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「自分は何者になりたいか」を問い、決断し続ける


この記事は 株式会社マネーフォワードERPカスタマーリレーション本部が主催している Money Forward ERP Customer Relation Advent Calendar 2024 の 24日目  の投稿です。


皆さん、はじめまして。ERPカスタマーリレーション本部ビジネスプロセスイノベーション部の来田と申します。
所属部署の名前が、まぁ、長い。一発で検索に出てこず、思わず「誰やねん、こんな長ったらしい名前にしたんは??」って突っ込みましたけど、「あ、俺や」と数秒で冷静になりました。

最近思うこと

突然ですが、僕は猫という動物がたまらなく好きです。実家の猫を吸うたびに、「生まれてきてよかった」と毎回思うぐらいには、まぁ、好きです。だっていい匂いがするだけなく、全身で猫を浴びている感じがしますもん。
この「好きなものに包まれている」という体験こそ、まさに人は至福だと思えるんですよね。
ちなみに、ヘッダーの画像は実家の猫です。

で、話は180度変わりますが、皆さんは最近どんな決断をしましたか?

ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人は一日3万5000回もの回数で、何かしら決断をしていると考えられてるそうです。

ほんまいかな、ってツッコミはさておいて、「スタバでどのコーヒーを飲むか」や「今日はどこの座席に座ろうか」という粒度や無意識下での判断数を考えるとあながち間違いではなさそうですよね。

では、次の質問ですが、みなさんはプライベートもしくは仕事、何でもよいので、1年前に思い描いていた未来になっているでしょうか?

ちなみに、僕は新卒入社した会社の影響で毎年年末にその年の振返りと翌年の目標の作成を続けていますが、2023年末に作った目標として、このようなものがありました。

  • 引っ越しする

  • 上高地にいって、お気に入りに山荘でくつろぐ(できれば宿泊する)

  • 転職先を決めて、入社後は自分がその仕事を楽しいと思えるまで努力する

こんな感じです。粒度も対象領域もばらばらですが、だいたい毎年10個書いています。

と同時に、2023年の目標に対し、振り返ると、総括して以下のような振り返りがありました。

  • 自分がチャレンジしたかった目標は概ね達成できた

  • しかし、達成できなかったものに対し、いくつかは非常に後悔が残るものがあった

  • 達成できた理由は、その目標の難易度はもちろん、立てた目標が納得でき、かつその目標を達成することで自分にとってより良い未来が見えていたからである

日々忙しく毎日を過ごしていると、その瞬間の判断ばかりとなり、いわゆる「日々の積み重ね」という実感がどうしても薄れてしまいます。結果、「頑張ったけど、身になっている実感」というものをあまり感じることができていませんでした。

新卒の頃はまさにこの日々でして、「忙しかった年だったけど、俺は何ができるようになったんだっけ?」「今の俺って、本当に目指したかった状態なんだっけ?」という不安と後悔を抱くばかりでした。

そうした僕を見かねた上司に、上記のような目標設計と振返りの機会をいただき、2018年より6年ほど続けています。

年末年始の振返りのおすすめ

さて、前置きが長くなりましたが、ここから本論です。
このNOTEを投稿しているタイミングは12月24日ですが、まさに「年末」ですね。

マネーフォワードでは通年、この時期に半期のFB面談を実施しております。そこで所属する部門長よりいろんなFBを受け、半期の振返りを行いつつ、今後に向けて双方向のコミュニケーションを実施します。

ここで重要なのは、「FBを受けた方がいかに納得し、次に向けてどのような行動を考えられるか」だと捉えています。

正直にお話をすると、過去所属した企業でこうしたFBを受けた際に僕自身が受けたFBだけで完全に納得することは非常に難しかったです。
もちろん、個々の仕事に対する成果貢献の程度は最終的に上長が判断するものなので、それに対してなんの意見もなく、むしろ「こんなに評価していただけて、本当に感謝です」って気持ちでした。

一方で「来田さんは◯◯をすれば、きっとより良いキャリアにつながるんじゃないかな」という話になると、納得は難しいものでした。言い換えれば、僕の人生を他人の物差しで測られ、判断し、提案されることへの苦痛です。

