見出し画像

『「なんで英語やるの?」の戦後史』まとめ

この記事では,英語教育の目的論を考える上での最重要文献の一つとも言えるであろう『「なんで英語やるの?」の戦後史 《国民教育》としての英語,その伝統の成立過程』(寺沢, 2014)の概要を簡単にまとめ,これを読んでくださっている英語教育関係者の皆様に「なんで英語を教えるのか」を今一度考えてもらうきっかけを作れればと思っております。

この本は英語教育の目的論に疑問を持つ人,つまり「なんで英語やるの?」と思っている英語教育関係者全てに読んでもらいたい本ではありますが,表現の堅さやデータの重厚さに気圧され,そう簡単に読み切れる人ばかりではないかしれません。自分も学部生時代に一度挫折しました。
本書あるいは本記事を読まれる前に認識しておくべきことは,本書の目的は「なんで英語やるの?」という問いへの満点回答を示すことではなく,

ここから先は

6,585字
この記事のみ ¥ 150

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?