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孤独の時間が未来をつくる。

ボクシングでも1回チャンピオンになる選手と、
10回防衛する選手がいる。

1回チャンピオンになるだけでも、ものすごい大変なことなんだけど、それを10回やるってどれだけ大変なのだろうか・・・。

僕には想像もつかないレベルの話だけど。

ある有名なファイターがアメリカに練習に行った時、
ボクシングの10回王者の練習を目の当たりにしたそうだ。

1回王者と10回王者の違い、それは「シャドー」だった。

シャドーボクシング。

つまり相手を立てずに、自分ひとりだけでやる練習。10回王者は、このシャドーを3時間でも、4時間でも平気でやっていたそうだ。

僕はいろいろな角度から考えながら、下手なりに自分でもトライしてみた。(とはいえ最初の頃は、30分、いや15分でもかなり難しかった)

何時間もひとりで動ける理由は何なのだろう。

スタミナがあるから?
根性があるから?
負けたくないから?
日課として習慣化されているから?

もちろんそれら全ても要素ではあろう。

僕が僕なりにつかんだこたえ、それは「想像」だった。

目の前に相手はいない。

でも、相手がいるとすれば、

どんな展開になるのか。どんな攻撃をくらうのか。
どんなピンチが訪れるのか。そこからどう脱出すればいいのか。
ひっくり返すとすればどのタイミングで何をやればいいのか。
こっちが不利になったとき相手はどんな表情をしているか。
うちのセコンドなら何を言うか。


いろんなことを具体的に想像できるようになると、
その想像した瞬間瞬間に対して、運動でリアクトするようになった。

運動ありき、出力ありきじゃない。
想像ありき、そこが起点だったのだ。

自分自身の試合を振り返っても、アタマの中が真っ白になった時は100%負けていた。何をどうすればいいかわかってないのに、適切に動けるはずがない。いやその前に、動くことも難しくなるんだ、実際は。

シャドーは孤独なトレーニングだ。

誰かが何か言ってくれるわけじゃない。
なんのリアクションもない。
SNSの「いいね」ひとつもない世界。

でも、脳の中では、対戦相手もいて、一蓮托生の仲間もいて、ビックな会場で、メディアも大注目していて、家族もみんな見に来てるし、ネットフリックスにも記録が残る。

孤独の時間が想像をつくる。
孤独の時間がスタイルをつくる。
孤独の時間が未来をつくる。

リングに立った時、誰かにまた会った時、舞台にまた上がった時、その光景が「再会」になるように、ひとりの時間をいかに過ごすか。

僕は世界王者にはなれなかったけど、
10回王者のエピソードから学んだことは、ずっと大切にしていこうと思う。

・書くって、やっぱりひとりの作業だなぁ。










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