しかし、ある時よりこうした自身のキャリアに踏み込んだ話をすんなり受け入れられ、かつ、具体的なHOWの話を双方向でできるようになりました。

それこそ、先述した年末年始の振り返りです。

この振り返りを通して、自分の言葉で、嘘偽りなくその時の思いを言語化して過去の反省を行う。

そして、こうした振り返りを通して、自分はどういった挑戦をしたいか、どういった事ができるようになりたいのか、さらに「自分は何者になりたいのか」を納得するまで言語化することに努めています。

で、肝心なのは、「年末年始の振り返り」をどうやってするか、ですよね。参考までに僕のやり方をお伝えします。
大別すると「振り返りする方法」と「目標を設計する方法」、この2つに分けて説明します。

  • 振り返り編

    • 振り返る時間の確保

      • 一人になれる時間を確保。振り返ることだけに没頭するなら、土日がおすすめ。エモくなれるタイミングなら、よりおすすめ(自分に正直に、奥底に眠る感情と向き合うため)

    • 目標は日常使いする紙の手帳の1ページにまとめて記載しているので、ざっと目を通して、評価する

      • 評価する際、自分なりの基準があると良い。僕は「◎:大きな目標にチャレンジしたけど、未達。しかし、今後につながる実りある反省が多数あった。」「◯:チャレンジし、目標達成した」「△:チャレンジしたけど、目標は達成できなかった。かつ、実りある反省も少ないものだった。」というふうにしています。

      • ここで大事なことは、「目標未達」を「失敗」と捉えないこと。だって、自分自身の振り返りなので、結果は「ただ未達」でしかなく、翌年チャレンジすればいいだけですから。

      • より重要なのは、難しい目標にトライした自分を評価してあげるようにしてます(そして、これはきっと自分自身にしかできない)

    • 「振り返り」をより深堀りする

      • プライベート編

        • 「楽しかった思い出や嬉しかった経験」を中心に振り返り、自信の価値観の変遷を把握する(そして、自分の加齢を実感する)

        • 「プライベートでの大きな変化に寄与したチャレンジは何であったか」を総括して振り返る

          • プライベートの面で特にインパクトのあった取り組みが何であったかを振り返ることで、翌年の取り組みの参考とする

          • 特に、時間とお金、この二軸で総括して振り返ると、取り組みそのものを冷静に分析できます

          • なお、僕にとって一番コスパよくかつ継続してチャレンジしていることは、「家族や友人との時間をいかに大事にするか」という点でした。

      • 仕事編

        • 「創出した成果」が、関わる人々や会社、それぞれに対しどのような貢献につながったかを振り返ります。

          • ここで大事なのは、「その正確性」にこだわらず、「創出した成果」に対する影響を正しく想像できるか、です。ここに「量」や「影響度」を加味しだすと、沼るので。

          • 記載した成果が、前年やそれ以前に立てた目標にかなっているか、もしくは元来目指したかった目標であるかを率直に振り返ってみてください。偶発的なきっかけで、見えていなかったキャリアの視野を広げる機会にもなるので、まじでおすすめです。

        • 自分の職務経歴書を更新する

          • 転職などに活用する職務経歴書に、取り組んだ内容とその成果を職務経歴書に追加してください。

          • 転職しなくても、「自分の市場価値」を正しく把握する素材としてこの職務経歴書が非常に有用です。この職務経歴書に加筆できないものである場合、客観的に見た「成果」と言い難いかもしれないので、ここで冷静に振り返る機会ともなっています。

  • 目標設計編

    • 短期目標(翌年中までの取り組み)を考える

      • 1年後、どうなっていたら自分は「嬉しいか」という観点で考える

      • ここで大事なのは、「今の基準で考えないこと」です。これからの一年を通して取り組んだ結果の先にあるので、「今のキャパシティやできること」だけで考えると、チャレンジしがいのある目標にはなりません。

      • マイルストーンは短くて四半期単位でまず考える

        • プライベートで毎日や毎週単位で目標設計を考えるとめちゃくちゃ時間がかかりかつそのマネジメントが困難になるので、大枠は四半期単位でマイルストーンを設定しています

