みたいな話をしたときには、観客席にきてくださっていた、噺家さん、舞台俳優さん、オペラを練習している方、ラテン歌手の方も、大きくうなづいてくれていて、戦いの芸術とそれぞれの芸術にブリッジがかかったような気がした。
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最後はパフォーマンス医学から、知ってるだけでかなり動きが変わるワークを2つほど、会場にいた全員(店長も!)とやって、終わりました。
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後半、オケタニ教授の鉄板ネタも、初めてライヴで、しかも隣で体感できて、最高でした。
「愛があふれるがゆえの作品へのツッコミ」をトークにするのはかなり高度な技術が必要なんだけど、それをサラリとあっけなくやってしまうオケタニ教授、流石・百戦錬磨だった。
動画でプレゼン、という同じ形式をとりながら、独自の視点を共有しようとするオケタニ教授。誰にでも共有可能なものを見つけようとする二重作。アプローチが180度真逆で、それも面白かった。
突然のイベント決定、しかも日曜日のお昼開催にも関わらず、わざわざ足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。そしてお声かけくれたオケタニ教授、素敵な機会に感謝です!
・パフォーマンス医学のリリース記念ではオケタニ教授にもスピーカーとしてご参加いただいたのでした。