        • そして、マイルストーンの更に重要な要素は、必要な単位で細分化しています

          • 〇〇のライブに参加する、という目標なら、応募期限やホテルなどの手配期限などあるため

      • 1つだけでよいので、「今の自分なら難しいけど、取り組んでみたい大きな目標」を設定する

        • チャレンジした際の達成感はもちろん、そうした目標にチャレンジすることで人は成長するものですので、適度に難しい目標はおすすめです

    • 中期目標(2〜3年後までの取り組み)を考える

      • 純粋に、漠然と考えている目標を書いてみるという程度でよいです

      • こうした中長期スパンでの目標を言語化することで、「自分はどうしたいのか」「何者になりたいか」を知る機会になるし、振り返ることで過去の自分と向き合うこともできます

        • ちなみに、「ない」ということも正解なので、「中長期の目標がある」ということを絶対視する必要はありません。

  • ご褒美を自分に与える

    • 僕は◎・◯・△の数に応じて、年末にご褒美を与えています。ちなみに、今年は◯が2個あったのでカニの食べ放題へ行ってきました

    • こんな感じで、振り返った結果だからこそ、オリジナルの「自分へのご褒美」を設定すると面白いですし、やりがいも高まるのでおすすめです

「自分は何者になりたいのか」という問いと向き合い、決断し続ける。

いやー、長くなりましたね、ここまでの文章。

本当は猫のくだりを書いた序文で「実家の歴代猫の特集」でもしようかと思ったのですが、冷静な自分を褒め称えたいです。

そして、このNOTEを書いているのは、まさに年末です。当社は11月期の会社ですので、期末&期初が一気に押し寄せた時期でもあります。

と同時に、僕はマネーフォワードに入社して初めての年末を迎えることになります。(今年4月1日入社)

いやー(2回目)、まじであっという間の時間でした。振り返ってみると反省だらけの日々です。

実はこのNOTEの投稿する前年の同時期、MFの最終面接があり、いろいろと自分のこれまでを振り返りし、MFに入社してどういったことに取り組みたいかをまさに面接で見極められている時期でもありました。
あれから一年が経ってしまったのです...(遠い目)

(当時のカレンダーより)

転職の際、僕が最も大事にした自身への問いはまさに「自分は何者になりたいのか」でした。
本当に難しく、非常に時間をかけて考えました。

同時に、これまで関わってきた多くの人がその決断に悩み、葛藤する際に向き合うものが、まさにこの問いでした。

「◯◯をしたい」「◯◯ができるようになりたい」「◯◯という役職につきたい」「◯◯ぐらいの年収を稼ぎたい」
どれも、ある種の手段にすぎません。

これらの願望の終着点は必ず自分自身にあり、「自分が何者になりたいか」という潜在的・顕在的な思いからしかこうした願望は発せられないと確信しています。

しかし、手段が目的に先行し、「あれ、思ってたんと違う」という経験を何度もしてきました。それは「自分が何者になりたいか」という問いに真摯に向き合わず、その場のふわっとした表面的な自己理解で手段を選択し続けたことが主たる要因でした。

このNOTEを読んでいるみなさんの多くはきっと「望む未来を手にしたい」、そうした思いがあると思います。

いきなり「どうすればいいか」という手段を考える前に、こうした年末の機会にぜひゆっくりと自身と向き合い、「自分は何者になりたいのか」「なぜそう思うのか」「この目標で果たして本当に自分は嬉しいのだろうか」ということをじっくり考えて見ることをおすすめします。

冒頭に紹介しましたが、人は一日3万5000回もの回数で、何かしら決断をしていると考えられてるそうです。

そう、まさに僕らの日々は決断の日々なのです。
そして、その日々の決断によって時に悩み、後悔することもあると思います。

でも、それは必要な悩みであり、苦しみであると思うんですよね。
むしろ、これだけの決断の日々で、悩まず、後悔しないというほうがありえないとさえ思います。

できるだけ悩みを少なく、後悔を小さく、しかし、勇気をもってチャレンジし続けるためにはどうすればよいのか?

簡単な問いではないことを承知で繰り返します。

「自分が何者になりたいか」を問い続けてみませんか?

P.S.
「自分が何者になりたいか」という問いにあたっての考えの原型は2020年に読んだ「Who You Are ベン・ホロウィッツ (著)」にあります。当社のCEO・辻さんの序文は恐れながら秀逸、という他表現できないものであり、この文章をきっかけにマネーフォワードという会社そのものに関心を持ち始めた契機となった本でもあります。年末年始のお供におすすめします。


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